てんてんと影のあいだを
ちるひかりたち
わたしの視線はいまちょうど
角の眼鏡屋を抜けて
温泉街のまっすぐを下りてくる
あたたかく笑っている
あなたがいるのがわかるけれど
この足をどう ....
あんまりとやかく言わないでください
わたしはこの女というもののなかで
ぼこぼこと時間がたって行くのが恐ろしいのです
いつまでしても不自由で
片目を貝で塞いだように暗い
砂糖菓子の脆い沈黙 ....
しみる みてみる してみる 夜
よくなる みえる しめる のる
しなる なくなる ゆるめる 夜
みるみる みえなくなった よる
かたむいてみていた月のかたえくぼ きっとだれかがキスしたのね と
左手をすりむいたなら右側も おなじでないと真っ直ぐたてない
こぼれゆく砂時計の砂かなしくて寝かせてみれば どこへも行けず

 ....
あなたはまだ波をしらない
もみじをふくらましたような幸福な手のひら
でもそのうちにわかるようになる
あなたのなかにも潮があって
みちたりひいたり するのを
そうしてそれが
あなたのから ....
こまかくなったからだに紐をつけてつめたい夜へ引きずります
もうすこし(もうすこし)ときこえる 声も引きずって
耳だったところ、爪だったところ、肝臓だったところ
ところどころにみえている
肌 ....
夜明け
繰り返される 割れ を
完璧なものにするために
うしろむきにとぶ

じゃあじゃあ流れつづける時間
それ わたしのだよ
ひねる うねる たおれる
それ

音よりさきに
 ....
わるいことをして逃げているので見つかりしだい冷たいようなところへぶちこまれるけど好きなひとがいるので気にしない
似たような境遇を描いた絵や歌や小説がたくさんあるので迷うことはないし自由だ。わたし ....
なぜだろう
わたしたちはこんなに熱いのに
まちはまだ冬をしている
あんなにしろくふやけてしまって
あれじゃあ型もとれないね
あれ、
それは
わたしのことですか
ナッツみたいに香 ....
あなたがあなたのかたちをしてわたしに向っている
こんなにそのままだらけの まちに 何が
必要だろう
ビルをぜんぶたおして もぐらたちは
みえない目を かざるための
はでな眼鏡を 買いに
 ....
朝の六時に開けたカーテンを夜の六時に閉める。正しさを追って、(正しくないことばかりをおこないながら)、たどり着くのは圧倒的な現実だ。たとえば紅茶を淹れるまえにはポットおよびカップをあたためておくこ .... みどりを選ぶつもりが赤い服を着ている
たいていは朝がくるまで眠りにつけず
日を高くしてまぶたが垂れる
走ってゆくつもりが
いまだにはだしを気にしてかくれている

さまざまのいきぐるしさ ....
どんなふうにしてか
わからないがそれほど悪くない朝
カーテンがわずかにめくれている
白線をたどるように一日を思い描く
そして、
あなたのことをもうそれほど好きではない
それは意外なほど ....
そうしてわたしたちは眠りについた
朝、
無遠慮にかたちを引きずりだす光にまみれながら
疲れきって でも
ほっとして
役目を終えた靴のように萎びて
ひとつも
うまく言えない気持のする
2月
ぼうと立ったまま

こころのなかで
頁を繰って
見つけます
いとしいかわいいやつら

あなたはもうあなたになりましたか
森の手前でと ....
飛ぶときに必要なものがあるとすれば決心ではなくて、飛んでいる「当然」なのだと思う。決心なんて、どれほどもろくて役に立たない(でもそれなりに美しい)だろう。
娘が壁に手を置いて、しゃんと背をのばし立つ ....
許されて溢した水の それ以上逃げようもない泡の内側 群れからはずれた ひつじがいっぴき
光に打たれて たっている
かなしいでも
誇らしいでもなく
ひつじがひとり たっている
まるく くらい 影をおとして
ひかりがひつじを 打っている
 ....
押し引きをして
思うような音をみせてごらん

