この会は、つれづれなるままに、心にうつりゆくよしなしごとを、
いにしへの言葉にて、そこはかとなく書き集ふものなり。

[守りごと]
・投げ入る文は、いにしへの言葉のみぞ用ゐる。
 いにしへの ....
高度文明
交差点の真ん中で一人の男が倒れた
風邪などによる体調不良ではなく
とりわけ身体に障害をもっていたわけでもなかった
彼は早い段階から
交差点に一台の車が走ってくるのに気がついていた
 ....
豊かさの中で
ぼくたちは泣いている

ほしいと思ったものが
いつでも手に入るから
いつでも捨ててしまう

持つべきものがなくとも
誰かが持ってきてくれる

便利さだけでは
豊かに ....
太陽が沈んでゆく
そこが西の空だ
そして今日は下弦の月
だからすぐには
月を見ることができない
真夜中までじっと待て
そうしたら
太陽が沈んだ反対側を見ろ

今日の理科で習ったばかり ....
今あなたが食べた
その秋の実は
一年に一度しか実がならない
そんな生き物なのです
人の一生の中では
わずか五十回くらいしか
作ることができません

この秋の実ができるまでに
冷たい風 ....
晴れた日に
テレビゲームをしていたら
外で遊べと言われ
公園でサッカーをしていたら
ボール遊びはするなと言われ
自転車で探検に出かけたら
行き先を必ず言えと言われる

ぼくたちの遊びを ....
君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて

はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
標識は目的地を見失った
曲がり角や道路が増え
地名が変わり
自分の指している方向が
正確な方向なのか
その道が近道なのか
遠回りなのかさえ
わからなくなってしまった
標識の近くには
 ....
「家族の通話は無料です」
携帯電話会社が前面に出したキャッチコピー
広告は時代に敏感で
なおかつ時代を創り出す

家族通話無料の時代がやってきた
そうでもしなければ
家族の会話が弾まない ....
夏祭りが終わった
その次の日の朝
不思議な世界だったこの公園は
いつもの公園を
たた狭くしているだけの
小さな空間でしかなかった
組み立てられていた木材が
リズムよく折りたたまれてゆく
 ....
水を注いだグラスの中を
過去の思い出が通り過ぎてゆく

時には努力の思い出
汗を流している友の顔が
楕円に大きくなってゆく
大したことではなかったことが
大きな喜びだった

時には恋 ....
平たい大きな雲が
冷たい空気の上に寝そべって
暖かい空気をかぶったまま
空を旅してる

いろんな場所を見られるように
頭がたくさんあって
世界を西から東へ
ぷかぷか旅してる

ぼく ....
涙が流れて色になる

どんなことであれ
何か一つのことができるまで
寒くて凍えそうになっても
暑くて動けなくなりかけても
泣くことを我慢して
ようやく成し遂げる
その時になって
自然 ....
生き方求めて旅に出て
遥か遠くへ身を運ぶ
景色風情に感ずるも
心の穴はふさがらず
彷徨い続け旅をする

場所から場所へ移る間に
夏の畑にただ一人
大汗落とす姿見て
ふと立ち止まるその ....
その種たちは
花を咲かせることができなかった
人間だけでなく
他の生き物の目に留まることなく
存在すら知られずに
消滅するしか道はなかった
生まれた時は
生きていこうとする意志と
花を ....
走り続けること
自らの体力の限界を知る
そして
自らの走り方と
これから生きてゆく走り方を
知ることになる

走り続けること
それによって
自らの限界を
勝手に決め付けていただけで ....
林の中の上り坂
豊かな緑の
新たに生まれる空気が
空につながっている

小川に沿った土の道
豊かな水の
新たに生まれる波が
海につながっている

暑さの中の涼しい風
豊かな夏の
 ....
夏の渓谷
そろりそろりと川の水へ
足を踏み入れる
心地よい冷たさが体の中へ
冷房の涼しさとは違う
透き通る水底には
兄弟なのか姉妹なのか
小魚が二匹泳いでる

夏の渓谷
どこから流 ....
漢字を書こう
一画ずつ正しい筆順で
口の部分は四角ではなく
顔の中にあるくちなんだ
きちんと三画で
○ではないんだ
それはその字に失礼だ
そもそもそれでは
その字の意味がわからない
 ....
夏は自分に耐えられなくなって
自分の体がどろどろと溶け始めていた
青い空が溶けてゆく
白い雲が溶けてゆく
清らな川の音が溶けてゆく
都会の道路はぐにゃぐにゃに曲がって
信号機が次々と倒れて ....
今の自分が
まだ今の歳の半分だった頃
今の年齢の人が
とても偉大に見えた

