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ストローに残る
赤い口紅を見て
恋だと思った
消え方を知らない
炎のように燃えて
傷跡みたいな印を
痛々しく刻むから
扉を閉めたんだ
心のいちばん深い場所で
息をしていると
....
そよいでいるそよいでいる
涼風にそよいでいる
ゆったりとゆっくりと
のびのび伸びゆき
声が言葉が
内面の細やかな
発露を求め現し
言の葉の種を蒔いた
宙の宇宙に焦がれながら
みずみず ....
甘ったるいパンケーキをたべ
昔書いた 鳥についての詩についてふたたび考える
コーヒーがビールにかわり、
それが香りのないワインに変わるころ、
街の全ては朽ち果てている
わたしが愛したコン ....
小顔で整ったお顔立ち
吸い込まれてしまいそうなブルーの瞳
それは友人宅を訪問した日、
初対面だった彼女
リビングテーブルの空いた椅子で
貴婦人の如くポーズをとり
私たちの ....
夕陽に照らされて
猫が光を纏っている
「きれいな虎模様ね」
呼び止めた気まぐれな人間の女の顔を
じろり、と見つめる
その虎猫の瞳に刃が灯る
体つきはほっそりとしていて
子猫が ....
優しくふんわり膨らみ真ん丸になりかけのお月様、
今宵も宙空に銀白の輝き放ち在りて
あゝこれは正に
この途からはぐれ呪われ茫然と
迷い世界を売り争い合う人の世を
照らし暴き出すこと無く
只ひ ....
引き寄せようと
力任せに引っ張る
編み込まれた繊維が
あちこち切れて
最後の繊維一本が残り
伸びて手繰ることはできない
曖昧な愛は
いっそのこと離そうとすれば
繊維一本が絡んで ....
夜のしじまに浮かんでいる
朧月の
のどやかな微笑
(お疲れさまでした)
あなたからスマホへ届く
おやすみなさいの短いメッセージ
いちにちの流動の
しずかさ ....
俺は 彷徨って い る
ついさっきまで
タイのスクンビットで
トゥクトゥクの屋根に乗って、
シェラトンから
中華街を目指していた
夕べは
カオマンガイを喰ったが、 ....
さくばんはお酒を飲まなかった
お酒を飲んでいるとか
お酒を飲んでいないとか、今
どーでもいいことを書いている気がする
やめてみればこんなもんだったよ
今日は母さんの車に乗って
....
酒は脳を麻痺させて
昨日の夕方には足の指に
電気が流れたようだった
──依存症はね、暮らしを抜本的に
変えたいと思っている人ほどなりやすいの──
今朝の仕事は朝七時からだった ....
○「大学病院」
まだかまだかというくらい
待たせて
これでもかこれでもかというくらい
多くの検査をやる
高齢者の患者はへとへとになる
○「入院」
*入院したら
患者が
医 ....
深夜、眠っていると
枕元のプラットホームに
音のない列車が到着する
しばらく停車して
また音もなく発車する
乗りたくても乗れずに
ずっと見送り続ける幼い僕の
後ろ姿が見える
さ ....
涙や汗が
しょっぱいのは
海の名残り
どこか遠くで
あの波とつながってるんだろ
だから満月の夜には
頭の中で鐘が鳴って
藻屑に還れと繰り返す
人はどこから来たんだろうね
人はなぜ泣く ....
祈りなんです
ぼくがきみを想うこと、は、祈りなんです。
ぼくたち、お互いのこと何も知らないから、だから。
君の顔も、性格も、スタイルも、センスも、全部全部、きみを構成する全てが好きです。きみ ....
想いは遥か
西のそら
朧月夜が美しい
聞かせてください
愛の歌
溶ける絵、気が付いた。またいつか消えるけど。
とけるえ きがついた またいつかきえるけど
臭いコスモスもすごい咲く。
くさいこすもすもすごいさく
田舎綴る日、真昼続かない。 ....
私たち、もう一方的に
憧れるのでもなく
憧れられのでもなく
与え与えられ響き合い
ただそれだけを求め逢う
求め過ぎ
いつのまにか
押し付けて押し付けられ
お互いにせめぎ ....
ああ、月がきれいだ
それだけで
すこし気分がいい
時間を搾り取られてスカスカ
残ったカスを貪るように使う
こんな詩あんな詩書いたり
生活に必要な作業をし
時にはテレビやスマホで浪費して
残りで眠る
やりたい事を好きなだけ
やりたい時 ....
きんもくせいの
ほんのりとかほり
やはらかしっかりと
秋のにほい染み込ませ
漂い始める大気の最中
ゆるやか解けながら
四散していく意識の慄き
思考や感情や意志や感覚や
....
さくばんは上手く眠れず
今も脳の中の一部は眠っているようさ
今日は原付バイクで
職安に向かい
医師の意見書の書式をもらってきた
職安の外へ出て
コンビニで休憩していると
雨が降り ....
涙の夜に沈んでしまいました
何かを伝えようにも声がでません
銀盤の月だけが頬笑みをくれました
冷えた肩を抱き締めながら
暗い{ルビ闇路=やみじ}をたどります
干枯らびた思い出
握り締め過ぎて砕いた
一日が終わって次の日が来ても
昨日までを枯らしてしまう
何があったかな
あったけどどうだったかな
生きていることが
不思議に思うんだ
....
冬の兵士達の隊列続き凍り付く恐怖に郷愁の感情麻痺し
灼熱の貴女の胸に投擲した憧憬の念の次々燃え尽きまた投擲し
高くなる空に濃くなる青に密やかな恋慕を抱き自らを見入る、
鎮まる静かさに ひと ....
ステイションがあって
その中にもう一つ
小さなステイションがあった
よく見るとそのステイションは
生前の父だった
ステイションは小さかったから
出発する列車も
到着する列車 ....
今朝も、ラッキーストライクを吸ってしまった
しかし禁煙の為
相変わらず水をよく飲んでいます
+
道を捜していました
人の望む道は歩んでいけませんでした
病気になりました
ついに獣 ....
空が近い午後だった
外階段を雲が飲み込もうとしている
看板の灯りが何とか支えていた
バスを待ちながら考えたが
ここはバス停ではないので来るはずもない
グッと上腕に力を入れると血管が目を覚 ....
○「ババア」
昭和生まれのババアは
子ども時代は父母に仕え
嫁しては夫に仕え
老いては孫に仕える
○「米騒動」
主食である米の農家の売り渡し価格が
今年は玄米30キロ13500円だと ....
荒縄で首を吊るされて、
いつでも蹴とばせる踏み台に立っている
渇いた唇には砂粒がひっついて、
処刑を見るために大勢の人だかりだ
この町を仕切る保安官に
貴様が法律ではない! と怒鳴った
....
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