すべてのおすすめ
フラスコの洗浄
柔らかな
ガラスと午後の触感
他には何も無い音と
別の日
満員電車で吊革に掴まっていると
かなかなかな
隣にいる男の人が
ヒグラシの鳴き真似を始めた
夏が終わ ....
海が集めてくれた流木を
彫り、刻み、磨いて、
鴎を作る
なにも詰め込んではいけない
空洞は
空洞のままがいい
心を壊す意味を知らないで
語りつづけた弱気な希いは
....
明滅する{ルビ生命=いのち}の不思議
魂が魂を呼んでいる
前世の約束を果たすまで
追いかけっこを続け
明日を夢みる
白い折り紙
茶色や灰色を裏側にして
折って畳んで持ちあげたら
イノシシの肩甲骨に
トンビの翼に
エゾジカの硬い角になって
歩く
駆ける
羽ばたく
私の手の平に包まれて
....
もう、何がなんだかワケワカメ
物静かな人妻のパンティを脱がせたら愛の嵐でワケワカメ
中折れし、拳で殴られ鼻から垂れたワケワカメ
冷蔵庫の中で賞味期限の切れた深い悲しみのワケワカメ
入居 ....
私の母親の両親は どちらも良家の生まれだったらしく
蔵をいくつも持っているような村一番のドン百姓だった
祖母の家は代々蚕を育て 絹糸を紡いでいる家だったらしい
祖父の家も詳しくは知らないが ....
この体の
おかげで
いろんなことを
体験出来る
ありがとう体さん
・
よろこび
悲しみ
時には人を傷つけても
いつも感謝を忘れたくはない
最後を待っている私
・
....
澄みわたる
青い空を
深く深く
みつめると
静かさ胸にしんとする
・
形見の歌を
声に出して
なぞる
あのひとの
いのちを
・
今
今を通りすぎる
涙は
....
今は廃校になってしまった小学校のグラウンドに
ぼくら男子児童は立たされていた
50m走のタイムを計るのだと
体育の大森先生は号砲のピストルを
真夏の空へ向けて構えていた
過疎化の進んだ小学校 ....
風に舞う
赤とんぼたちの翅が
秋の陽を
反射するなか
草刈りを終える
・
秋の日の
かたむいてゆく時
こころも何かへと
かたむいてゆく
山鳩の歌ひびき
・
青空 ....
夏の暑さに、包まれ、静まり、静かな怒りの流れのように、
今、雷鳴がとどろき、わたしは戦慄した。
……ざあっと、雨が降るね。おびえる目で見守る。
やがて、ぽつりぽつりと、頬を打つ雨は感動で、至らな ....
暑い季節にはみな熱い手を持っているのに
それでもふと触れた手がひんやりとしていて
溶ける魔法を解かれた
永遠に溶けないやさしいこおり、みたいだった
つくつくぼうしが鳴き始めると
耳をそばだて ....
遠いパヤパヤは、ヤバイ音。
とおいぱやぱやはやばいおと
来る、逢うユリイカ。蒼白い路地を赤い理由歩く。
くる あうゆりいか あおじろいろじおあかいりゆうあるく
宵、鹿住むは陰湿 ....
遠く、はるか遠くの港で、船員たちが一瞬のくつろぎに、
身を任せている。
明日はまた、嵐の海に乗り出ていくんだよ。
明日はまた、セイレーンの歌と戦わねばならないのだ。{ルビ現在=いま}に心を委ねる ....
日々が山となって積もる
あまりにも積もりすぎて
日々の山は崩れる
麓の地平は突然の崩落に大騒ぎだが
俺は山の頂上にいて
ぐらつく足下も気にせず
泰然自若としている
日々は崩れる時は崩れる ....
お盆を過ぎると、
いつも風が少し涼しくなるのは、
多くの死者たちが来訪していた、
その磁場の名残なのか、
死んだカブト虫たちを裏庭の暗い土に埋めて、
その上にできるだけ細長い小石を立ててゆく ....
静けさをたたえた穏やかな、翠の眼の馬。
遠い日の、ある場所において、
目の前に立つ人間の、胸のあたりに歯をたて、
涼し気な空色の半袖シャツの、上部を斜めに裂き、
白いボタンが飛び ....
ひと夏の夜
家族に背を向け
庭に咲いた月下美人を
見つめていた父
そんなこともあった
今ではどんなことだって
苦笑いくらいはできる
寂しい時ほど
思い出すのは後ろ姿
張り裂けた夏の青空の向こうから
ミンミンゼミの声がしている
エアコンの水滴が窓の外側に滴り落ちて
きっと外はまだ暑い
小さな町の病院の診察室で
まるで終わりの始まりのような説明を受けてい ....
ゆうぐれどきの
西の空は
蒼く透けて
闇に解けるまえの
悲しみの果てです
いつかこの世界が終わるなら
それは夏の終わりのようであればいい
光と熱はなおも強く地上を
支配しようとしているけれど
加速度をつけて日暮れは早まってゆく
僕らは睡くなってゆく
漂ってい ....
○「気になること」
気にする一部分があれば
気にしない大部分がある
○「言葉」
言葉を信頼し
言葉でだまされる
言葉で好きになり
言葉で嫌いになる
○「事件事故」
大小さまざ ....
津軽海峡をわたって、
北国のみなみに訪れた、
とても素敵な黒いトンボ、
それは本当に良いことなのか?
それとも良くないことなのか・・・、
以前よりもずっと暖かくなった地球、
....
太陽は私の心臓、
千切れ雲は私の髪の毛、
恒星は私の思考器官、
けれどこの夜、満月くっきり浮かび輝き
この私を地球大地にしっかり住み着かせ。
絶望を
葬送した日に
影は濃くなり
いのちは伸びた
ここにある希望
ともだちが
家族を持った
ともだちが
家族を増やしたころ
また別のともだちが
家族を持ち
家族を増やした
ともだちは
ともだちと
そもそも
ともだちであったが
ともだちの家族 ....
時計 重なり
燃える 時計
開いては閉じる
空の草の目
声と空蝉
途切れ途切れに廻る世界
光っている
触れるものすべてが光っている
夜を動かそうとす ....
幸せな私
なのに
これ以上
何を望む
分からんいのち
・
だからって
自殺はするな
この体を
大事にしろよ
とこの魂という命が言う
・
ありがたい
こう思える ....
○「教訓」
*後味の悪いことはやらない
*すっきりしないことはやらない
*自分の立ち位置を明確に知るということ
*自分のやった過ちから目をそむけない
○「独り言」
独り言は自分のために ....
色づいた
赤とんぼ
鮮やかな
命
命が首をかしげる
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