鳥の声 泡の音
鳥の声 泡の音
水のなかで
鳴いているのか


目をつむり
そこに居るものに会う
半分にし 半分を使い
残り半分が雨になる


わからないものを ....
内に向かって壊れた胸から
水がわずかに滲み出している
うすい陽の声
穴の数の息


草が逆に波打つ
濡れた色になる
夜の風のなか
渇いた音のなか渇きを疑う


 ....
うなじの寒さ
ひとつはばたき
去るものひとつ
来るものは無く


風が
糸のようにわずらわしい
抄い 抄いつづけても
言葉は砕け 言葉は消える


さまよい ....
原野の指
水と稲妻のあいだの子
空になる 花になる
うたにも うた以上にもなる


鉄の筒を風が通る
鉄の籠を轍が揺する
予兆の上の光が吹かれ
石の路地に鳥となる
 ....
誕生がある
触れずとも知るかたちがある
ざわめきの道のかたわら
夜を照らす骨に集う


晴れの下の輪
飛びたとうとする硝子には
溝を泳ぐ矢印がある
従わぬ背のまたたき ....
うろこの陽すべてをすべて指し示す声がきこえる声がきこえる



かがやきよ窓くだき割るかがやきよかけらに混じる空を数えて



しるべは木しるべはまなこしるべは火かたち ....
幾度も夜に月を着なおし
言葉を交わす別れも無く
樹と曇と星の重なり
灯火ではない明かりへ歩む


海辺の突堤に
子が腰かけ何かをつぶやく
聞き取れないまま
子の姿はか ....
双つの花
遠い鏡の前の影
目を閉じ 何かを言いかける
双つなのか ひとつなのか


空の上の上の音
集まり来る曇を見る
道が交わるところで目を閉じ
窓のかたちの白い火を見 ....
まだらな午後の嗚咽を受け
震える水の膜の指
またどこかへ連れ去られ
またどこかに立ちつくす


ゆうるりと巡る音がある
出口を持たない入口がある
飾られすぎた光を燃して ....
朝の頭は
子蜘蛛の巣だらけ
顔はいたずら描きだらけ
つるりと洗って家を出る


雨で合羽で自転車で
前しか見えない馬車馬の道
そばを小さな合羽の群れが
わいわい言ってつい ....
雨と曇と雪のたましい
晴れ 無 晴れを生きては死ぬ
この痛みに痛み降れ
この痛みに痛み降れ


何も言わずに銀の語る朝
謂われなき火が窓に点る
誰も去ることを知らぬ ....
火と火の違いもわからぬうちに
わたしたち とは語らぬように
言葉への畏れを絶やさぬように


入口にある目は
実の奥にある目
森をひとつ逆さまに呑む


水を見たら ....
左手をうしろにまわし
羽をこぼし
幸せをのがし
灯りを点ける
命のない明るさが
粉のように甲に降る


長い長い長い夢の
つづきをどこかへ置き忘れている
鉄の隙間に生え ....
葉桜のむこうの
三つの波
つながれていたものは放たれて
水辺をめぐり 戻り来る
青に灰に
くりかえす


ひび割れ倒れる間際の硝子に
まだ名のないものが映っては
光 ....
原のなかで
オジロワシと見つめあった
彼は言った







遠くから雨が近づいてくるとき
オジロワシを思い出す
彼が何を言ったのか
あるいは
何も言わな ....
時は飛び 分は飛び
秒はわずか手のひらにある
両肩と指を結ぶ三角
降るものたちを受けとめきれない
かがやきにあふれこぼれるかたち


響き少なに揺れる影
オンドマルトノ ....
似かよった街の
似かよった道の行きつくところに
友人の建てた家があるという


何年も何年も借りたままの
いろんなものを返しにゆく
川辺にはワニがいてこちらを見る
 ....
海の下に玉子焼きがあり
みんな食べたがっていたが
ペンギンが持ち帰って布団にした
関係ないから


道を曲がるたび
違う名前で呼ばれたが
みな背広と笑顔しか見ていなかっ ....
目が覚めて 部屋を出ると
廊下に父が薄目で横になっていて
足音で起こしたことを詫びると
笑いながら母のそばをすぎ
洗面所で顔を洗いはじめた
母が
何を見てるの と言うので
 ....
実と土のあいだ
鳥は落ち 飛び去り
叫びと無言 緑と足跡
人であることのさまよいに満ち


