冷えていくストーブ
無い言葉
缶の羊

音のないテレビに
二拍遅れの字幕が流れていく

違うこれは
生活ではない
と思う
けれども
校庭のいちばん端、フェンスのところにはノブドウとヘクソカズラが生えてた。ノブドウはとくに実がきれいなので特別に思ってた。裏庭のどくだみが茂るところは一部分高くなってて、そこに立つとちょうど図工室が中ま .... おかしな箱だなと思ったところで目が覚める
わたしは眠っていたわけではなかったのだ
かわいいあの子がスカートにスープをかけられてるときや
足が遅くて詰られた子が来なくなったとき
集合時間 ....
わたしには、これが、生活なのか、感情なのか、問題なのか気の迷いなのかもうわからず、砦のように敷き詰めた綿の部屋で、あとからあとから湧いてくる埃を集めて捨てている。壊れた予測変換機能付きの思考、締ま .... あなたは林檎のかたちをした蜜柑です
濡れた皮を剥きながら
でも 必要だったのは
その 一つ分のくぼみだけでした
ふたが空いてしまう。
でも、鍵はしていなかった
おもたいふたでもなかったし、
あかない理由もなかったのだ。

蓋が開いてしまうと思う。
水がたくさん入っている。
それから間違えも入っ ....
過剰適応、と彼はつぶやいた。
なんども組み換えされる細くて長い指を眺めている。
そんなこといわないで、と思っている。でもすごく遠くの方で思っているので、感じるまでにはもう少し時間がかかる。
激しすぎる 揺れ たちを
夜、夜明けまえ
だましながら捕まえて
昼間の街を見せにいく

揺れたちは
泣きながら
嘘を消化して

売り買いできるような
かたちにまとめて束ねる ....
単三電池のなかにとじこめられる感じ。思考がとめどなく溢れ出て体中を巡っている血みたいに、指先まで。とても速くて疲れるから、ゆっくりしか動けない。息をするとき、それは鉛、足元をつぶしていく。でも、た .... 割れた画面のむこうで自動変換が暴力をふるう
インターネットの毛布は今はもう夢で
冷えたテスラのなかでがたがた震えながら運ばれる(どこへ?)
世界が終わるとしたら午後だろう
希望的観測! ....
生きていかれないくらいの
清潔さのなかで
注がれる水たちの不自由

汚れようとして冷えていく
煮えるような劣等
ふるえるとき、
泣いている、がたがた、さみしくて
ふるえている。

そのとき、
なかみのまま、
外にでていけない。

なかみのとき、
いるとき、
いるように見えて、
いないとき。 ....
あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年 ....
帰宅途中の
夕雲の群れに
滴るように
求めながら
どこにも空きは
現れない
千切れそうな
心持のなかで
言葉だって
ひとつもない
目が覚めて
空は明かるく剥け、
やすらかな寝息と疲労のあいだにあるわたしの身体

こまごました呪いとひきかえに
潤みつづける女という生活をして
すこしだけ自由で
底抜けに淋しい

 ....
ずる休みをして、駅の喫茶店でホットケーキをたべた。何にもならない恋みたいな良いことが落ちていないか、街をうろうろする。本屋をはしごして本の匂いを嗅ぎ、またちがう喫茶店で紅茶をのんだ。色だけが濃くて .... 野菊 野菊
暴れ咲く
泣くならここだ
夏が街を焼く昼間に
君の背中シャーベット
それで、もしも笑ったら
この星は砕けてしまうから
愛にならないように
でたらめな名前をつける

わにのウインク とか
ストロボ電柱 とか
 ....
時々、手に負えないところまで来てしまった、と思う。ふしぎと軽い気持ちで、すかすかした、他人を見下ろすような安全な心持で。
室内と、外気の掛け離れた温度がそうさせるのかもしれない。夏の盛り、あるい ....
インスタント闇屋さん
カップのなかで
泣き虫が笑っている
探し続けなきゃいけないものを
かんたんに手に入れようとしたことは
はっきりと罪だったと思うよ

カードは言う、
失う、だが ....
秒針が力なく明日を告げる、残骸だらけの街を抜けていくと海があるはずだ
けれどもあなたは空気の抜けた風船、口づけても口づけてもすうすうと抜けていく
今日のために買った靴を捨て 鞄を捨て 指輪を捨 ....
みじかい夜が始まったとき
どうすればいいかはわかっていた
どんな夢を見て
どこへ行けばいいかも
その先でかならず
あなたを失うことも
始まれば終わるしかない額の花
箱庭や不在ばかりが生って夕
切り落とす音朝顔の青に似て
行き先のないまま咲くの月下美人

ダチュラダチュラダチュラダチュラ寂しい日
浅すぎて溺れられないソーダ水
溶けてゆく足元に夢 匂う飴
別れぎわ 裸足になって踏む花火
電気ポットの内側に、「ここまで」という表記があり、いつもそのずっと手前までしか水を入れられない。なぜきちんと水を満たさないのか、と言いながら、夫がコップから水を注ぎ、ぴたりと「ここまで」に合わせて .... このまま、眠らないでいると
うす紫の夢を見るじゃん
嘘のつがいが 空を
飛ぼうとするじゃん
飛ぼうとして、飛べなくて
それでもいいかって笑うから
嘘の全部が 愛になっちゃうじゃん

 ....
膿を出すためにいくつかの手順を踏まなければならなくなっていて、それは醜い祈りだ。
耐えられない寂しさのために何かを傷つける必要があると信じている。

愛しいものははっきりしている、傷つけては ....
拡がりが
拡がりを飲み込んで行く

私は 母の形をした服を着て
熱い、熱いと泣いている拡がりを宥める

いったいもうどんなかたちをして
街を許したらいいのか
どんなかたちをして 乞 ....
短夜の風を含んで消えていく
ほとんど意味ない囁きの群れ
紫陽花を行きつ戻りつ濡れながら 中中あかない夕暮れのドア

明日のない身と知りながら夏椿 羽根のかわいた雛が飛んでく
はるな(1721)
タイトル カテゴリ Point 日付
ストーブ自由詩123/12/26 14:58
りゅうのなみだ散文(批評 ...223/12/26 11:31
自由詩223/12/8 12:32
綿の部屋散文(批評 ...123/12/1 18:46
くぼみ自由詩323/11/16 21:55
メモ[group]散文(批評 ...523/11/13 21:22
散文(批評 ...123/11/13 14:24
揺れ自由詩523/11/2 0:48
メモ[group]散文(批評 ...323/10/6 23:01
午後について自由詩223/10/1 17:56
真水自由詩123/9/27 20:15
ふるえるなかみ自由詩423/9/19 15:52
自由詩1723/9/8 15:46
夕雲自由詩1123/9/4 17:18
七時自由詩323/8/27 8:00
メモ[group]散文(批評 ...323/8/22 23:30
野菊俳句123/8/21 1:52
でたらめ自由詩523/8/11 23:03
メモ[group]散文(批評 ...323/7/21 17:10
かんたんな闇自由詩523/7/14 16:56
風船自由詩523/7/10 18:06
自由詩523/7/7 22:55
ダチュラ俳句323/7/7 14:28
花火川柳323/7/4 14:48
メモ[group]散文(批評 ...723/7/3 18:27
うすむらさき自由詩623/6/26 16:31
メモ[group]散文(批評 ...223/6/22 9:36
拡がり自由詩323/6/17 4:56
囁き[group]短歌123/6/16 15:20
夏椿[group]短歌123/6/13 14:50

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