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霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
一緒にいよう、いつも一緒にいよう
お互いの頼りはいつも傍にいること
冷たい風が強い町でも
海の匂いが切通しを下りてくるここでも
痛くても悲しくても朝は必ずきてしまうから
だからね、だから
 ....
知人の見舞いに桃を持っていったが
急に呼吸状態が悪くなったと
面会はできず
桃は連れ帰った

食卓に置いた木箱のふたを開けると
縦にみっつ並んで
桃たちは姉妹のようだ
血色よく尻を ....
じぶん
が揺らぐ
動と静の密林で
わたしは
音と
光と
緑と
土と
一緒になる
「そういう気がする」
のではなくて
本当に一緒になる
わたしはバラバラで
形はなくって
そん ....
制服を仕立てにいくと言って
行ってしまった

トイレや脱衣所の扉が
足音に反応して閉められる
ほろにがい痛みをともなう
(バタン、カチャ
ちゃんと閉めなさい、なんて
言ってたのは
い ....
うみにくると
ふるさとに
かえってきたような
きもちになるのは
なんだろう

こくどうから
ながめわたす
ささーん ささーん

おおきくみえたはずの
うねりが
かたちをなくして ....
{引用=
( 竹林に翁が影、竹を切る 音がする )



里はもうそんな時節らしい


 路によりそう水の流れ
ここは、暮らしにいつも水音がある


 流れる水は 淀むことをし ....
膝小僧の下に生える毛はとても強い
太くて、まっすぐで、
80デニールのタイツも突き抜けそうにピンと生えている
脚に垂直に
地球に水平に

やせた土地にあって
少しの栄養で気まぐれに芽 ....
あのときより
たくさんことばをしって
いたみもしって
やさしさもしって

なのに

すべてを
あなたにじょうずに
つたえる
すべがなくて

よるのおとを
ききながら
ひ ....
ある場所で
点、として生じた光りが
わずかな距離を移動して
塵となる
それを一生という

かきあつめたもの
握りしめたもの
すべて消滅してしまう
けれども

細い雨のあとの
植 ....
不器用だから
泣きじゃくって
のりしろは全部
切り落としてしまった

僕、という立体を
通りぬけてゆく風
端っこがめくれて
ビラビラしている

無理しないでね、と
幻のような声を ....
いろんなことあるよ
いろんなこと過ぎていくよ
だいじょうぶ
手をつないでいこう

みんな
のぼっていくね
空には
酸素がいっぱいなんだって
誰かいってた

くらげはね
水にとけ ....
葱。
葱をみている
きざみ葱を頼まれたが
青い部分ばかりで一パックこの値段とは
いかにも法外である

ひと振りの葱を取り、握りを確かめる
銘刀「下仁田」ほどではないが
なかなかの白鞘で ....
動き出した車窓が
景色をゆっくり手放すように
やさしくほどかれる季節は
まだ寝ぼけていたい春の子が
ようやく
んー と
背伸びをしたみたい

かしこい子も
そうでもない子も
とにか ....
堅く握り込んだ
こぶしをひらくと
てのひらに花が生まれる

目を閉じて
かすかな匂いを取り込み
脳によろこびを与える

水をはった
ガラス鉢に浮かべて
しばらく眺める
しずかな、 ....
近くなり遠ざかる海のかさなり
乳白色の巻貝の奥に
うずくまる内蔵
砂となった記憶の粒を探して
耳の感覚だけになる

ふくらみ、しぼむ浅い眠り
とうに輪郭をなくした風の面影に
なつかしい ....
生卵を飲むのが好きなのは

畑からひっこぬいたそのままをかじるような気持ちがするからだ

根野菜を泥もろとも食うなんて御免だが

わらくずや血で汚れた卵のほかほかと可愛いこと

鶏の尻 ....
おまえが将来
大人になれば
ときには重い困難を抱えて
たぐる糸もなく
色を失った世界に
途方にくれることもあるだろう
そんなとき
思いがけず差し伸べられる
手のひら
それが、ありがと ....
よってたかって
酷いことを言うから
精神科に行って
大変な目にあってみました

