よい夢をみたような気がするけれど、おもいだせない。そんなのなかったのかもしれない。
長くした髪の毛を切って二月、梅雨空にうなじがすうすうする。くらい部屋に花を飾る、捨てる、かざる。
ぶつ切りの ....
空腹に 甘いかげろう 甘い夢 コーヒーショップのにがい喧騒 くもたちが、だんだん固くなってきた。いつのまにそんなに伸びたんだろう?っていう草木や花。空腹に甘いパンを齧れば、とたんに胸がつかえて進めない。

(満員電車を乗り継いで花を切りに行く。)
泣 ....
くまたちが春をわすれると
街はわあっと暑くなる

なんでもない顔をして
生きていかなくてはならない。
箱が産卵する
そして部屋には
部屋のかたちの夜がはいってくる。

眠れずにい ....
1. ドアを開ける
2. ドアを通過する
3. ドアを閉める
4. ドアを開ける
5. ドアを通過する

ドアを閉めなければ次のドアを見ることができません
次のドアの前には空間が ....
春のきえた街で
まぶたをあたためる
うす水色の すき間たち
ここには空気がある

それは水に浮くような恋であったよ
雨でも嵐でも
沈めても沈めても
思惑とはべつのばしょから浮いてく ....
こうもり
羊飼いの夜をたべ
眠たい指をぬすむ
みたいにして

重たい 重たい
朝が
木香薔薇の花びらより
散り散り鳴っていく

まどろみ
落ちゆく空の白い際
いまも街では恋 ....
そうして春が去ったところへ猫が這入ってきて、
ごろなんと寝転んだ。
僕は寒いねと言い、
君は四十五度斜めと言った。
赤い新聞紙?と僕が尋ね、
そうそう、くじらのボールペンと君が答えた。
 ....
季節はつぎつぎ仕舞われて
ま新しいシャツの朝、とびはねた分だけ沈む靴

いつ吹雪がきてもいいように準備しておくんだよ。
たんぽぽを乾かして瓶詰めにして
転んでも泣かないように、いつもすこ ....
どこかが開いている
この部屋には
窓がないのに

寝息が 夜をみたし
空の端をそめていく
昏さは
甘えようとすると裏返る

すきだとおもった指あとも
いまいましく沈んで

 ....
晴れているから、影も濃い。
くっきりとまるく落ちる提灯の影を踏みながら弾んでいくわたしのむすめ。
引越して転園さきがきまるまで、わたしも仕事を休むことにしたので、さながらこれは春休み。自転車に ....
わたしたちは 東京で べつに
憂いもなく であって
金を稼いだり 体をすりへらして
もちよったり
平成を 聞き飽きたり しなかったし
あらゆるぜんぶ それがあたりまえって思ってたし
べ ....
音のないテレビが
空間を蝕んでいる 明けがた
熱は引くどころか

からすたちがつくる
今日の切り取り線を
はやく裂かなきゃ
でも なぜだろう もう
からださえ ここにはないのだ
 ....
とおーい 声がするのを、するのを見ている。蛇腹にたたんだ気持のなかで子どもが泣いている。あかるい窓べ、海べ、岸辺。
心に彼岸はないから、いつまでも分かり合えない。猫たち性懲りもなく恋する。
 ....
アネモネがばあっと咲いてる道があったんだよな。四月で風もつよくて、ひざしがばからしく春めいて。花のこと知れば知るほどかなしくなるような気がする。物事って、知れば知るほど仕方なくなる。めりめり泥に飲 .... 箱がたくさんある。
現実にも想像上にも、自分のものも、むすめのものも夫のものも。怠惰な感じのする春の日差しの真中にわたしのそれを置いて、みる。日差しは多くの物事を明らかにする(もし私達がそれを望 ....
来たので、
わたしは
行きます

黒ずんだ窓の向こう側
鳥たちが飛ぶその上を
沸きあがるようにして
来たので

窮屈な靴ばかり履いていた
厚ぼったい肌をしてがたがたふるえて ....
節度のある幸福
なんか
いらないんだわ
除菌スプレーくさい
おんなたちのなわばり

ドーナツの行列にも
校庭の整列にもつながれなくて
ゆく先の石をいちいち数えてた

それでも熊 ....
春ちかい穴ぐらで
かなしみを咀嚼せよ
虎たちの夢は光り
鳥は飛ぶ
羽根がなくても
金色の朝
私たちは思い違いをしている
実在、スープの値段、猫の恋、明後日の天気など
あらゆる角度に突き立てた仮説がもはや球になって

