と言ったら


ビーチパラソルは無く
海の家も無く
砂だけがある浜を
海水パンツ一丁で
海水に突入していく

はずはなかった
私の出身地は山間で
山から切りだされた木を
 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元 
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
「生きて 在る」 ということを想えば
やはり不完全だ 
「生きて 在る」 ただそれだけでは 
感じ 考え こうして思念で交信する以外
何もできることはない
私たちはどんな姿をしているのか
 ....
卵はひとつの理想形だ
人間もまた卵から生まれれば
これほど母親との確執に苦しむことはない
乳と血の繋がりはどんな病的恋情より
互いを束縛しその愛は動物並に遠慮がない
その点 卵は完璧だ
無 ....
目の開いたバラバラ死体を私はずっと捜していた
手はお喋りだと口がくちぐちに言うので
うるさい手を切り落として 口に食わせた
口は満足そうに 黙ってくれた

足は突っ立って進むことしか ....
ただ頷いている風合いでいいのです
経年変化に経年風化なく
裏地にでも縫い付けてください

西のまちは
貴族により栄え
東のまちは
西洋により栄えた

その北みちのくは
辺境の地とし ....
            |           
            |
           ごく、
         近視眼的思考で
      詩のようなものを書いたなら
     ....
あなたがいる有り難さ

こころのままに いつものようにして
喜ばれて嬉しくて

けれど好きな人に
わたしよりもっと好きな人と一緒の気持ちで
感謝されたよ

あなたがいる有り難 ....
弦におちゆく
悲しみは
ソリストからの
揺れ甦り
浜通りを
吹きぬけるのです


フォルテの
余響に
羽ばたく
哀しみ
オルガンに
重なるように
二胡がなく

哀しみよ ....
華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて

勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで

最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
東京の地下街から 
胸を焦がすような茜空は売ってませんか

そんなことを言ったら 嗤われるだろうが
本当はみんな 自分の町に住む
夕焼け色の切符を手に入れるために
上京しては 行 ....
灰色の道の上に
ひとつの疑問が落ちていた
ずいぶん昔 この胸に生まれ
しなやかに若木のように育ち
そして出て行った
いつか答えを見つけるのだと
朝の光が包む白い道を
振り向くこともしない ....
部屋の隅にわだかまっている未知が
目を覚ます前に、おいとまします。

降り積もる夜が、達する、前に。
僕は鞄の口を開けます。

生命のないところへ行きます。
正しいのは君たちなのです。
 ....
あなたが何気なく口にした言葉を載せた辞典が欲しい。

わたしに都合よく脚色される思い出と、
取るに足りない一秒を、美しいと感じさせて。

そうして わたしを作りかえて。
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声

「あんたはヤクルトが大好きでね、
 お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
 ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
暑いとはいわぬトマトの涼しげな頬に紅さす今朝の顔
中味は見えないスイカは呆けた顔をして叩いてもほら知らん顔
おいしいトウモロコシにコガネムシの幼虫半分っこする
見てみてこれは甘唐辛子そのとなりの ....
    コンパス

―家でコンパスを使って円を描く練習をさせて下さい―
先生から届いたメール

 さあ、早速コンパスを使ってみよう!
 こうして物差しで半径の長さを測ったら
 紙に針を刺 ....
 ルオー (Georges Rouault 1871-1958)


 時計の針は五時を指していた。
 カーテンを開けると、車窓に張りついた幾つものこまかな水滴の中で、夜明けを待つ街がさか ....
心をひっくり返してみた
雑多なものたちが床に落ちた
ざらついた猫の舌
尖った黒曜石の破片
排水溝にこびりついた髪の毛
紫色に変色した米粒
証拠を隠滅してやろうと
慌てて足の裏で踏み潰した ....
私は幼い頃早口で
軽いが、どもることがあった
母親でさえ、聞きなおすことがしばしばだった

さすがに長ずるにつれ、本人も自覚して
早口をおそくするように心掛け、発声に気をつけて
治そうと努 ....
 カーテンを開ければ あたり一面銀世界

「朝食食べたら、雪だるまを作ろう」
ホストファーザーが誘う
「えっ!でも私会社に行かなくちゃ!」
「えっ!何を言ってるんだい?こんな日に会社に行くバ ....
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ

蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々

見通しが良すぎて
すっぱい孤独

 
 《ピクルス:2013年11月10日》
腰が大きく曲がった
近所のおばあちゃんが通るたび
あの中には何が入っているの? 
と、母に質問して
そんなこと聞いてはいけません
と、言われた

大人はいつだって
ほしい答えをくれやし ....
?
 僕が大学4年生の時、図書館実習をしている時に地元の図書館で作業していたある日のこと。
 その日の作業は、図書館であまり貸出されることがなくなった図書をリサイクル本として、廃棄された図書の整理 ....
深海魚が太陽を見る日
光のパレットナイフが
海鳴りの弦を切断する
青い狂喜で上塗りされ
それが比喩かも忘れて

人がひとり墜ちて行く
閉ざされた貝のように
白く饒舌な泡に抱かれ
記憶 ....
詩について論じたり
批評したりできる人たちが読むならば
詩とは呼んでもらえないような代物を
三年間で百八十くらい書き投稿してきた
それ以前にも書いてはいたが
誰にも読んでもらう機会がなかった ....
ぼくが温めていたのは
翡翠色でつむじ曲がりの卵
アイスクリームにはボートを浮かべ
溺れるふりして幽霊女とキスをする
ポケットに隠した一人分の蠍をひらり
素顔の道化師に変えてご覧に入れまし ....
詩人の方々
告白します
手元にある数十冊の詩集
八割以上は古本屋で買いました
おまけにほとんど百円コーナー
いくつかの本には裏表紙に
詩人のサインと送った相手の名前
生々しく痕跡本です
 ....
太陽のしたり顔を避けて
君の水辺へ下って行きなさい
蜉蝣の翅のように影を透かしながら
夏の斧で頭を割られるその前に

美しく人目を避けながら
地下のカフェへ逃げ込みなさい
壁画を歩く蛇の ....
海の縞模様が 砂の城に 住んでいます。
幸いなことに 泣き方をしらないのです。
今も絶え間無く砂が この街に注がれ続け
この部屋の容積も 埋められて います。


元居た場所を け ....
白島真さんのおすすめリスト(1354)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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