夏を飛びこして着地した僕は
金木犀のまじった朝露を
深呼吸する
勝ち組、負け組、と問えば
緊張した行司 ....
たいそうなこと ではなくて
そう
立派な家庭とか
何不自由ない暮らしとか
そういうのが望ってわけじゃなくて
だけど
憧れってのはあるわけで



現実は
ただ
どうにかやってま ....
おかあさん
おかあさーん


わたしを産んだ日は
晴れていたと聞きました
満開のサクラ
初夏のような西陽のなかで
汗をかきながら
わたしを産み落としたと。
産院の名前を覚えています ....
「ジョーさん、なんさい?」
「32」
「おれーにじゅーきゅーさーい」
夜もふけたバス停に馬鹿でかい声が響く


 酔っ払っている
 明らかに酔っ払った29歳という青年
 いや
 青年 ....
かこぉん・・・と靴音
軋む、非常階段


感情を言葉に変えた瞬間から
わたしは
燃えないゴミのように無機質な
存在に変わってしまうのだろう

語りすぎるのは
良くないことだ
見つ ....
夜ってきっと縦長
昼間干された空は
くるくるまるめられてる

夜ってきっと縦長
仔馬のたてがみみたい

しなやかだけど強いの
朝に潔く譲る

人はピンポイントに照らされ
ひとりひ ....
相も変わらず
寂しさは私の身体を硬くし

時折に溢れる愛情は
それを許さない

狭間という地点で
一呼吸つけたらいいけれど

見つからない
まだ
満ち足りているのだと
わかり易い言葉に暗号をたくさん隠して
心の内を告げるその奥で
もう 今すぐに!
わたしのいない未来を
突きつけてあげたいと
恭しくその頬に指を添える

とろけそう ....
冷たいゆびで
摘まんだ雪は
わずかにかなしい方へと傾斜し
山裾の町は
湖の名前で呼ぶと
青い空の下で黙って
わたしの声を聞いている


凍った坂の途中から
見渡すと
連なる峰の稜 ....
風が
静かになりました
背骨が曲がったまま
切り取られそうな
刃物を持った風が
止みました


世界では
他愛ないことですが
いまのうちに
背筋を伸ばして、
伸ばして
僕のこ ....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
{引用=夜の階段を下りて
一階はとっくに海に沈んでいったので
その、密やかな貝を避けながら
水の中につま先をいれる

どこまでも透明な
水晶を重ねて束ねて作った
深海は 魚を飲み込む
 ....
日朗歩野さんの自由詩おすすめリスト(889)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
休園日- 自由詩37*16-3-23
愛するものへ- 銀猫自由詩616-2-14
御見舞- 自由詩28*15-8-11
動と静の密林- チアーヌ自由詩714-3-6
卒業- 佐野権太自由詩8*14-3-4
うみ- 佐野権太自由詩9*14-1-4
水の帰郷- 月乃助自由詩14*13-12-18
恋と体毛- かなりや自由詩513-11-28
「いたみをしっているあしあと」- 玉兎自由詩813-7-2
六月のミーティア- 佐野権太自由詩13*13-6-14
僕、という立体- 佐野権太自由詩8*13-4-26
海月- 佐野権太自由詩513-4-5
ネギ侍- 佐野権太自由詩9*13-4-1
サクラブルー- 佐野権太自由詩6*13-3-28
春工房- 佐野権太自由詩5*13-3-22
春の巻貝- 佐野権太自由詩8*13-3-19
- かなりや自由詩213-2-28
贈るほどでもない言葉- 佐野権太自由詩8*13-1-9
キャラメル- 佐野権太自由詩412-11-22
一日一日- さち自由詩812-10-25
祈り_〜八月生まれの母へ〜- 銀猫自由詩13*12-8-15
バス停- さち自由詩512-6-19
静かなスクランブル- 銀猫自由詩18*12-1-4
縦長の夜- 朧月自由詩411-11-1
狭間- 松本 涼自由詩211-2-2
狂薫- 藤原有絵自由詩610-6-10
青空- 銀猫自由詩11*10-1-13
- 銀猫自由詩11*09-12-28
手を離せば- 銀猫自由詩10*09-11-26
水槽- もも う ...自由詩42*09-11-6

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