昔出逢ったことが
はっきり見えるよ
昔見つめ合ったことを
はっきり覚えているよ
秋の春楡の大樹の根元に佇んだ君は
静かに頬笑んでいたね
ぼくは紅くなったヒメマスの遡上を眺めなが ....
以下は、文字と音の実験詩です。
詩を朗読しています。宜しければこちらもどうぞです。
https://youtu.be/3R5yliaT0bs
ひらひらひらひら
蝶のよに飛び散っ ....
時間が生んだオトナ
{ルビ宛先ハくうはくノ言語化=「2回だったのに…」}
食後のシーンだった
だるくなった体が
3回呑み込んでる
おクスリ
....
結局ビリヤードにはいかなかった
じゃんけんはチョキからはじまる
今朝の夢は
このあいだ川に流した軽い子猫の死体を食べる夢だった
きがついたらそのぶちの子猫をかじっており
毛の内 ....
輪廻する螺旋を
命はその名前を唱えて昇りゆく
光と闇を漂い
さらなる宇宙の果てを越え
想いもよらない世界の蜜を啜り
花の歌をくちずさむ
いま
ぼくは化石の森に佇みながら
時計の秒針 ....
地球は自転をして呼吸をしている
アンドロメダの惑星の輝きは
生きている証を夜の暗闇の中で示している
青い大空の中では
全てが澄み渡り
生命は存在を忘れて
失語症の詩人のように姿を消す
....
さようならアメリカ
たぶんぼくはアメリカが好きだった
ジーンズが好きだった
コーラが好きだった
ポテトチップスも好きだった
さようならアメリカ
自由と平等と人種差別の国よ
民主的で覇権的 ....
目覚めたとき真っ先に教えてもらったのは
上手にこころを売る方法だった
胸を開いて痛くないようにするりと指を滑らせる
脈動する網目の管を感情といい
抜け落ちた粘液を理性だと聞いた気がする
....
世界ハ
巨大な鏡像スクリーン
透明な皮膜のなか
ふわふわ微睡み感じ取る
人、森、岩、猫、大海原
唐突、道路に開いた穴
その深淵ハ
弾け飛んだ信頼の重み
傾く生を朦朧と
肉の苦痛に ....
いつのまにか
ぼやけてしまった
染みが
もう存在が消えようとする、その瞬間に
ようやくこころの片隅に
いろを
発生させて
うまれるよ
うまれるよ、と
存在を主張し始める
....
私たちにとって目や耳は透明である。視覚情報や聴覚情報は記号作用によりすみやかに意味に変換されるし、そこに世界は現前していても、その世界を映し出している目や耳自体は無視されてしまう。私たちはあたかも目 ....
波打ち際を歩いては
地獄と極楽を彷徨い
明日の定めを占った
胃を失ったからなのか
精神の病からなのか
私にはよく解らない
こんな私に明日というものがあるのなら
未來という扉は開き
私を ....
雨上がりに
名前も知らない花が
芯まで濡れながら
凛と咲いていた
雨の匂いは
濡れた土や
草花の匂いを
際立たせている
木々は細かい秋雨を
その全 ....
題名を知らないシャンソンが鼓膜から記憶へと
空気を振るわせ、時間と空間を潰して流れる
後になって知る、このフレーズは本来なく
この旋律は架空であると。
記憶の断片が忘却の窪みで発酵する
....
物凄い数の巨大な光球だ!
凍結した天空から突出し
黄色く、青白く、白く白く
凝視している凝視している
雪原に独り立ち尽くすこの俺を
生きてひたすら凝視しているんだ
深く彫り込まれた眼窩 ....
物憂げな予感に満ちて
黄昏時に立ち止まってじっと
夕日を見ている人がいた
空が暗色に沈んでいく
目に丸い陽の跡が残って
月の横に暗色の太陽が浮かんだ
空に色を付けるのなら
赤しかない ....
花のなかの
蜘蛛の影を吸い
水の螺子を巻く指が
静かに空をまさぐっている
まだらな闇
居るはずのない家族との約束
ところどころ見えない階段
現われては消える粉 ....
ナンデーナンデーが増殖する頭をかかえ
森の中をさまよっておりますとパトカーの
音が谷あいに響いて山に反響して 谷の
町々のどこに パトカーがいるようだか
さっぱり分からないの 心の中はそんなか ....
一冊の恋愛小説読み切った部屋を満たしたアンハッピーエンド
曖昧な季節を過ごす人々は汗をかいたり寒くなかったり
白い月浮かぶ青空海のよう飛ぶ飛行機が小舟に見えた
逢いたいと願えば必然的 ....
嗚呼 月が逃げた夜に
刻まれし運命を 憂いて
微熱帯びてる少女
癒えることなきメロディ 口ずさむ
群青の 空の下
散らばる鼓動が目覚める
新しい 瞳は今 何を捉えてる
躍り狂った ....
どうか許してほしい
私には言葉しか
あなたに贈るものがない
言葉は無力だから
あなたにふるさとを返してやれない
金色の楽器も見つけてやれない
ただ伝えることができるだけ
「おはよ ....
暗示を拾いに
街に出る
見えない関係性を
確かめる
あらゆるものの
在りようは
偶然的必然か
必然的偶然か
不本意ながら
隠れた欲求は
すべてが繋がっているように
....
ため息の数だけ捨てる衣替え
貴方の爪痕が残された背中
時折疼く微かな痛み
そう 私たちの愛は終わったの
誰のせいでもないわ
出逢った時から
幕切れの時は決まっていたの
誰にも見えない傷跡が疼くの
消えてしま ....
夕陽はきっと溶けるように
水平線に抱擁されて 海の底
人魚の里で明日を孕むのだと思う
そこでは どんな哲学をさかのぼっても
たどり着けないとわをしる風が
淡水の泉を可愛がっている
つぎつぎ ....
わたしは立っていて
ひどく空腹で
おまけにあなたはいなかった
笑えるほど大きな棚を開けると蝶の骨が入っていて
いくつもいくつも入っていて
ほとんど重さもないようなそれを
いくつ ....
亡き吾子の泣き声混じる蝉時雨
どちらが嫌われ者の政治家なのかを決めたり
権力を民間人に乗っ取られたり
仲良したちが決定を強行したり
政治家のレベルが低くなっているのか
もともと低かったレベルが明らかになった ....
諦めの足りない慕情 抽斗のなかに詰め込んだ空っぽ
おなじ本を読んだって きっとあなたを真似できない
境界線は今日も
曖昧さを保つようにして
空は青と白の始まりと終わりを
見失ったまま浮かんでいる
朝と昼を跨いだはずなのに
わたしはその境目を
....
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