嘘のない道をあるくと
からだが黒ずんでたまらない
空き缶を選別する女たちに二千円をくれてやる

銀色を左へ曲がると
すぐに目的地だ
つたの洋館も
給水塔も
とうになくなってしまった ....
ママを食べてそだちました
すこしずつ千切ってさ

さいごのひとかけらになった日
ママは,さびしいと言って
おんなじ気持ちだったから
いそいで飲み込んであげた

わたしも,(ママ,) ....
さようならを告げると
あなたは残念そうに空を畳んで
分かったよ、
と言う

分かったよ、
また明日


あれからずっと
明日が来ない
あけ方
うすあかるい部屋を出るまぎわ
シーツのうえに半透明のわたしを確認する

いつも
左がわを下にして抱きあうので
それは
右耳からだんだんとすけていく
あなたの言葉でできている ....
泣きながら歩いた日はひもじくて、自分の体から精子の匂いがした。
似合わない色を着て、どうしてこんなところまで来てしまったんだろうって思っていた。
花は季節によっていろいろ違う。椿とかたんぽぽと ....
そして十九時
街は壊れた

あなたは
やっと
わたしを見つける

 
18:59自慰を終えて手を洗い顔を磨いて街を見上げる
ここは窖三時の方角に細長く湿った痣が座り
痣の向う側から湧水のように女ばかりが産れて来る

18:59雨は降り爛れた時間を量り売る
 ....
きょうはいちめんのくもり空に
名付けようもなく座っている
こんどこそきちんと
この世界から手を離そう
ぶらんこ乗りたちが出会いを繰りかえすように
冷蔵庫から
冷えた頭蓋骨をとりだすとき
ふしぎにこころは温かかった

聞いたおぼえのある歌、
見たおぼえのある映画、
読んだおぼえのある物語、
それらがいっせいに再生され
頭蓋骨を割っ ....
白いときは過ぎて
テーブルのうえに飾られた造花
死んだ動物の肉と
赤い靴下

カレンダーのしるしが
ぴらぴらと減っていく
みんな行ってしまった
ほそい煙草が
長方形のまま燃えつきてゆ ....
これ以上なにを見れば
生きていることになるのか
体じゅうに種を植えた
女が泣きながら踊っている
うつむいて泣くひとの影が
だんだんと鏡のように
わたしを映して濁ってゆくので
おそろしい気持のままはしってきた

どれだけの水を注いでも
波はとまらない
空は落ちない
愛で人は死ん ....
みんなの寝しずまるのを待って
腕をきるので
みんな寝ない
みんなの起きるのを見はからって
眠りにはいるので
みんな起きない
だんだんできてゆく
柵のそと側へのがれてみると
そこはぐるぐ ....
潮の満ちひきみたいに
おだやかで 残酷な
あなたのかたむき方をみていたら
指のうごかし方をわすれました
目ぶたの閉じ方をわすれました
息のし方を
すっかりわすれてしまいました

満 ....
涙は乾くか 浸みこむか
空のみえない水無月を
二十の指で抱き込んで
いつか色づく紫陽花の
あわれな枝がしなしな切らる
寝がえりしなに打つ脈が
黒髪の海をゆらすとき
涙は乾くか 浸 ....
愛が終わって
空がめくれる
耳のうしろに
白い針を刺すのが流行りだした

光のうしろで
てまねきをして
終らない回転をする蝶蝶

きみは
本をとじて
詩を書きはじめた
ああいうふうにはもうできないね
春の去り際
白いスカート
透明に固まっていく桜の樹液

陽が沈んでから
夜が訪れるまで
うす青紫に浸された世界
君の眼差しが
ふるえるように未来を ....
人間がかならず死ぬ というのとおなじくらいのたしかさで
あたしたちは一緒なんだと思っていた

