欠けている月をみると
こころが穏やかになる
足りないということは いのちがあるという証拠だ

ときどき 完璧な満月が 空に
貼りついている
あれをみると シネ といわれているみたいだ
あ ....
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東日本大震災・死者・行方不明者数
            二〇十二年三月十日(石巻日々新聞) 

死者 15854名
 宮城県 9512名 岩手県 4671名 福島 ....
              


マダ ツカナイノカ ネー

かぼそい声の
母は 床ずれをした背中を
不自由によこにする
白いベッドのシーツから
石鹸のにおいがする

アア エキ ....
離別すること
それははじまりである
丸い空が
しわがれ声をあげて
許しを乞う
そのとなりで
友はしずかに
そして
激しく雨になる

空がにわかに
なまりを
たくわえてく ....
                

夕日が地平に没しても
なお 街々の西の空が
かすかに明るみをおびている
足を止めて
やや赤みがかった
仄白いものを
見ていると
無性に泣きたくなっ ....
       
凍るような闇に
おおわれている
もう先が見えなくなっている
わたしは手さぐりで
広い歩道にでるが
そこには夜はない

誰もいない路上
灰色の靴音を
ききながら歩 ....
雨が降っている
間断なく

なぜ 雨を物悲しく感じるのだろう

たとえば 勢い良く降る驟雨は 元気で精悍ささえ感じる
まっすぐで 常に潔い

でも 夜になり 家のなかで ひ ....
9・11について
僕は、前にも書いたけれど、9.11は、「A」と比べたら僕にとってそんなに深刻なものではない、といったことがある。新しい何者かが起こりつつあるかも知れないと思ったけれど、世の中はい ....
僕において、「主体」「他者」とはなんだろうと考えることがある
他者を成り立たせているものの前提には主体があり、他者により到来するもの
としての主体がある
でも、この主体は何によって獲得した ....
コストを如何に抑えて、良いものをつくる、その成果が商品として、私たちの前に並べられます。その商品としての特質として、人命尊重は、何番目なのでしょうか。それというのは、私たちは、人命尊重第一主義の社会に .... 北川透がいっている、詩的レトリックの本質は違反である
それを引用的に言えば
僕は、現代詩の本質は、日常的な言葉への違反であると思っています。
(そうではないと思っている方も多くいると思いま ....
     
           

ひどい罵声が飛んでくる
いきなり物が飛んでくる
わたしも避けながら 投げかえそうとする
むこうでは 言葉が渦を巻いていて
次の言葉が 今にも襲い掛か ....
        前田ふむふむ

鳥が飛んでいる
ひとつの銃弾から
ひとが生まれる
羽が砕かれ
動かない鳥のなかから
声が生まれる

声は
夜の輝きである
ひとりが声をあげれば
 ....
          
ことばのない土を
ことばのない空を
断崖が しずかに線を引く

その聳え立つもの
佇むわたしの踝は  
夕凪を握りしめている
その夏の
無効をうきあげる
屈折 ....
          
喪服を着た父が 部屋の隅にいる
悲しいほど 
とても暗い場所に
かなり寝たので 夢だったのか ひどく汗ばんでいる
耳をふとんにあてると 父が階段を上ってくる気配がした
 ....
  
     
                   
ものを捨てる
なにかを捨てることに
ときにためらい うしろめたさを
感じながら
一方では恣意的な解釈を
遠いツンドラの泥土のし ....
       

うしろからきこえる声
噛み切れば
冷たい雪を
ひとつひとつ積むだろう
棺の
かわいた脈動
その影を
一本の湿地の思想に
束ねている

あなたの
まぶしい眼光 ....
  
             
眼の中の
草を刈る人たち
そのふむ土に
灰はあるのか
黒く固まる
もうひとつの眼
形状に
手をくわえれば

内部へと
身体を沈めていく

 ....
     


水路沿いにある病院を
服薬をもらって出た
六番目だった
先生は機械のように診察した
わたしは それにふさわしく
死人のように応えた
道路では 
駅からくる通行人がま ....
東日本大震災・死者・行方不明者数
            二〇十二年三月十日 

死者 15854名
 宮城県 9512名 岩手県 4671名 福島県 1605名
 茨城県   24名 千葉 ....
 
