手首に息を撲ち込んで
はじける銀を見つめている
筆を横に置く
いつか縦に馳せ
いつか 縦に笑む



















 ....
風のなかを
風になれない音がすぎる
到かない光が
夜を見ている


凍った川のむこう
動かない夜
音のいちばん熱いところ
炎の奥に鳴り響くもの


姿のうし ....
青空が刺さりつづける神無月



誰も見ぬ星を数えし神無月



ちりあくた忘れた夢を見る浜辺



失くすもの無くても失くす神無月



 ....
あなたの背ひとつひとつであるように私の背もまた私ではなく




陸からも海からも白はじまりて放りたくとも放られぬ日々




二階にはもう既に ....
触れられぬ光のようにそばに居るそばに居るのに遠い宝石




濡れ髪をそのままにおく季のうちに夜の声きく朝の声きく




灰という名の舟のどに羽ばたか ....
足踏みの音が
空を動く
少し傾いだ
輪を描く


ふたつの流れ
ふたつの海にたどりつき
海になれぬまま
海を巡る


誰も居ぬ部屋
明かりだけが
明かり ....
飛んでいきそな首ひとつ
(自転車はゆく 歯車はゆく)
必死に右手でおさえつけ
(自転車はやく 歯車はやく)














 ....
実のつらなりが
水に映る
逆さになり
雨が来る


遠くと近くの震えが混ざり
小さな 音だけの雨となり
曇へ降る虹
曇から降る虹を見つめる


指のかたちの熱が ....
三ッ首の猫の背に降る緑かな



真夜中の林檎のにおい見つめあう



一弦と二弦のはざま眠る鳥



散る音を散るままに見る入り日かな



 ....
右手が
左手を透り先へゆく
何かに触れる
何かを透り
さらに先へ


おおら おおら
ときく ときく
揺れに満ちる水
すきまなくすきまなく
兆しではなく  ....
暗がりを作る小さなものを
目をつむり見つめる
どんなかたちも妨げない
光の矜持がある


よびさます きざまれる
ふりまかれる こがねでもあり
みどりでもあ ....
からだがからだを残して震え
雪のはじめのひとかけらを知る
もういちどの無い
もういちどに咲く


底まで呑まず
わずかに残る空を見つめる
青は低く
灰より遠く
 ....
最初の雨の火に焼かれ
槍や矢の血の頬を娶い
色なき泡を
曇へ放ち


海を消す火
ひかり鳴る海
寄せる片目
まばたきの波


黒円が重なる
白濁が白濁を射抜く ....
青と白放り投げても青と白



暮れや暮れ己れ焼く火を打ち寄せる



かけらとはかけらに疲れたかけらかな



越えられぬ願いに巣喰う器械かな
 ....
星の虹が
路を馳せる
無と刹那
指と指の差


曇は飛び去り
岩は残る
暮れの雨の手
無数に押す手


夜が夜になるときの
色とにおいの減り具合
音 ....
家を呑んだ水の明るさ
羽も来る 声も来る
何もかもが
無言のまま来る


言い返せない風が集まり
壁の一部を砕いては持ち去る
こぼれた文字やかたちから
姿の言葉 起ち ....
夜のなかの 鳥と楽譜
路地の壁に またたく音
ひとつとふたつを
くりかえす白


氷のはざまが
碧で居る
あともどりできない
くちづけをする


かさぶ ....
尖った耳の荒地から
顧みられぬ広場まで
青と灰と青と灰
敷きつめられては動いている


手から手へ
骨から骨へ
やわらかく淡い月齢をひらき
ふたたびみたび閉じてゆ ....
  うすむらさきの川に指をひたしたまま
  舟が帰らぬことを願っていました
あなたは何故そんな
紙の花のようなことを言うのか


とうの昔に終わっていたのに
今がはじ ....
満ちては落ちる
満ちては落ちる
何も何も
示さぬいかずち


此処ではない
何処でもない
歩き歩く
踏めるものをゆく


蝶の寄り付かない花々を
蜘蛛を殺 ....
水に噛まれ
午後に噛まれ
音は深く
さらに深く


首輪をちぎり
血の手形をまとい
空へ空へ持ち上がる径
棄てられた営みのかたわらをゆく


冬へ降る冬
 ....
ゆうるりとただゆうるりとそそがれる刃から青とどろく夕べ




五の橋も四の橋もまた傾きぬ異なる生の軋みあう街




壁ひとつ扉のひとつも越えられぬこ ....
破けども破けども澄む紙の橋



前からもまた前からも冬は来る



零時すぎ雨鳴らす雨踏み外す



ばね壊しばね上下する遺棄の庭



何と ....
忘れては夏の水底のぞきこみまばたく広さまばたく遠さ



無音から無音に至る無音には尽きた灯の色ただ打ち寄せる



激しくも涼しき雨を走り抜け糸ぬぎ捨てる ....
白と黒が
澄んで灰となり
風に回り
風に旋る


皆たなびき
布にくるまり
渇いたまま
濡れている


風のひとつが
曇に触れるひとつを見ている
着 ....
雨を収めた油燈を持ち
光の先を追っている
呼吸の近く 銀は増し
振り向くたびに水は映え
標と標の会話をふちどる


沈む沈む
水は遠く 地も遠い
話しながら髪留め ....
雨が光のように鳴り
つぼみの冠を流れおちる
隔て 隔てられ 近づく咽
咽の上の咽
震える糸


不安を呑み
さらに渇き
片目を閉じる
降るものは降る
 ....
わたしはどこにもいません
だからどこにでもいるのです
わからないまま
刻みつづけているのです
灰が灰に手を回し
車輪のように夜になる
波が生まれ波を追う
鏡の裏に降りつもる
見えない星を聴いている


海を指す道
影の筆
水わたる光
夜を夜へ運ぶ手のひら ....
ブブゼラという字が既に騒がしい



しかめつら東大仏文それなりに



批評屋の作品集見て大笑い



ハイボール薄めりゃいいのか炭酸詐欺


 ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
ノート(47Y.10・17)[group]自由詩210/10/21 21:03
ひとつ ほとり自由詩710/10/14 9:48
なきつき俳句210/10/14 2:20
なきもの短歌210/10/14 2:16
解と業短歌510/10/4 19:45
夜とふたつ自由詩210/10/4 15:38
ノート(47Y.10・2)[group]自由詩310/10/4 15:36
夜と辺自由詩1410/9/29 1:04
送季火俳句410/9/29 1:00
降り来る言葉 XLVII[group]自由詩510/9/20 9:55
不季途自由詩510/9/17 22:38
瓶天自由詩510/9/14 9:04
遠透季自由詩4+10/9/8 17:25
めぐり  うつろ俳句110/9/6 21:44
夜やまぬ夜自由詩510/9/3 21:15
めぐり きざみ自由詩110/8/29 8:40
夜羽行自由詩310/8/21 23:15
めぐり えがく自由詩5+10/8/18 9:09
ノート(紙の花)[group]自由詩7+10/8/11 23:02
めぐり きざし自由詩310/8/10 10:24
めぐり ひかる自由詩410/8/7 8:21
めぐり ふたつ短歌510/8/4 19:55
獣震夜(業とひまわり)俳句310/8/2 23:03
めぐり ひびく短歌510/7/30 11:04
めぐり ひまわり自由詩210/7/30 11:00
めぐり はじまり自由詩610/7/25 16:15
めぐりのうた自由詩310/7/18 16:26
ノート(岩像)[group]自由詩210/7/11 5:28
ひとつ めぐり Ⅲ自由詩210/7/11 5:25
踏み月異聞川柳410/7/11 5:22

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