境目が淘汰されて
すべてはグラデーションになる
曖昧さは受け入れられ
器は広く広く浅くなる
明るくなりすぎた夜のように
影はぼんやりと甘く
この輪郭を脱ぐ術を
探している

 ....
風や街、ビル、文字、感情はあり、
選ばれたものと、選ばれていないものが
ひと筋の線で隔てられる今日、
たしかに時間も空間も存在し、
ざらざらと触れることさえ出来る
空の自動販売機、乾 ....
かたまりを割ってほぐしてねばついて大事みたいに半分こした

愛とか愛じゃないとかで争った夜ひとつのかたまりで寝た
緑をちぎって
すずしくわらってる

それなのに
きみの手は
熱いお菓子みたいな
においがする

なんにちも なんにちも
焦げついて
ただれるよ
降る やむ 咲く ちる
やって来て 去っていく
一日じゅう飽きもせず
寄せ返す波を数え
まばたきより多く
人を愛する

昇っては沈む
絶え間なく産まれては失われる
あらゆるものの ....
咲きこぼれそうな花びらをもちあげて
そっと水を遣る
眠たい 明け方に
僕ができることは あんまり多くない

迷い込んだ虫を外へ出してやる
今日に似合う歌を選ぶ
まだ眠る君の
は ....
世界のことなんて
次でいいよ
つよくなる夢と濡れてく体
寝そべって目をあけて思い出を忘れていく
いい感じに傾いた
記憶を引き剥がしてさ
錆びた鋏みたいな
つまんないものばかり目に ....
ともかく私たちは辿りつき列にならんだ
色水みたいなコーヒー 配られるチケット(権利と義務が 印刷されている)
視線は 端末に通知される
皮膚は薄くなる 誰にも触れなくなる そのことも忘れられ ....
言葉も体と同じなので、つかわないとこわばる。動かしかたがわからなくなる。
さいしょはねじを巻くように、ぎしぎしと動かす。だんだん関節が動くようになって、のびやかになる。ストレッチ。何でも試してみ ....
あちこちで花が咲いてしまった。もう少し待って欲しかった。
ま新しいランドセルを背負ったむすめは、昼にも夜にも、こわいと言うようになった。わたしは(どうしてそんな愚かなことをと思うけど)なにが?と ....
やさしい君が
手をひいて
あるかせてくれる
外を

そして
大丈夫
大丈夫だという
見て ほら
あの橋をわたろう
細いけれども
大丈夫
という
笑っている

でもわた ....
密林

書きかけて
窓を開ける

飢えた街路樹だらけの街に居て
ばかげた恋をした
簡単に血を流した
空が青いとは聞いていたが
青がどんなふうかはしらなかった
物事が自分の外側で起こっている。いつもだ。
春が来て行ってしまう、しかしそれも私の外側にある。
インターネットもセックスも季節もナッツ・ケーキもだ。
半月前に流産していることがわかった。これ ....
水平が
輪になって
迫ってくる

目を閉じて
開け方を忘れた

手のひらをかたく
握ったまま
抱かれにいく

目があかないので
誰にかは
わからない
高いところから
低いところへ、
広いほうへ
明かるいほうへ

夥しい言葉の群れが
かたまり
解れ、また 縺れ
しまいに
いちまいの 布のようになった

それを拾いあげ
 ....
ネルは名前のようにそこにあってくたびれて やさしかった
ひんやりしてあたたかかったし やわらかで 強かった

夜が来て朝が来る
自分が行けるところまで水を追いかけてみたかったのだ
な ....
必要なのは、ひろい思考とおもう。
ひろびろとあかるくつめたく心地の良い部屋。
しかもいつどこにいてもそこに行くことのできる。
わたしはふだん灰色の部屋にいますが、
そしてその部屋にはドアー ....
蕾さえ開かなくなったこの部屋であなたがいなくてどうして眠るの


なぜだろうマフィンが今日はすごくかたい あした世界がおわるからかな


刻まれた時間のそとで落ち合おう 蕾、マフィ ....
街はいま
傾いて
春を呼ぼうとしている

四角いからだを
丸く嵌めようとした
壊しながら
(しかもそれを
愛と
呼んだりも
した)