設計され、建設され、実用され、朽ちてゆき、修繕され、 ....
思い出は過去でべたべたして
ひらかなくなってしまった

ドーナツ、夜あけ、オリオン座
がたがたする椅子にすわって冬をあじわった
なん年かで一周するヒットチャートみたいに
おわり続けるも ....
これからあと
いったいいくつの箱を開ければよいのか
ぐったり濡れた僕に箱は届く
僕は開ける
そしてまた箱がある
僕は開ける
また箱がある
僕は開ける
箱がある
僕は開ける
 ....
金魚がうちにきたとき、はやく死なないかなとおもった。
かならず金魚は死ぬので(わたしよりはやく、それはほとんど確かに訪れる)、早いほうが良いようにおもえたし、単純に生きてるものが、夫と娘と自分以 ....
夕暮の美しい街に居て
かるい目まいと茫洋

健やかに汚れた指
埃くさい夢
磨かれて 傷だらけの

幸福は紙の羽
完璧に白く優しくて
風が吹くほど良く燃える
うそをついたり
ひとを泣かせたりして
パンくずを集めている
刺さりそうに白い
陽だまりをよけながら
ぼくの愛がはしってくる
うけとめよう
とすると
パンくずはみんな舞い
いく ....
黄色い布張りの表紙のノートは母が買ってくれたもので、すらすら嘘を書くのにつかった。
三週間連続で書きこんだり、7ヶ月間開きもしなかったりしながらで13年経ったのだ。時間と手垢で沈んだ黄色。
ず ....
テディベア、ものさし、あおいゆうぐれ。
汗ばんだひたいのあまいにおい、
いいにおい。
ひあたりのリビングにひろがったあかるい色色、
層になってひろがっていく現実との接地。

浮かびそう ....
どっしりしたコート、赤いくちべに、空いてる電車、缶コーヒー。
師走、指をひらいて夜をあるく。ほとんどこわくないよって顔をして(あるいはほとんどなんにも知らないよって顔)。種、草、蔓、実、届く(届 ....
きみの眼が 夕映えて
あかく 冷えていく
ぼくは
せつない気持を刈り取って束ねながら
近づいてくる 死の
穏やかさを
度々 おもう
日々の傾き
わたしたちは
あかくなる木々にもおびえて
言葉のすき間に
場所をもとめた

磨りがらすのように
ざらついた気持で
いっさい誰のものにもならない
なにひとつ手にもたない ....
はるな(1715)
タイトル カテゴリ Point 日付
よい夢(メモ)散文(批評 ...419/6/11 7:35
かげろう[group]短歌019/6/6 9:47
ささくれ散文(批評 ...319/6/3 16:20
くまたち自由詩819/5/25 23:18
ドアについて自由詩319/5/25 2:47
木片自由詩319/5/17 9:16
こうもり自由詩319/5/6 2:22
猫飼い自由詩219/5/4 23:10
たんぽぽ自由詩1219/4/18 9:15
自由詩519/4/8 0:40
生活のこと[group]散文(批評 ...519/4/4 11:37
トーキョー(ヘーセー)自由詩119/3/30 21:46
音のないテレビ自由詩319/3/23 4:58
春のこと自由詩619/3/21 16:04
アネモネ散文(批評 ...219/3/17 19:32
箱のこと[group]散文(批評 ...519/3/14 20:05
来たので自由詩619/3/12 21:36
行列自由詩519/2/26 23:31
下方向への上昇②自由詩319/2/18 23:50
金色の朝自由詩319/2/9 21:47
ドーナツ、夜あけ、オリオン座自由詩119/2/2 23:05
箱を開ける自由詩219/1/30 1:34
メモ散文(批評 ...319/1/29 18:48
紙の羽自由詩419/1/22 4:07
パンくず自由詩319/1/19 1:40
500日散文(批評 ...419/1/16 19:53
接地自由詩219/1/14 11:41
メモ散文(批評 ...318/12/29 17:30
ゆうばえ自由詩318/12/25 16:37
磨りがらす自由詩318/12/22 20:03

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