あれから
自分の歳が二倍になって
今の歳になったけれど
こんなものかとふと思う
なぜだろう

今の自分 ....
言葉が白くなる
その言葉はもともと
愛や夢だったのかもしれない
確かに今まであったものが
消えてゆく
忘却とともに
蓄積が始まってゆく
過去が現在へと結ばれる

言葉が白くなる
そ ....
彼は学校が嫌いだ
学校に行っても
何をしているのか
何をしたいのか
何一つとして理解できない
何をしても
面白いと思うことはない
だから
彼の子どもは
いつも夏休みになっている
そ ....
夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく

夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ

夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
どこにでも手に入る
いつでも目に入る
そんなモノに囲まれて
いつも当たり前だと思っている

けれども
それを作る工場は
最初はそれが何であるのか
さっぱりわからない

何も関係なさ ....
すじ雲が広がる空の中で
遠くの方で飛行機が弧を描く
ゆっくりと大きな旋回だった
夕陽に反射する銀色が
勇ましかった

飛行機は目的地に向かうための
方向を変えるというよりも
今の空をす ....
祭の金魚すくいで義理でもらった
間に合わせの小さな薄いビニール袋に
入れられた時から
すでに水がこぼれていた
それでもそこから漏れてくる水を
押さえながら
そろりそろりと家に持ち帰る

 ....
高い空から照りつける
強い陽射しがじりじりと
焦がれた土は風の手に
夏の匂いと蜃気楼

細い川から流れ出す
静かな音でさらさらと
潤う水は風の手に
夏の匂いと糸トンボ

小さな店に ....
夏から手紙が来た

 こっちはもう夏だぞ

ここだって夏なんだよ
手紙に向かって言い返す

 今年も広い夏になっているぞ

そういえば都会の夏は狭苦しい

 こっちにくる時は
 ....
その日の夏が始まる
トンボが空をすいすいと
気持ちよさ気に飛んでいる
空は泳げることを
初めて知った
昨日も見たというのに

その日の夏が折り返す
繁る木々の葉がさわさわと
軽いリズ ....
人は
一人では孤独にはなれない

もし人間が
最初から自分だけだとしたら
孤独という感情が生まれることは
ないのだろう

孤独になれるのは
多くの他人の鼓動と呼吸とを
ぶつけあい
 ....
ぽえむ君(1035)
タイトル カテゴリ Point 日付
会議室スレッド
☆現代詩フォーラム古典部☆会議室14/5/27 14:30
文書グループ
古語の宴文書グループ07/7/13
古典詩ほうらむ文書グループ07/5/23
アニメポエム文書グループ07/3/3
4コマポエム文書グループ06/11/24
投稿作品
高度文明自由詩5*09/9/3 0:48
豊かさの中で自由詩18*07/12/1 21:12
初めて宇宙を見た夜自由詩17*07/9/4 13:34
秋の実自由詩9*07/9/3 13:36
大人たちの遊び自由詩9*07/9/1 10:55
君の夏の中に自由詩13*07/8/29 20:09
迷子になった標識自由詩3*07/8/28 21:02
家族通話無料の時代自由詩4*07/8/27 21:10
夏祭り自由詩6*07/8/26 22:14
グラスの中の過去自由詩3*07/8/24 21:33
雲のシッポ自由詩4*07/8/23 21:05
涙が流れて色になる自由詩12*07/8/22 20:31
旅情自由詩3*07/8/21 21:26
花になれなかった種たち自由詩2*07/8/20 22:59
走り続けること自由詩2*07/8/19 22:09
豊かな夏自由詩4*07/8/18 22:50
夏の渓谷自由詩5*07/8/17 20:59
漢字を書こう自由詩2*07/8/14 22:30
夏が溶けてゆく自由詩4*07/8/13 21:38
半分の歳の頃自由詩3*07/8/12 22:27
言葉が白くなる自由詩11*07/8/11 22:54
学校に行きたくない自由詩0*07/8/10 22:46
夕陽が呼吸する[group]自由詩15*07/8/9 21:09
不思議な日常自由詩6*07/8/8 20:18
空を旋回する自由詩6*07/8/7 20:16
祭の金魚自由詩5*07/8/6 23:15
夏の匂い自由詩11*07/8/5 21:46
夏からの手紙自由詩6*07/8/4 22:42
昨日も見たというのに自由詩16*07/8/3 22:00
孤独の物語自由詩10*07/8/2 20:24

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