うずうずと
傷む
気持をして
 ....
マフィンが
きょうは
すごくかたい
あした世界がおわるからかな

熱いポット
たべようよ
声がする
わたしは今
靴下の編み目にいる
蜜の朝
蜜の朝、それは春で、くまたちは起きて蜜を舐めます。
弱いのも、おおきいのも、老いたのも、みんなです。
くまたちは優しくて、眠りすぎたくまにも、ちゃんと声をかけます。
けれども、青の家の ....
星がしゃべるとき
わたしらは無口になった
あかりをみんな消して
肌で暖をとった

嘘とそれ以外
世界にあるものの
すべてを好きだった

言葉は
いくらでもあるのに
引き抜こう ....
あるはずの体を
あるはずの記憶で
建てなおす

あちこちにゆがんだ寂しさをもち
ありふれた色に懐かしさを覚える
吹けば飛ぶような思想を傘にして

いったいこの灰色の粘土細工の
ど ....
あかるい暗やみを
猫がふうふう歩いている。
うすべったい陰を
引き摺るようにして
草むらを
すこし割りながら

白だったり
黒だったり
する猫の、
どこからみても
おなじふう ....
ままのかたちはいいかたちだねえ。
湯舟はみたされてうす青い。すぐに茹ってしまうむすめが洗い場でおもいがけないようなことを喋る。
なにか褒められると、この世は嘘だと思ってしまう。
世界は嘘だから、 ....
雨のふるとき
星はつめたい

あの人が
あの人のこと
愛しているといいなとおもう

わたしの心のために
あったものは
ひとつもないけれど

わたしの心は
草のうえにすわって ....
祈りを焚べる、夜、朝、昼にも。
あ   というまに夜になってしまう。秋だもの。だから真っ赤な落ち葉をなん枚も拾って持ち帰る。でも乾いて暗くなってしまう。暗くなると、あかりが余計まぶしく白くみ ....
くもりの朝
まくをやぶって
私らは起きあがる

このあたりじゃ今日もビルが倒され蜜が降ってくる
クリームソーダくまの夢
名前をつけてやるから
こっちへおいで

むかしの歌ばかりき ....
とにかく名前ばかり産んでいるあの子たちが
赤い一張羅を着てでていくのを見たから
星空、火打ち石、波打ち際もざわついて
やっと世界がはじまるのだ、とうわさした

結局、うまれたのは

 ....
穂のゆれる
夕方まえ
ゆれてるね といい、
すわったまま
夜をむかえる

つめたい月をちぎっては
たべ、
いくつかの
物語で暖をとり
ちらばった行間をたばねて
舟を編んだ ....
はるな(1844)
タイトル カテゴリ Point 日付
輪郭自由詩421/6/28 16:25
白昼自由詩321/6/24 13:31
かたまり[group]短歌121/6/16 16:30
お菓子自由詩321/6/10 15:35
人を愛する自由詩721/6/7 21:55
明け方に自由詩721/5/24 14:32
花の午後自由詩1121/5/13 17:15
参列自由詩221/4/27 9:36
メモ(つかうのこと)散文(批評 ...421/4/22 13:29
四月散文(批評 ...521/4/22 13:01
やさしい君自由詩321/4/21 12:55
密林自由詩421/4/12 0:00
メモ[group]散文(批評 ...721/4/1 11:22
水平自由詩421/3/15 22:39
なんかいも忘れなおす自由詩621/3/11 14:30
ネル自由詩121/2/28 0:16
メモ[group]散文(批評 ...521/2/17 23:49
蕾、マフィン、そして明日[group]短歌721/2/9 22:51
ものごと自由詩521/2/5 6:56
マフィン自由詩321/1/18 16:16
くま[group]散文(批評 ...121/1/9 23:27
自由詩1020/12/24 0:40
あるはずの体自由詩820/12/18 23:52
あかるい自由詩820/12/9 20:59
ママ(メモ)[group]散文(批評 ...220/12/5 1:54
雨の降るとき自由詩220/12/3 16:12
あたらしい闇(メモ)散文(批評 ...220/11/27 17:02
まく自由詩320/11/21 7:21
草原自由詩720/11/13 22:33
川辺自由詩1720/11/6 1:29

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