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顔もわすれたのに憶えている声
その星を物語だと想ってる
言葉を知る前に聴いたモノローグ
あなたのあとがきに揺れている木陰
お話が終わってもまだそこに居る
人の瞳にだけ映っていた幻
からっぽが呼吸している無風の箱
各々のどうしようもなく遠い個々
花畑みたいな色の花が咲く
ドーナツを選んだ夏がなつかしい
深海が仄かな星のなかにある
ほんとうのこと カーテンは風に揺れ
虚数軸方向を見る虚ろな目
一生のお願い一緒に願いたい
あなたとの糸が終わった冬の服
正しくはないけど楽しかった日々
空っぽな瞳の奥の海になる
1時限目の授業では線分だったのに、4時限目が始まる頃には、世界に見えない向きへと広がっていった。
すぐ近くにある日々が、どんな場所より遠くに感じるとき、
とても遠くの景色が、すぐ隣にあるように思う ....
四つ葉のクローバーが2と2の間でくるくる回って、
+としても×としても、答えは4で変わらなかった。
そんな幸運を、四つ葉のクローバーは私に見せていた。
「ゆ」という平仮名は魚の形に似ている
銭湯の暖簾は、人がくぐるとはらりと泳ぐ
おしまいの先で出会った物語
文脈で星を繋げる帰り道
余白のなか 猫がすやすや眠ってる
だれもいない実験室に雪がふる
可能性ゼロにはなれずに暮らしてる
良いことがなんにもなかった日のココア
初めての恋をしているひとの声
ものすごく笑顔なわたしになっている
ゆうがたの猫にささげるかつおぶし
あなたには雨は全然似合わない
水底に綺麗でかなしい夜がある
傘を差す 君の涙を守るため
歩いてく良い子の眠るこの星を
きみが来た晴れた夜からまっすぐに
現実と夢のあいだの空だった
可愛くなることで生き延びた君が、いつか、
醜く泣けますように。
可愛さ以外も、愛されますように。
みとれていたのは恋をしたから
朝のひかりで空の詩を書く
手紙のように話をしている
風にはきっと心があった
紙ひこうきで何度も出会う
自転車のないなつやすみ
扇風機よりも強そうな人
夜には秘密基地になります
ひと夏を蝉は歌った