僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟 ....
椅子が並んで
たくさんの人が腰掛けています

まるで出発ロビーのようです
周囲の人と
穏やかに語り合っている人たちは
旅支度の割には身軽で
しみじみと
和やかな笑顔も浮かべ

主に ....
頭と骨と鰭を付けた鯉が
泳ぐのを見た
首を落とされた鶏が
庭を走るのを見た

背骨のない蛸が泳いでも
背骨を抜いた鮎は泳げない

骨牌のような積み木(ブロック)が
髄で繋がっている背 ....
【新】

手と手と てとてとてと かさなりあって音がする
足と足  大きな靴のなか小さな足が とてとて動く
とおい日の かげが
わたしを追い抜こうとして とてと 立ち止まる

冷蔵庫に  ....
誰の手にもとられずにずっと沈んでいる本がある。
本のなかにのめり込んで沈んでいる人もいる。
人から人へと貸し借りされ、ずっと泳ぎ続けている本もある。
本たちの上を楽しそうに泳いでいる人もいる ....
もうこの世にはいないように
白い墓標の文字を眺めている
すると小さな手が払いのけて
絵本を読んでとせがんでくる

漂う意識は
もう我が子を眺めるしか
楽しみがないのかね

幽体離脱を ....
そこには木々がありました

その向こうには海の様な空

私は風に吹かれていました

思い出が溢れるこの場所で

ここには昔の私がいました

今の私と共に風に吹かれて

 ....
同じ道を歩いた
くり返し歩き
くり返し問い
くり返し答え
水の写経のようになにも
こころの所作だけが
ただ――


くり返し祈った
石の中のロザリオ
沈黙の塵は満ちて
尚も空白 ....
さみしいね
神様はぼくらから
彼を連れてった
何もかもが残って
何も捨てれない今晩

霧が晴れて
遠くがよく見えた
袖を掴んで叫んだ
歩みは止まらない
約束でもしてたみたいに
約 ....
おもいでのまちをとおりすぎて
おもいでのまちにかえる

おもいではとうにうせてあきのそらがひろがる
なんだかかなしくてくちぶえをふいてみる

おもいでのいちばではなにをうっているのだろう
 ....
――雲が早い
と思えば雨か
秋らしい振舞に
朝からおまえと飲みたくなる
なすがまま
なされるがまま踊る木々
つめたい雫
鼻先に最初のひとつを感じた蛇が
暗い岩間にすべり込み
ただじっ ....
青空に広げた重機の股間が避けて
殴打される地殻 
四散する生きものたち

コンクリ―トで覆った{ルビ法面=のりめん}に
芽生えようとしていた希望は
封鎖されて腐敗してしまった
裸の川に秋 ....
手にしていたのは
小さなひしゃく

星が消えた途方もない夜は
蛍を連れて

そしてたどりつく水源の
ほとりは

どこへつながっているのか
どこへもつながっていないのか

汲み上 ....
古い本のすき間から
ハラリと一枚の写真が落ちた

見なければ良かったと気付くのは
そこに写る二人の姿を見た後の事


笑顔で写る十年程前の私と  、の姿


繋いだ手を離した日から ....
声でなく君の姿が欲しい日に空の十五夜指で突き刺す

ギター弾くピアノも奏でるその指が昨日を歌う夜の顔して

約束の指切りよりも正直な顔をしてると指差すあなた

その指が何本あるか数えてない ....
  断捨離


芸術家とは無駄な作業をする人のこと

陶工は焼き上がった作品を
ほとんど破壊するという
書道家も高価な墨と高価な硯で文字を書き
高価な紙もろとも破り捨てるという

 ....
屋根一杯に
鳩がいる
何かの見間違いかと
車窓から目を凝らす

もしや瓦の形の鳩じゃないか、と

でもやっぱりそれは鳩だった
生きている鳩そのものだった

ねえ、あれ鳩ですよね
 ....
流民をへて流民にあう
きみは遠い昔の記憶の中の文学少女

すべての物語を読み切れないように
たとえばたった一人の歴史も解析できずに

やはり僕はでくのぼうにもなれない半端者
きみの洗礼を ....
有翼の人魚たちが踊る森が ほどけてゆく
有翼の一角獣たちが戯れる砂漠が めくれてゆく
忘却のような白い顔をした給仕たちが 一列に並んで
運んでくる皿の上にはプラチナの蜃気楼
異様に美しい怪文書 ....
   随分昔のことだが山里の学校で疎開児童をやっていたとき
   先生は教えてくれた
   「いいか、熊に出合ったら息を止めて死んだ振りするんだぞ」

レントゲン撮影技師はオシャベリ好きで
 ....
 
