横たわる体に刻まれた痕跡、一度腐り果てたものがまた蘇生したみたいな違和感がその正体だった、じめついたシーツの感触に苛立ちながら、指先はいつも生温い欲望を溜めこんだ性器を弄んでい .... 湿気が脳幹を溶かして、俺の意識は肉体と断絶する、白濁する視界と馴れ合う網膜、弛んだ自我が滑り落ちる先は…僅かに開けた窓から、初夏の雨が滑り込む夜だ、しっとりと濡れていて、透明な存在 .... うそつきな服を着た少女たちがすべってゆく表通り
中華料理店の裏口の窓に三度高く上がった炎
路面電車の停車音が精神異常者の断末魔の叫びを中和するダイヤグラム
ボサノバ気取ったニュー ....
液晶ヴィジョンで見かけた
クロコダイルが連れてきた幻想
半分のビート
半分の鼓動
無造作に
床に転がる
フェィドアウトの速度
むやみにシャットダウンすんなよ
明日の為に少し ....
明るく
楽しく
元気に
ハッピーに


なんて


やりたいと
思ったこと
なかった


人の言葉に頷き
決められたことを守り
与えられ ....
陽の当らない路地裏の側溝を流れるよどんだ水が、区域の変るところの段差で病人のように流れてゆくのを見ていたのは夕方、肉体と精神が遮断されて、明るくなる朝と暗くなるだけの夜を見つめているだけの .... このぼくのこころは
このぼくの鼓動は
このぼくの興奮は
このぼくの足跡は
衝動は
焦燥は
終焉は
再生は


あたらしい言葉を
燃やせば
古い皮質が ....
無作為過ぎる
光線の向こう
落ちた椿と
濡れた路面


道路わきのドライフラワー
いくつかのスナック
そこに佇んでいるのは
たぶん年端もいかない子
 ....
きみの手を引いて
日がしずむ方へと川べりを下っていくんだ
すごいだろ
すてきだろ
たえまないせせらぎが聞こえて
ずっと向うのカーブから
潮のかおりを連れた風が吹いてくる
 ....
傷を隠したような
雨の後の夜空
走り去ったバスと
針のように深く
胸を突き抜けた言葉


傘を閉じた人たちの
話声は弾んで
バス停に残された
僕はいつまでも ....
そうさ、おれは、いつくたばってもいいように、こんな感じでいつも書きつづっている、どうせ、きっと、まともな死に方は出来ないだろうからね。そんなことどうこう言ったところで仕方ないのさ、おれが選 .... 凍えたコンクリートに水が浮き出る
アンモニアのない小便みたいな臭いがする
剥がれた天井のボードの上に見える鉄骨は
もとの色が判らない位に錆びついている
おまえの死んだ理由は ....
不完全なレイトショー
二連敗の前座ボーイ
条件付きのペントハウス
高慢ちきな御令嬢


メトロポリスの重大過失
ワルプルギスの夜の情事
ガダルカナルの島の遺骨
ペテル ....
嗄れた午後、稲妻のように部屋を飛び交うファンタズマ、肉体は半ば、浅黒い影に支配されて、ああ、おれは迂闊にも砂浜に辿りついた術の無い海洋生物のようだ、身体はままならず、心ばかりが狼狽える .... 脾臓に隠れたものが一番正直な感情だ、駱駝色の夢が見たくもない動機を浮き彫りにするころ、短いうわ言の隙間に考えてはならない衝動が見え隠れする。有無は問わず。亡霊的な位置に甘んじている .... 朝に
殴りつけられて
君は
目を覚ます
ほんの少しの痛みと
ほんの少しの希望
昨日始まったことは
今日も
続いている
だけど
明日には
どう ....
踊れ、踊れ、踊れ、踊れ、内側から死滅するものたち、皮膚の表面に浮上して落陽の踊りを踊れ、俺は曇天の暮れ時に死亡するがらくただ、踊れ、踊れ、踊れ、踊れ、息切れて汚い泥をその喉から溢れさせ .... 荒ぶる風が窓の外の去年の枯葉を叩き、時化の音がする午前だ、一度眠ったものの起き出して、雛のような言葉を吐き出してしまう必要を感じた、ほんのつい数分前のことだ―こんな夜にはもう絶対に .... 真紅の壁を
真っ白に塗り潰すような時間の中で
喉の渇きを覚え、だが
ページをめくる指を止めることはなく
幾つか咳をして
唇を舐める
昨日より冷える気温と
昨日より
 ....
あのときの週刊プロレス巻頭でまだ死に至る三沢光晴