なぜだろう
いまは
ひとりでうみへび座を眺めている
使いまわしの朝がきて
わたしは 座って
大きなクッキーを食べている

たぶんまた
生きてゆかなくてはならない

あなたなしの朝
あなたなしの世界
チョコレートなしの
大きくてし ....
熱湯 浴槽 自我のパン ふやける 叫ぶ 画鋲の理念 整髪 下着 洗濯機 靴紐 踝 残忍さ 編まれた電車 熱帯夜 分割されるキリスト像 赤い血 青い血 黄色い血 大鍋 小指 前立腺 瀕死の赤児 手術台  .... 泣いてばかりいる子どもだったんだけど
気づいたら大人の部類になっていて
それでも泣いていたら知らないひとにバカにされたので
思い切って殺しました
それからやっぱりこわくて泣いていたら
大丈夫 ....
ふりやめばななめに濡れた傘をもち 地図の無い身を倒して五月

くちづけの無い街に居て想うひと 鏡にうつる身は星だらけ

春過ぎて歩きつかれて血を食べて 想いだしては想いだされて
百年が 終わり
つめたい百年が来た
つめたい百年が終わると
もっとつめたい百年が来た
もっとつめたい百年が終わると
もっともっとつめたい百年が来て
もっともっとつめたい百年が終わると
 ....
休日、タイ料理をたべて、よく晴れていたのでちいさなピクニックをした。コーヒーショップで買った飲みものとパウンド・ケーキ。さいきんできた、わたしのあたらしい友人は胸に青い薔薇を咲かせている。
公園 ....
雨の日をえらんで走ってきた
すこしでも跡がつくように
それでも

あなたが
まばたきをするだけで
世界はすっかり乾いてしまう
絵筆に水をあたえているあいだに
なに色を使おうとしたのか
もうわからなくなっていました

あれから
もうずっと水で描いています
びしょびしょの画用紙が
いつまでもしぶとく破れない
 ....
草が倒れ
花が飛び
ビルたちは溶けあう
本棚は崩れ
写真は粉々
音楽は眠った
空が落ちてもかまわない

かまわないよ
愛している
ぬるぬるとひかるひかりの影を浴び 空 いちめんに蔓薔薇の咲く あの子のまばたき夜をひきずり下して
星だらけになったコンクリートをけ飛ばしていったんだ裸足で
夢をかかえて
ロールしてロールするそのあいだに目があったら
どんな星もかなわないくらい大きなブラッ ....
名まえのもとに咲く花があるだろうか ことばからはじまる思想があるだろうか
槐、槐 蜂は最初からしっていた こぼれる密の甘さを
槐、アカシア 隣り合っても争わず
咲く白と黄色の狭間に立ってみれば  ....
はるな(1722)
タイトル カテゴリ Point 日付
道路自由詩613/6/15 0:46
ふくろう自由詩213/6/15 0:29
さようならを告げる自由詩213/6/13 23:16
右耳自由詩113/6/13 23:11
油と身体散文(批評 ...213/6/13 22:20
そして19時自由詩413/6/11 19:09
18:59自慰を終えて自由詩313/6/11 19:06
ぶらんこ乗り自由詩413/6/10 16:31
冷えた頭蓋骨自由詩413/6/9 22:26
赤い靴下自由詩313/6/9 22:22
自由詩913/6/8 19:02
正夢自由詩513/6/8 19:00
スイッチ自由詩613/6/7 2:11
自由詩313/6/7 1:59
自由詩413/6/2 8:39
回転自由詩513/5/30 18:58
さりぎわ自由詩713/5/29 0:50
うみへび座自由詩413/5/27 18:17
クッキー自由詩313/5/24 8:22
熱湯自由詩213/5/21 18:24
8:20(細長い缶入りのジュース)自由詩713/5/19 8:23
ふりやめば[group]短歌313/5/18 17:12
あたらしい百年自由詩613/5/18 13:04
薔薇のこと2[group]散文(批評 ...213/5/16 17:59
雨の日自由詩413/5/16 17:36
画用紙自由詩313/5/16 1:09
日々自由詩213/5/13 13:22
ひかるひかり[group]短歌213/5/12 17:33
ROLL2自由詩413/5/11 19:54
えんじゅとアカシア自由詩1813/5/11 11:42

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