白と灰 Ⅱ
木立 悟
もの言わぬそよぎ
つぶやきの時間
開花と脱皮の
見えないやわらかさの
短く密かなそよぎ
離れゆく風を星は追う
飛び立つ冷たさ
翅の重さにひらかれる本
はらはらと
終わりにたどりつくことなく
くりかえす
消えかけた道の端に立ち
先にひろがる何もない景に向かって
花が降りつづけるのを見つめている
欲と恐れは青く光り
深く落ちる花にさえとどき
無への歩幅を照らしている
自由詩
白と灰 Ⅱ
Copyright
木立 悟
2006-05-24 02:04:52