怒鳴る男 寓話的—詩の試みデッサン
前田ふむふむ

     
           

ひどい罵声が飛んでくる
いきなり物が飛んでくる
わたしも避けながら 投げかえそうとする
むこうでは 言葉が渦を巻いていて
次の言葉が 今にも襲い掛かろうとしている
よく見ると 無精ひげを生やした
青白い顔の男が
喚いているではないか
わたしは余りにうるさいので
その男にたいして
反撃して 怒鳴りつけた
すると 歪んだ醜い顔は
さらに顔を歪めて
怒鳴っている
涙をいっぱい溜めて
そんなに悲しいのか
そんなに辛いのか
理由は この世の中が
忘れ去った男の
最も愛する人が死んだのだ
鏡に映っているわたしの姿は
惨めで 悲しかった
   


自由詩 怒鳴る男 寓話的—詩の試みデッサン Copyright 前田ふむふむ 2012-12-09 01:29:53
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