まだ青々とぎらつく
その実を守る毬(いが)は
時には熟し切らないまま
木から落ちてしまう

栗の木の側の小道を歩けば
それは突然 気配もなく
私の背中や頭めがけて
数メートル上か ....
最後に故郷に帰った日

灯台に座って
風に舞うとんびを
いつまでも見ていた

神様の木のてっぺんに
命を抱えるとんびたちは

巣に近づくと魔法の笛を吹く

目が回るほど
螺旋に ....
街の憂いと親しみはどこまでも硬くて、例えば道の一本歩くにも違った脚の使い方が必要なようで、私は厳しく広がる風景の外部を見やっている。新しい部屋はまだ散らかったままで、変化に常に伴う混沌が妙に真新し .... 眠れない夜は
頭の中に白いひもを思い浮かべる
そのひもの先を
喉の奥からちょいと引っ張ってあげると
頭蓋骨がくいっと締まって
ちょうど良い具合になる
あまり引っ張りすぎると
すとんと落っ ....
土に鍬を差し込むことで
自然に対して解釈を加える
大きな実りを導くために
剪定、摘蕾、摘果、花粉交配、消毒
自然に対して批評を加える
訪れる稲穂や果実、野菜の類を
味わうことで精密に読解し ....
あなたはそこに立っていた
無くなる事のない
花束を抱えて

何も言わずに微笑み
太陽を背にしながら
あなたは
その花束を抱えていた

擦れ違う見知らぬ人にも
一輪 一輪 花を差し出 ....
予感は、急角度に侵入する胎児だ


樹々が複雑に伸ばした細い腕の先のほうに留まると、其処で眠る


それがいつ後悔に姿を変えるのか瞬間を見たものはいない


気づいた時にはもう

 ....
いつのまにか夜だけがふけてゆくが
僕の朝はいつまでたっても来ない

時間の止まったままの時計をぼんやりと眺め
時系列のなかの無限の選択肢に思いを馳せる

ものごとを整理するには基準が必要だ ....
通り過ぎていく宇宙の裏側で
時計の針が時を刻むのと同じ速度で
善は一つずつ砕かれていった

冷気が朝の静寂と混じり合い
草の色が淡く変わっていく中で
夢は一つずつ壊れていった

 ....
羽音で目が覚めた
驚いて明かりをつける
汗だくで寝ていた
汗の匂いに寄って来たんだな
いったいどこから入ってきたんだ
窓は閉めていたのに
ベープマットをセットして寝る
でもまたも高い羽音 ....
白島真さんのおすすめリスト(1348)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
当り前- nonya自由詩17*16-9-23
順番- Lucy自由詩7*16-9-23
backbone- イナエ自由詩5*16-9-22
新涼灯火_(三篇からなる_オムニバス)- るるりら自由詩7*16-9-22
海みたいな図書館- 水宮うみ自由詩6*16-9-22
絵本- 5or6自由詩5*16-9-22
ある公園にて、- 葉月 祐自由詩3*16-9-21
ホルン- ただのみ ...自由詩12*16-9-21
メルシー- 竜門勇気自由詩2*16-9-20
おもいで- 梅昆布茶自由詩1416-9-19
敬老の日に何ら敬うこともなく- ただのみ ...自由詩6+*16-9-19
「彼岸花の咲かない河畔で」- イナエ自由詩4*16-9-19
ほとり- そらの珊 ...自由詩9+*16-9-19
破り忘れのワンシーン- 葉月 祐自由詩3*16-9-18
- 為平 澪短歌316-9-17
断捨離- イナエ自由詩3*16-9-16
鳩の家- そらの珊 ...自由詩1016-9-15
流民- 梅昆布茶自由詩15*16-9-15
戯言アポカリプス- 塔野夏子自由詩3*16-9-13
死語と愚痴- イナエ自由詩8*16-9-13
まだ青い毬(いが)- 葉月 祐自由詩1*16-9-13
時の場所- ガト自由詩6*16-9-13
異郷にて- 葉leaf自由詩116-9-11
眠れない夜に- ららばい自由詩216-9-11
農家- 葉leaf自由詩116-9-10
花束の人- 葉月 祐自由詩2*16-9-10
_純粋な記憶- ハァモニ ...自由詩5*16-9-7
朝が来ない理由- 梅昆布茶自由詩1016-9-5
失語の秋- 葉leaf自由詩116-9-5
提供- Lucy自由詩5*16-9-4

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