朝にそれは
にぶく光り
夜になると
横たわり眠る

昼まに
のぞいてみたときには
四年まえのわたしを
しずかに抱いて
泣いていた
あなたが息を吐くだけで
心は水びたしになった
そのまま寝そべると
目頭からあふれだし
それをみたあなたが
波のように笑った
ひとりで新幹線に乗るときの駅弁は寿司ときめている。新大阪からは巻き寿司、品川からは握り。東京からはめったに乗らない。缶ビールを買って、のみきる前に満腹になってしまう。

実家の庭に増えているす ....
愛しさをこじらせた朝
うらぎるように街は香り
なにも
知らないようなふりを
続けるほかになかった

押しだまる人びとのかげに
花水木がしらじらと開いている
ふせて
あきらめて
大事なことなどないと
みとめて
そして
とくに大事でも
必要でもないものとして
抱いて
胸のあたりに
なつかしいうたが溜まってしまい
病院へいったが
ておくれだった

それ以来
胸のあたりに
うたを一匹
飼っている
あの日とよく似た景色に
ぼくは取り残されている
すこしだけみじめで
信じられないくらい自由だ
長い髪をしていた
君がここにいない

「ゆうがたにも匂いがあるね
晴れた日と
雨の日 ....
ため池に立っていると
女たちがやってきて
きのうまで愛していた男を捨てていく
濡れた靴したをすっかり乾かしてやると
女たちは
ちがう男を釣り上げて
また
立ちこめる現実へ帰っていく
男たちに
愛していると言うと
とたんにやせ細ってしまい

女たちに
愛していると囁けば
とたんに膨れ上がる

鏡にむかって
愛しているとつぶやいて見たら
鏡は粉々にわれてしまっ ....
夫はわたしの手足を縛る、とても適切なやり方をしっている。どうしてだかはわからない。そういえば、最初からそうだった。どうしてだろう。他人なのに。

土曜日だというのに、部活動でもあるのだろうか、制服 ....
まちは固すぎるので
気をぬくとぶつかって死ぬ

あらゆるものが
手に入れやすくなり
あふれ出すようになると
昨日がどんどん遠ざかり死ぬ

やさしさが
一山いくらの値札をつけて
 ....
わたしたちはFEEDされている。

生きるには時間が経ちすぎている、
絶望は希望よりもすこしだけ早く感染する、
いるといないの合間を貪る猫。
不自由で浴びる、
嘘を吐くときは好きではないが ....
女の子は
愛で太るから

かわいいあなたを食べきって
次の季節に出かけるの
土砂降りの日に偶然出会った。(偶然以外の出会いがあるのかどうかはまた別にするとして)都会の昼間に雨が降ればにぎわう場所といえばコーヒーショップ。人まみれのこまごました座席を一瞥して隣にしましょうと .... 曇天に溶ける花びら 頬 目じり

花冷えに持ち寄る肌にふる夜よ

うち側に空を描いた傘、卯月

ぶらんこを揺らしてもなお遠のいて
あらしの夜は
あついお湯と
指を五本ずつもちよって

がたがた言うガラスにまもられながら
解体した

そとは
だんだんしずかになって
わたしたちも
きちんとばらばらになる

 ....
そらが高い日は
目は
あかるく乾いていた

とりかえしのつかない世界で

それは
神様みたいに
あかるく乾いていた
ティッシュ 血 生クリーム
爪 りんご ペントハウス
火ぶくれ 夜 バンドマン
泥船 シチュー 皿

前髪 くつ下 オイル漬け
タクシー会社 午後 螺鈿
うす緑 血 ポインター
ベ ....
しかくい箱のなかに
丸と三角を
ひとつずついれる

それをどうするんだい
と聞くと
どうもしないの
と答える

どうもしないの

答えて
かなしそうにしている
トロフィーは贈られなかった
拍手と罵声は
ちょうどはんぶんずつ降り注いだ
彼女のステップは
そういう類のすばらしさだった
トロフィーは贈られなかった
でもそんなの気にしなかった
フロ ....
尼崎を超える頃に日付は変わる
川をわたる鳥のむれも
一日分の年を取る

吊り革に群がる背広を押しのけて
酸素のうすい車輛で
どうにか息をしている

神様
今日が正しくなくても
息を ....
たばこの燃え尽きるかたちがきれいだったから、このひとのことを好きになってもいいかしらと思った。なるたけ注意深く、愛するものを選んで、だけど、とめられない。どんなに決めていても、かならず、(すぐに) .... 濡れ髪と匂い立つ夜に猫の恋

沈丁の香にしのんで肌を舐め

海明にうかべる白い朝と夢
曇天。呼び出しに答え、すぐに放り出されたあと、ひとりで水族館へいく。
締め切り時間間際にくぐるゲート。入ったあとすぐに、うしろでシャッターが閉まる音。

館内は暗く、ごく控えめな音量で歌詞のない ....
海にでる  列車は
これでさいごだよ
指をさす老婆の皮膚は
ひびわれて

海へ
願った
最初のことばだけを
かばんにつめて

ふるえていた
かきかえられた地図と
 ....
手が
こんなにつめたいから
準備ができません
気をつけていないと
死んでしまいそうです
中指だけ
爪がとれています
あしたの朝には
何かを知っていたい
暖房器具を
買いにいくと ....
浅い日だまりが
いってん はぐれて
そこだけが
闇のようになった

おいつけないままで
見つめている
春の日の
少年のような
はずかしいことや
はしたないことを
たくさんしてきて
じゃあ今からなにか新しいことを

思ったときに
なんだかひどく
疲れてしまったなと
思った

スカトロジーは愛と同義だ
 ....
24歳になって、ええと、17日、が経ちました
世界に参加しはじめてからは、ええと6年と5ヶ月目です(いまかぞえた)

わたしのなかに16歳と、7歳と、24歳と、42歳がいます。
女なら ....
言わなくちゃならないのだろうか
なにひとつ
愛していないと

こんな
愛だらけの
世界に
はるな(1722)
タイトル カテゴリ Point 日付
それ自由詩512/5/10 0:40
うみべ自由詩612/5/10 0:32
すずらんのこと[group]散文(批評 ...212/5/7 11:54
五月自由詩412/5/4 1:37
ふせて自由詩212/4/27 2:48
うた自由詩1012/4/24 18:11
ゆうがた自由詩512/4/24 18:10
ため池自由詩512/4/23 10:54
自由詩612/4/18 1:56
やすらかなこと[group]散文(批評 ...212/4/15 0:49
もぐら自由詩1012/4/14 22:12
ふりそそぐ自由詩9*12/4/13 0:06
口うつし自由詩412/4/11 19:12
踊り子散文(批評 ...312/4/11 18:17
ぶらんこ俳句212/4/5 14:35
解体自由詩512/4/4 11:51
神様自由詩312/4/4 11:48
今日自由詩212/3/31 0:25
自由詩812/3/29 20:15
ラメ自由詩112/3/29 20:04
川をわたる自由詩612/3/28 21:47
花屋自由詩212/3/27 20:06
俳句312/3/27 0:00
まんぼうのこと[group]散文(批評 ...312/3/23 23:58
海へ自由詩712/3/23 17:26
いくというのに自由詩112/3/21 17:05
少年自由詩412/3/19 1:58
かなり長いシュート自由詩612/3/19 0:38
6歳散文(批評 ...212/3/16 22:25
自由詩412/3/16 21:53

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