じくじくと混濁した記憶の僻地を彷徨いながら、砂地に染み込む汗の色はすべて昨日だ、それを砂漠と言うのなら多分そうなのだろう、均等に塗り潰した空白の羅列だ、歩き続けた膝は震えていた、疲 .... 降りしだく夜など
しのぐ傘はなく
暗闇にずぶ濡れて
たましいが真黒だ
蓋をされた井戸の底だ
崩落した坑道の中だ


古臭く言えば
丑三つ時というあたり ....
跳ねた
跳ねた
異形の粒が
跳ねた
跳ねた
ご機嫌そうに


肩車して
昨日の死体
明日の腐乱を
拝ませてやれ
ハイヨー

 ....
ぼくら、たがいに言葉もなく
薄っすらと曇った空のした
だだっ広い荒野を切り裂くような
一本の道を歩き続けた
おんぼろの靴がいつまでもつかと心配だったけど
気にしたとこ ....
いつかすべての花が閉じるときに
できることならそれは夜明けがいい
未定の連鎖を勝手に感じさせる
できることならそれは夜明けがいい


かすみ草の花束のなかに
 ....
排水パイプの中で沈殿した昨日が嫌なにおいを立てる生温い春の、腐った血液のような時間の行進だ、おれは目玉をぐるぐると回しながらなんとか収まりのいいチャンネルを見つけようとして夜明け前から躍起 .... 恋人たちが爆死するサマー・ボリディ、灯台から灯台へと渡されたタイト・ロープの上で呑み過ぎた予言者が呂律の回らぬ口を開く…「そこら中が地雷原だ」と。フルーツ・フレーバーの歯磨き粉はセサミ・ス .... 血の海に、沈み
まといつく生体という粘りを
掻いて
己の意味を知る
人が嘘をつくようになったのは
言葉と、血を
切り離したせい


息を継ぐたびに
錆の味がする
生温かさは
 ....
お前の脳天に沈み込んだ金槌の先端はゲラゲラ
真っ黒な鉄なのに真っ赤になって恥しがってゲラゲラ
色白な可愛い娘だったのにグチャグチャになってゲラゲラ


あれは年表に載せるほどのことも ....
狂ったようにいくつもの音が頭の中で鳴り響く、魚眼レンズを覗いたように景色は不確かだ、俺はゆがみのみで現実を把握しながら、真っ直ぐに歩こうと今生に根差している、靴底が踏みしめる地面は誰かの血で赤 .... 短い眠りのあとで生まれる叫びのように、日常に根ざした狂った思考と実行、猛スピードで走り抜けるトンネルの内部のような…いくつのことを見落としていくつのことを留めることが出来たのかなん ....  

小さな世界のすべてが皮膚の上を滑り落ち床に僅かな痕跡を束の間残すころ狂気を孕んだ桑の実は庭で機会を逃していた、幼子の泣き声は無くてもいいもののように思えそれでも、鬱血した母親は張った乳房を晒 ....
死を浮かべる白昼、路上の血液の跡、くびれた花が乾涸びてる、どこかの店の配電盤の下―有線放送が聞こえてくる、誰も演奏していないリズム、自動販売機ではひっきりなしに、誰かが殴られてるみたいな音を立てて .... 脳髄の軋むリズムが鼓動とリンクするので、心中に欠陥があるのだと気づいた朝早く、曇りがちな空に君臨する鴉は、街のずっと向こう、やってくる朝日を誰よりも早く眺めていた…ベルトコンベアーに乗っかっている .... とりとめもないものは
落葉に埋れたもう書けなくなった詩人の詩
ズタズタになった絵描きの指
潰れた歌うたいの肺
断裂した走者の腱


バルコニーに
数日前に行方知れず ....
おまえの憤りを愛せよ
おまえの憤りを愛せよ
路地裏に放置された
何十年も前の三輪車みたいな
おまえの憤りを
観念的な錆には痒みを覚えるだろう
みんなそうして憎しみを忘れまい ....
くたくたに疲れているのに、眠りはなかなか君の部屋を訪れてはくれない。一日中凍え、平坦なオシログラフのようなイデオロギーのなかで木偶人形ごっこをし続けて、おまけにいま窓の外では辛気臭い雨が錆びたトタン壁 .... 確かな思いがあるわけじゃなかった
行きたい場所などとくべつなかった
ぼくがそれをやりたいわけは
ぼくがそれをやりたいわけは


教会の階段に座って、ブルース・ハープを吹いて ....
優しい乖離を抱きしめている空白の午前、見開いた眼の充血はすでに失われたかけがえのないものに照準を合わせ、ショート気味の脳細胞が認識するものは片手で足りる理由だけだった、窓の外には希望を .... 午前零時の開幕のベルは
眠りについた歌声を呼び起こした
まっさらで直撃なエコー
それは肉体が要らなくなったせい