はじめて みなもと
そのまま たましい
そこにはぽつりと
ひとつだけがある ....
窓には
ひとつの三日月
ひとりの子と話す
風の音
油の虹


武器はなく
ひとつの羽を得て
ひかりかがやくもの
ひかり失うそのとき
居ること 居ないことを
震わ ....
糸の光が
階段をのぼりきり
壁にもたれて息をしている
痛まない傷が増えてゆく
気づかないまま
熱が流れ落ちてゆく


水に立つ片足
からだをすぎる火の粉の
ひとつひ ....
そこにあなたは
いるいない
いるいない
どちらにもまばゆい

花があり
なぞる
花になれない
指のしずく

そしてあなたは
いないままにいる
いないあなたい ....
波線の午後を
すりぬける腕
指の大きさ
夜のまぶしさ
花に埋もれ 花となり
花を生み 花を摘み


深く鏡を被る人
無数の火の穂の歩みの先へ
冬の浪の浪の浪へ
着 ....
灰は盲いて仄になり
灰より熱い火のなかにいる
背から腕へ溶ける羽
夜の漕ぎ手の手首に宿る


星の奥から風が来る
目のかたちの痛みに降る
十月十日後のめまいのために
 ....
一歩ごとに浮き沈み
左目は左足を追ってはもどり
原の左半分を見る


下だけが明るい道
上だけを聴き歩む
鳥が落ちては消えつづける道


これがのぞみ これだけがの ....
脚を焼く火が
胸にとどく前に消え
ふたたび冠のかたちに現われ
両肩を抱き燃えつづけている


まばらな陽のなか
あなたは身を反らし
地と空のきわ
水と空のきわを
飛 ....
にせものの葡萄のにおいがする
光のすきまを
さらに小さな光がとおる
貨物列車 埃の花
すぎる震え すぎる震え


高く遠く
直ぐに昇る鳥
真昼の星
青を青に打ちつけ ....
水銀の光の一粒が
横へ横へと動いている
ゆうるりと回転し
他の光をかき分けている


てのひらを巡る
遠いみちのり
つもるうつろ
熱の轍


まるめられた透明が ....
料理 塗料 におい
あとずさり あとずさり
ただ目に入るだけの曇
はじまりそうで終わる夕暮れ
水たまりも風もないまわり路


低いざわめきのあつまりが
ざわめき以外を持ち上げる ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
冬と道自由詩208/7/8 0:23
雲間自由詩408/7/5 15:12
川と姫自由詩308/7/2 22:32
夜と冬自由詩308/6/30 15:46
夜と羽自由詩508/6/26 17:23
青と叫び短歌508/6/23 23:45
ひとつ いのり自由詩308/6/21 10:41
遠い名前自由詩208/6/17 12:43
ひとつ まよう自由詩608/6/14 18:03
ノート(雨の日の里)[group]自由詩208/6/12 23:09
ひとつ はなれる自由詩308/6/10 10:42
ノート(入口)[group]自由詩708/6/7 22:26
数滴の物語自由詩308/6/4 17:58
夜と唱自由詩308/6/1 14:53
ノート(曇)[group]自由詩208/5/29 19:36
うつわの日自由詩208/5/29 10:11
ノート(しずく)[group]自由詩408/5/27 21:42
ノート(関係ないから)[group]自由詩108/5/27 21:40
ノート(二年半)[group]自由詩208/5/27 21:37
軀森自由詩308/5/26 11:22
夜としずく自由詩408/5/23 10:03
ひとつ つながり自由詩208/5/20 2:57
ノート(ひとつ しずく)[group]自由詩508/5/17 0:06
夜の声自由詩508/5/13 15:32
すぎるうた自由詩208/5/9 15:06
はざま(ひとつの笛)自由詩208/5/6 17:24
むらさきの むらさきの自由詩608/5/2 20:43
光過自由詩708/4/29 7:27
ひとつ ひらく自由詩608/4/25 10:07
ノート(夜とかわき)[group]自由詩208/4/22 7:25

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