4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる

いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている

八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
十八
すべりこむとうめいの音、(僕の)使えないなかみ
まちがい、溶け出した赤い右手と、黄色い耳と、走ってる車の、青白い音と十円玉でつけた引っかき傷がほんとうは気付いてるってこと、
ほんと ....
わたしがあなたの下着を干しているあいだ
あなたはわたしのために歌をうたっている

わたしがにんにくの皮を剥いているあいだ
あなたは二人分のコーヒーを落としている

わたしが玄関のタイル ....
見あげた鉄塔は
汗もかけずに
さむざむと鉄色をしている

足もとの濃い影が
すこしだけ揺れて
ふりむいたすべてはあかるすぎて見えない

あかるすぎて
見えないなかで
あなたがあ ....
愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった

おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので

うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている

 ....
つかまえることなどできはしないのに つかまることはひどくたやすい

はずかしいことばかり言う あさもよも なげだすつもりの つめたいきもちも

見えるはずのないものをみて みなければならな ....
むかし熊だったころの話をすると
わたしの手あしの毒虫に噛まれたところがどくどくと痛むので
これはむかし熊だったころにも同じところを噛まれたのだろうなと
予想できる

それくらいの頭で
 ....
陽のしたで
わらっている子ども
泣くとき大声あげるん
だろうな

ひざをかかえて
血をなめている
わたしのもとへ来る蛾は
どいつも羽が
不揃いで

うまく飛べるように
たか ....
押しだされる
水はつめたい

書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている

空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫 ....
夏休みでした。水族館へ連れて行ってもらい、夕食付きのホテルへ泊まった。
水族館では、いるかの跳ねるところと、くらげの展示と、あしかのショーの最中に、濡れたあしかの肌が、おどろくほどすべらかなさま ....
みて
水曜日が
からからに
干上がっている

じょうずに染まってみても
ここには誰もこない
いいから、早く
あぶらまみれの手を
さしだしてみろよ

たじろぐ君のうら側で
折りたたまれた意味が
つぎつぎと辞書へかえってゆく
ノックを待たずに
こちらからドアーを開ける

いつも
だれか にとっての だれか のかわり

ドアーが開いて閉じ
もういちど開いて閉じるまで

種火がはげしくなり
さかい目をも ....
*
やあ天気が良いからなにか灰皿の代わりになるものを持ってきてくれないかと言うと掌をむける。あまりに白くて使いものにならないな、どこにいたって日かげをつくってくれるのならまだしも。
これはほんとう ....
鳴るように
色付いて
はばたくように
ふれあう

それは
ひどく
不器用な鳥たちが
抱きあい
落下する 夕暮れ
今日がなかなか終わらないで
あしぶみする明日がくさっている
あたたかいのは
泥だった

あたらしいものを食べたくて
舫いをはずしたのに
気がつけば
泥をさがしている

これは
 ....
ささくれを剥いたところで息をつく (これがいつかの咎だったなら)

おちてみて気づく深さの泥沼の いつか自分でそそいだ泥だと

あわれみを十本のゆびにたぐらせて いい子 いい子 と その羽 ....
きょう一日をやりおおせた
とおもうのは
はげしい気もちをした日とか
ふかく考えをした日とかでなく
よっぽどの働きをした日でもなく

さるすべりの花の咲いてあるのを数えたり
五つからな ....
さか立ちして
空でおよいだ

ふようの花が
あしたしなびるのに
ぱあ とひらいてみせたりするさまが
頬紅とにている

あるいはいつものぼる太陽と
にているかもしれない
あしたし ....
あかぐろい肌をして
山盛りの雲をあおぐ
雨を待つわずかの間に
なんども恋におちる

季節はぎしぎし言う
発情のおわらない猫が
前足で引き留めている
濃緑が
少女を溶かしてしまった ....
外へでればぐんと伸びるような青空、目だまの焼けそうなアスファルト。段ボールみたいに日焼けして香ばしいにおいのする子どもたちとか、中学生くらいの男のこ。少年の汗ってどうしてあんなふうにぎらぎら反射す ....
たとえば
装填されていない銃ほど
うつくしいものがあるか

街、
羽を抜かれた鳩が飛ぶ

仰向けで泳ぐ魚
黒鍵のないピアノ


引き金を引くときは
かわくほど目 ....
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている

気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
花が咲いて
枯れるくらい
自然なことなら
実も成ったかしら

わたしたち
日も浴びず
水も貰わず
季節を泳ぎもしなかった

朝焼けを閉めだして
つくった夜に
プラスチックで ....
よるに
向かいあって
ぎざぎざした

あさが来てもまだ
ぎざぎざした

こころが
溶けあわないので
せめて
からだだけでも

寄りそってみても
ぎざぎざした

月が
 ....
たとえば、バスに乗るとして。
バス停で、バスを待っていることしかできない。ぎりぎりで走りこんだり、20分待ってもこなかったり、バスは、するけれど、ただ、わたし自身は、待つか、待たないか、それを決 ....
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
愛と詩はべつものよ
花瓶の花と荒野の花とに
どれほどの貴賎があるだろう



ただ咲くように咲け
それをときどきやさしく飾るのが
詩の役割だろう
あるいはこれが
さびしさなら
まだ よかったね

線路のわきの
姫女苑
のこった青に
境界を引き

のばした先に
ぬれた鉄柵

あるいはこれに
なまえがあれば
なぐさめ ....
ひかりがあふれすぎて
窓が溶けている
高速道路のインター、
群れ、群れ、群れ、群れ

むこうのほうに少し風が吹いているのが見える。

川沿い、
はんたい側には
ささやかな川
流 ....
はるな(1722)
タイトル カテゴリ Point 日付
目かくし自由詩712/8/30 4:43
八月が終る自由詩112/8/30 0:30
抱きあう動物自由詩512/8/28 16:07
鉄塔自由詩312/8/28 15:45
産卵自由詩712/8/25 21:39
つめたい気持[group]短歌012/8/24 16:33
美しいひと自由詩412/8/24 12:32
自由詩212/8/24 12:20
するどい時計自由詩912/8/18 23:10
8/14散文(批評 ...412/8/15 23:47
からから自由詩712/8/15 23:16
辞書自由詩212/8/11 20:15
娼婦自由詩212/8/11 19:21
米と三角散文(批評 ...0+12/8/10 15:35
(            )自由詩612/8/10 13:48
ゆめ自由詩512/8/7 23:39
[group]短歌012/8/6 17:42
やりおおせる自由詩312/8/5 4:03
頬紅自由詩212/8/5 3:54
丘の魚自由詩912/8/4 12:11
根のこと[group]散文(批評 ...112/8/2 1:22
撃鉄自由詩512/8/2 1:00
谷底自由詩812/7/27 23:02
自由詩412/7/27 19:15
ぎざぎざ自由詩512/7/25 11:44
バス、バス停、水の中散文(批評 ...112/7/25 0:16
さかな自由詩612/7/22 9:55
愛と詩は自由詩412/7/22 9:52
鉄柵自由詩512/7/20 23:58
はめごろし自由詩412/7/19 13:48

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