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昔は僕も若かった
どんぶり飯にラーメン大盛
コーラはオームサイズ
昔は僕も若かった
100メートルを全力で走っていた
マラソンを完走していた
昔は僕も若かった
朝立ち昼立ち夕立ち
いつ ....
窓の外からプラハの音がする
かつて愛していた人や物も
眠たい砂鉄のように
廃屋に降り積もっている
少し押し込むと
そこで手触りは行き止まり
肉体は肉体たちのメニューとなり
旧市街 ....
林檎を むきながら想う
貴方の目
どうしても思い切れない
あなたの声
リトルシガーの煙
うすく立ちのぼる果は
頼りない指の先
もはや 希望の色はなく
何か ぼ ....
ぼくはどこへゆくのかなぁ
ポケットにビー玉がじゃらじゃら
麦わら帽子に少し汚れたランニング
ビーチサンダルの鼻緒はブルーだった
あの頃のぼくはもういない
灼熱の街を黒い革靴でさまよう
....
君の声が僕に届く
受話器を少し曇らさせて
その空気を庇った
時間がないような気がして
一度に沢山のことを
話したくなる
僕らはまだ
何も知らないはずなのに
どうして同じ方向を
....
○「生きる」
鳥たちも
虫たちも
草木たちも
それぞれの生を
迷いなく
生きている
○「今ある幸せ」
今ある幸せに
感謝しよう
今ある幸せに感謝できる人は
幸せだ
○「 ....
密集する緑の群れ
鮮やか葉の揺らぎ
その木立隙間に
覗く向かい家の台所の窓、
橙の暖かな明かり早々灯り
空は水の色 なんて透明に澄みわたり
遠く灰の雲 地平からすっと首伸ばす
....
この時
会うのが
最後
かもしれない
と時々思う
あなたの
存在を
知ることが
出来て
よかったと思っている
今年も
ひぐらしと
すいっちょと
こおろぎの歌を ....
カニ味噌を泳ぐ
珍しい形のしゃもじが
私をご飯にする
世界、と口にしてみる
人口よりも多い
イクラを数えながら
父は余生を送った
美味しかった、とだけ
書かれた遺書を見つけて
....
いまからおれは
ナスのことを話す
乳白色のレジ袋の中
群れをなすナス
おれはナスに仇なす者
包丁の鈍い光
ナスのヘタ切り離す
輪切り
乱切り
半月切り
水にさらす
もはや ....
○「今あるもの」
今ある健康
今ある幸せ
今ある平和
今あるものを
大事にしていかなければいけない
ないものねだりではいけない
人間ドックを受けて
改めてそう思った
○「昭和の台 ....
冬の日の山
真白な雪の その彼方に
孤り高く貴女がいる
あの山の
雪を被った樹々の間に立ちあらわれる
男の前に
肉を欲しがり
血を欲しがり
体温を欲しがって
....
小学二年生ぐらいかな?
道幅いっぱい 横並ぶ
かしましい女の子らの
背後にピッタリくっ付き
駅へ向かう
なんだろう?
ラップかな?
彼女達の口から繰り返し
飛び ....
生きているからこそ喉が渇く
生きているからこそ腹が減る
生きているからこそ寂しい
生きているからこそ腹が立つ
すべては生きているからこそ
死ねば
火葬場のけむりとな ....
亡びたもののあかるさが満ちる夏の庭
もう誰も時刻を読むことのない白い日時計
茂みに囲まれた小さな池
茂みをざわめかせていた風がやむと
あちこちの陰にひそんでいた気配たちが
(それが何の気 ....
夏の雨が降るとやってくるシロイルカ
冷蔵庫から勝手にサーモンなんか出して盗み食いしてる
(いいけど、いいんだけどね。そのために買っといたんだけどね。柿の種もあるよ)
腹が満ちたら、さてっと、やる ....
蛙の大合唱が
消えて久しい
子供のころは
水田から一晩中
蛙の大合唱が聞こえていたのに
満月の深夜
小便に起きると
月の光にこうこうと照らされた水田から
蛙の大合唱がオーケスト ....
5年ぶりに座った
ブランクを感じない座りだった
思えば昭和57年から座っているのだ
ふと和尚の警策を受けてみようという気になった
予想どおり温かい心のこもった警策であった
その後典座担当の作 ....
話をすればそれらは
すべて白紙になる、例えば
真冬の薄暗い水面を航行してきた
一艘の空気自転車が
小さな港に着岸する
凍てつく畑を耕す幼いままの父や
瓶の底に落ちていく身体
擦り ....
煙りのなか、ただ どうしようもなく佇んでいる。
煙り、のなかに、ただ、どうしようもなく
灯りはある、そして機械がある。
機械的に機械するわたしは機械ではない。
....
砲口のまえで、
つねに張りつめている、
灰色のくもり空のした、
まなざしは玉結びのように、つねにかたく、
未開にもひとしい、山道を、
まるで履きなれない軍靴で、
踏みしめて、
ゆくように ....
土の中の箱の中に
しまい込められた
あの頃の未来の絵は
もうとっくに
古くさい世界で
そう
あなたはとっくに
幸せになってるはずだ
風の知らせで ....
未だ 秋は
何処に居るかも解らない季節なのに
あなたが別れよう という
緑と
白と
二色に色分けた水が流れる
橋に立てば
上流にまわる水車
そして
長く流 ....
夏の水の力を借りて
包丁を研ぐ
冷たい石の周りで
世界は沸騰し騒騒しい
蝉は
悲しみを
果てまで
追い詰めて鳴く
時折
人差し指で
刃に触れて確かめる
すり減りながら
鈍色 ....
○「有難い話」
猛暑の中
ふだんどおり仕事をしている人たちがいる
先ほどゴミ収集車がいつものように来た
こういう人たちのおかげで
世の中がまわっているのだ
有難い!
有難い!
○「 ....
又 戻って来た
物憂い瞳で 上手く口説き
心をさらいに来る悪魔
親しげに抱きしめてくる腕
あたしがいつも
浮き草の様に揺れ動いているのを
充分に知っている男
取り ....
雨が降っている
雨だと思う
すべてが細くなる
無い言葉
はずれた草花
消えていく庭は
町工場のところで
途切れてしまった
ノートの中にある
わたしの罫線
罫線に隠している
....
○「田舎暮らしに欠かせないもの」
草刈り機
かゆみ止め
香典袋
朝夕のあいさつ
○「薬代」
薬を食べているような人たちが
いる
薬局で薬代を
4万5千円ぐらい払っている人がいた
....
暑い暑いって
異常が
普通に
なっちゃった
人間社会もね
普通って
何
普通なんてあるの
普通というのは
普通ではない
無くて当然
あって有り難い
零を
思い ....
ソファーに転がって本気でだらだらする
見過ごした(溜まった)ドラマ、映画を一挙に消化する
いつ死ぬか分からない 生死をかけて観ている
続きを観ずに死んでもいいやと思わせたら作り手の敗北だ
缶詰 ....
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