野次られて吼える手癖の悪い犬牙は剥けども庭からは出ず

自販機の前で二択を迫られて買わぬが増えた職の無い春

外壁のトタンを鳴らす夜中の ....
いやな知らせを
渋るみたいに
雨は降りつづけ

おれたちのいらだちは
こころのひだに
致命的なまでに
濡れて張りついていた

オールディーズがいつも
バースデイみたいに流れ ....
煮つめられた、ような
まよなかのにおいを
くたびれた寝床で嗅ぐ、遠いこめかみの痛み、ディスプレイの照明を、受けとめ続けたせい
おとなしい雨の日の
波打ちぎわみたいな間隔で  ....
いったい何をすれば満足出来るのか?君の脳髄は深い迷宮の奥まで入り込んでしまったようだ、いままでのやりかた、いままでのやり方の全てが今の君に対してノーと言っている。きみはその通告 .... 昨夜は隣の部屋に住んでる売春婦のヴィッキーがよほど景気が悪いのか自室にまで客を連れてきてあああんたのキャノンボールとてもステキなんてよく分からないことを言ってヨガるものだから俺ときたらえらい寝 .... 静寂のまま湾曲する感情には、寄り添う言葉が見つけられない、水の枯れた川の様にかつてそこにあったものを示し続けているみたいで辟易する、ヴォリュームをゼロにして流すオーケストラのプレイみたいだ、聞 .... ハイブリッドタイヤでアスファルトにプレスされた鳩が、赤い薔薇の刺繍のついたスカーフの様になって風になびいていた。眠り過ぎた瞼が熱を持っていて重たかったが、コンピューターでプログラムを書き換えた .... たった独りの部屋でさよならと言い続けた
たった独りの部屋でそれを言い続けるには
たった独りであることを忘れなければならなかった
冷たい世界は骨を
機械のように冷やして
 ....
世界がきみを見放したと感じるときは
甘いカフェオレを飲んで横になっているといいよ
だれもそんな気分に風穴など開けられやしない
きみは自分が紙かなにかで出来た人形みたいに感 ....
死期に近づく夜がある、のさばって、蔓のように
暗闇に絡まるわが身を夢想しながら
古い漆喰の壁がこぼれる音を耳にするような夜が
チェコスロバキアで小型旅客機が墜落して日本人旅行 ....
朽ちた共同住宅の
一室に忍び込んで
凍えながら
急ぎ足の雲を眺めた
夕暮れのせいで
躍起になってるみたいに見えた
どんなことをして大人になった
どんなことをして大人になった? ....
ホロウ・シカエルボク(1191)
タイトル カテゴリ Point 日付
まぼろしの亡骸自由詩012/6/20 18:48
喀血するリリックの落ち窪んだベイビー自由詩2*12/6/17 1:32
饒舌する不在(それが伝言板ならどんな言葉も読み取れることはな ...自由詩5+*12/6/6 18:06
サマー・カニバル自由詩6*12/6/3 13:34
honesty自由詩2*12/5/27 22:49
なにもかも叩き壊された場所自由詩1*12/5/23 22:52
生きてるかぎり書けるもの自由詩9+*12/5/14 1:50
閉まるドアと開くドア自由詩6*12/5/5 3:18
フォーク・ソング自由詩3*12/5/4 22:29
But Not For Me自由詩4*12/5/3 1:33
すべては砂のようにそこら中にあって自由詩3+*12/5/2 2:59
誰にも決められることじゃない自由詩4+*12/4/27 0:22
弔う妄想自由詩6*12/4/24 0:28
詩亡遊戯自由詩1+*12/4/22 18:44
連続する増幅、扁桃腺の様な幻自由詩4*12/4/7 1:30
新しいシャツ自由詩3*12/4/4 12:07
連中自由詩2*12/3/28 21:08
ミッドナイト・プラス……?自由詩1*12/3/24 3:50
欠伸自由詩3*12/3/19 18:27
カウント2,99短歌2*12/3/17 1:41
エディ・コクランと冷たい指先自由詩4*12/3/16 22:35
1/2 A Loaf自由詩7*12/3/14 23:23
そのことは眠りの程度とはまるで関係が無い散文(批評 ...2*12/3/2 1:57
売春婦のバギナには意外と詩が沁み込む自由詩4+*12/2/9 0:40
更地を転がれブルートレイン自由詩1*12/2/4 18:40
街のにおいを少しだけ嗅ぐ散文(批評 ...1*12/2/2 21:58
アンダートーン自由詩2*12/1/29 22:16
夢の中の硝煙の臭いが、ときどき鼻をつくことがある自由詩3*12/1/25 22:31
死期に近づく夜自由詩4*12/1/15 23:58
どんなことをして大人になった?自由詩8*12/1/10 21:20

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