          
わずかにからだがゆれている
冷気さえ眠る夜に
自分がふれた蛍光灯のスイッチの紐が
ゆれているのを見て
からだがむしょうにふるえてくる
ずいぶんと経たが
もうな ....
あなたは何において父の後継者なのか
という問いに
わたしは おそらく負債において
といったときの
背を伸ばした麦の穂は
熱帯のようなひかりの拒否に
砕けかれていく
  
  いまは
 ....
               

ふかくふかく沈んでいく
ひかりが ひとつひとつみえなくなり
一番遠くのほうで白い水仙がゆれている
たびたび あわがすこしずつのぼっていくと
呼吸しているこ ....
「働かざる者食うべからず」という言葉がある。レーニンが、キリスト教の伝道者パウロの言葉を引用して、述べた言葉であるのは、有名ですが、
キリスト教に詳しくない僕は、レーニン主義にも詳しくない僕は、  ....
新しい芸術とは、本来、違和感が伴うものだ、なぜなら、私たちが、見慣れている既成のものから、逸脱している部分が作品上、多分に見られるからだ。それを言葉にすれば、欠損および不足、過剰、単調、複雑、奇妙な美 .... 歴史的な存在としての人間(僕が考えている場合では、この定義は正確であるかは疑問であるけれど、ごく一般的には、)は、親から子へ、年長者より若者へと、常に変質しつつも代々へと継承されていくものであると考え .... 数年前のことであるが、東京・新宿の某所で
在る人道主義を標榜する学者の講演があり、僕は、たまたま聴く機会があった。
そこで講演者は、「人間はうまれる時は、一人ではないのである、少なくても、 ....
朝方にゆったりとした気分で、散歩をしていると、
ようやく眼を覚ましている住宅地、その街並みに、申し訳そうに咲いている草花、入道雲、青い空、次々と目にはいり、通り過ぎていく、その時、僕は、朝の ....
             
居間のテーブルに、汗をおびた白い皮膜がひろがり、ひとり
のピンクのビニール手袋は、両手で艶めかしい声をあげた。
一面、ピンとはった空気が、わたしの熱を帯びた息で震える ....
シャボン玉のなかの、人気の無いシャッター通りを
くぐりながら、眠れない半分の顔は暗闇の書架を見上げた。
玩具の戦争が終わったら、地平線のうしろに隠してある
重油の山を売り払って、腹が裂け ....
前田ふむふむ(130)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩217/7/10 21:23
透明な統計表自由詩4*17/7/6 15:30
駅    自由詩3*17/6/21 12:14
誕生    3.11に寄せて    自由詩14*17/6/19 12:01
かなしみ自由詩7*17/6/12 7:06
距離自由詩13*17/6/7 22:38
自由詩11*17/5/27 20:05
1989年のこと  mixi日記より 2010年11月散文(批評 ...1*14/10/4 18:27
主体と他者  mixi日記より 2010年12月散文(批評 ...114/10/4 18:13
零戦の思想 mixi日記より 2008年7月散文(批評 ...1+*14/10/4 18:04
詩の試みー知りすぎている貧しさの中で mixi日記より 20 ...散文(批評 ...3*14/7/9 10:27
怒鳴る男 寓話的—詩の試みデッサン自由詩612/12/9 1:29
神話—デッサン自由詩812/12/6 6:26
追悼のうた—デッサン自由詩312/12/3 11:07
冬のおわりに デッサン自由詩512/12/2 9:34
蒼い思考 デッサン自由詩612/12/1 0:04
葬送- デッサン自由詩512/11/30 0:03
声 —デッサン自由詩612/11/28 11:11
一月の空—デッサン 自由詩512/11/26 17:49
透明な統計表—デッサン自由詩312/11/25 10:27
新生 デッサン自由詩912/11/23 23:52
家族写真—デッサン    自由詩3*12/11/20 21:53
朝—デッサン     自由詩11*12/11/20 20:46
働かざる者食うべからず mixi日記より散文(批評 ...3+*11/7/21 22:28
新しさと、詩と  mixi日記より散文(批評 ...11*10/9/28 0:59
歴史的自己  死者を介して    mixi日記より散文(批評 ...010/9/27 22:38
死について   mixi日記より散文(批評 ...4*10/9/17 1:02
人格的な、入道雲、青い空   mixi日記より散文(批評 ...210/9/17 1:00
遠い夢—デッサン自由詩9*09/7/8 13:11
白いみずおと      自由詩18*09/1/28 22:47

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