5ピースのバンドと
クラッカーのビートに乗りながら
 ....
右から左へと内耳を駆け抜ける人間的なハムノイズ脳下垂体の隙間に詰め込んで昇天の妄想、暗証コード知らされぬままの包装紙の中の暗闇で息を詰めている瞬間的に選択されなかった反応の悪い .... 狂騒が染み込んだ脳髄の記憶の配列は
鬱蒼とした森の中で覗く太陽に似て
俺は猛毒を含んだように忙しない
新しい何事かをこうして記そうとする度に
滑落した昨日が執拗に裁断されて ....
牙を剥いた真夜中が俺の脳髄に噛みついて、裂傷のような夢ばかりが繰り返される、血を吐き、枕にしがみつき、気がふれる一歩手前、予感と結果が刺し合い、あらゆる思考が血まみれ、血まみれ、血まみれの .... ナイフをしのばせろ、もう、愛こそはすべて、うしなわれてしまった
だれもがおまえを殺そうと目論んでる、もし、少しでもあやしげな素振りを見せたら、先手必勝、迷いなく殺っちまえ、警戒する必要もな ....
生きる理由を探していたら歳を食った
疑問符にこだわっていたら嘘に取り巻かれた
嵐のような風が吹く12月をあてどなく彷徨い
街の外れにたどり着いたら張り詰めた空だけがあっ ....
真夜中にまぎれて忍び込む虫どもが頭蓋をくり貫いて脳膜を啜り上げる、夜に棲む奴等にはこの上なく美味なのさ、俺がそこにしまいこんでいるものの湿度は…ずるる、ずるると、小さな身体で懸命に奴等は啜 .... 叫ぶことには理由はつけられない、それが真理に近ければ近い分だけ構造は複雑化していく、考えちゃいけない、頭で何とかしようなんて思っちゃいけない、そんな思案をしている間に果てしない遠くまで離れ .... 何度か
反響して
その後
ピアニシモで
消えた
短い言葉
爪先が弾いた
小石のようだった


リコシェ
アルデンテを
やたらとウリにしてる
リストランテの ....
深遠は時を弾丸に変えて、一秒ごとに撃ち込んでくる、そのたびに俺の肉体には風穴が開いて、末端からちぎれそうになってだらしなくぶら下がる、経路を断たれた血はぼたぼたと連弾のように床に落ちてまるでイ ....  それはたしかあたしがまだ一五だか六のころで、だけどそれが記憶としてほんとにただしいのかなんてまるで自信なんかないんだけど、とにかくその頃。街の外れの、ファンタズムっていう名前のバーだったわ。半地 ....
ホロウ・シカエルボク(1217)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩014/5/10 12:50
冷たい血のささやき自由詩2*14/5/10 3:16
スコールの、始まりのよに自由詩0*14/5/7 12:22
On The Road Again ( new classi ...自由詩2*14/4/30 18:42
赤い血だ、へんなの自由詩4*14/4/26 2:43
Gass(中毒なんて視点で語るならたぶん)自由詩1*14/4/21 21:47
かくも愛すべき水底の。自由詩014/4/7 22:28
血人(ちびと)自由詩1*14/4/5 21:55
Blood Blood Blood自由詩2+*14/4/2 23:47
俺の今生という名の道標自由詩0*14/3/30 23:49
けたたましい静寂の始まり自由詩1*14/3/17 22:34
楽園の鳥たち自由詩2*14/3/15 11:32
すべてと擦れ違う自由詩1*14/3/2 18:24
鴉は生産工程を嗤う自由詩014/2/26 22:43
とりとめもないものは自由詩3*14/2/23 16:27
真夜中、殺意のレコード自由詩2*14/2/20 23:01
レム≠ロム自由詩1*14/2/14 7:50
ぼくがそれをやりたいわけは自由詩2*14/2/13 0:48
産まれた理由は還るべきところへ向かう自由詩2*14/2/11 12:13
骨を抱く自由詩3*14/2/9 22:59
異教徒の無数の傷口には自らを断罪する理由が記されている自由詩014/2/3 0:32
そして最後に置かれた死のかたちは揺れるようにもがき続けるだろ ...自由詩2*14/1/26 22:06
殺しに至る感情のライン (Circle)自由詩2*14/1/19 21:44
ナイフをしのばせろ自由詩1*14/1/13 16:00
ストレンジャー・ザン・サイレンス自由詩8*13/12/12 23:56
おいでよ、虫食いの予感 (かしゃ、かしゃ、ずるる)自由詩2*13/12/4 1:51
高速回転は余計なものを弾き飛ばしていく自由詩3*13/11/25 0:54
効率が悪い自由詩2*13/11/17 9:38
棺の蓋にはラッカースプレーでこう書いてくれ、「出来る限りの速 ...自由詩1*13/11/15 1:42
思い出の痛みは嘘になる散文(批評 ...1*13/11/2 22:51

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