ひらいて ひらいて ひらいた果てに
あるのが
かなしい蕾だとしても
つかれるには まだ早いから
思うような色をみせてごらん
できるよ、 ....
だんだんと
忘れたように
白くなる手足をして
朝 晩 かまわず
ひとを待つのは

あさましいことと思いながら
紙のような心に
置いた石ひとつ
どうにも平べったくて
転がることも ....
朝で、
きみの床に光が当たっている。

しずかな街は
すこしずつ意味を手ばなして

もうすぐ、見られるようになる。
わたしたちの床にも
光の当たるところを、見られるようになる。
 ....
明日がすぐそこまで来ている
ので
逃げるために意味を吐きだした
4種類の喧騒がもやもや迫ってくる
このまま一日が終わって、その次の一日がはじまって終わって、またその次の一日を過ごすのもいいかなと思う。分厚い鍋あたたかいスープ、開閉を繰り返すカーテン。いいかなと思う、思うけど頷けない。黒い、新し .... 金属質の
部屋に座って
わたしが数をかぞえている

歯や髪や肌は
ただの歯や髪や肌であるのに
女 がぴたりとはりついている
脚にも喉にも唇にも

これより先は
数えるだけ失う ....
とうとう手足は煮詰まって
かたちをうしなったうす甘い部屋で名前をつけている
のら猫、のら犬、野良の恋
そして
名付けたそばから忘れていく
どうでも良いことのように清々しく
たまにあらわれる
ちいさい鬼たちには
うそを言いなよ
忘れてくれるから

それともなにも言わずに
砂糖まぶしの夢を見るかい
いつまでたっても鳴らない手を
かわいい鬼たちがみつめてい ....
夜はぬかるみ
家のない鳥たちは
飛び続ける
(落ち続ける)

指差して灯るのは
あかるいのは嘘ばかり
やさしくて生ぬるい

半分のからだを
半分の誠実で包み
越えようとした
 ....
息は吐くそばから冷えて
凍った頬をもっとかたくした
ちっともこわくなかったよ
死ぬことも生きることも
きみがいないことに比べれば
愛をまに受けて 焼けていく
わたしをみて
かける言葉がなんにしろ
それさえも まに受けてしまう

見える ほとんどすべてのものは 焼け
ドーナッツの穴だけが
残った
猫の寝息は
眠りの根
夜もよろめく四つ脚お化け
可愛い蛙は冠おろし
月をまるめてまたあした
はるな(1730)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩315/3/23 4:24
あわ立つ自由詩415/3/23 3:49
しみる自由詩315/3/17 23:33
かたえくぼ[group]短歌315/3/17 18:34
自由詩515/3/12 19:49
つめたい夜へ自由詩415/3/10 21:52
割れ自由詩615/2/23 23:05
わるいこと自由詩415/2/23 16:34
土曜日自由詩215/2/21 11:02
現象自由詩215/2/20 8:55
六時、現実、寝息散文(批評 ...315/2/18 20:05
いきぐるしさ自由詩415/2/18 19:47
白線自由詩515/2/12 7:37
眠りにつく自由詩715/2/6 10:42
自由詩1315/2/4 14:51
当然のこと[group]散文(批評 ...1015/1/19 10:47
短歌215/1/19 10:25
群れからはずれた羊が一匹自由詩1115/1/17 10:11
かなしい蕾自由詩215/1/13 0:21
石を置く自由詩915/1/13 0:17
自由詩915/1/5 10:54
裸でガムを噛む自由詩214/12/21 9:16
、・散文(批評 ...114/12/15 20:45
金属質の自由詩214/12/15 19:59
こちこち自由詩114/12/11 22:20
いいなよ自由詩114/12/11 22:10
半分のからだ自由詩314/12/9 23:25
凍った頬自由詩414/12/9 23:18
やけのこり自由詩414/12/8 21:17
可愛い蛙のうた自由詩314/12/5 0:35

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