その社会は
そこに住む人たちを
豊かな生活をさせるために
必要以上のモノを作り
必要以上のモノを買わせ
必要以上のモノを捨てさせ
常に不足への不安と
新しいモノへの欲求を
同時に進行さ ....
苦しいとき
なぜか
いつも上り坂があった
何でこんなときにと
腹が立ったけれど
その坂を上らなければ
目的の場所には行けないので
上るしかなかった

上り始めると
思っていたよりは ....
この地球には
捨てるものなど
何一つとしてありません
あなたたち動物の排泄物も
やがては花となり
実となるのです

まだ使えるものなのに
物を捨てさせなければ
物を作り出せない
そ ....
人には見えて
自分には見えないもの
それは
自分の幸せなのかもしれない

自分では
不幸なことが多いと思うけど
人から見れば
幸せの方が多いらしい

いつも困ったことばかりだから
 ....
ふうと一息
空に向かって
シャボン玉が膨らんでゆく

光に照らされて
青くなり
赤くなり
くるくる回る

たくさん飛ばして
気づけば
シャボン玉の空

地上では
アジサイが ....

森には緑が生い茂る
その中のたった一枚の葉
その葉がなくとも
森は揺るぎないだろう
でも
その一枚の葉が
一枚の葉になるまで
どれだけ過程があるのだろう
その一枚にも
命が通っ ....
基本となる本体が手に入れば
いろいろなオプションがついてくる
たくさんの機能を身につけて
それだけあれば一日の生活は
事足りた
むしろオプションなしでは
生きてはゆけない

ある日
 ....
各駅停車しか停まらない
その駅のベンチに
ふと置かれた本が一冊
鞄に入れたつもりが
入らなかったのだろう

風でページがはらはらと
少しだけ浮き上がる
どこか心地よさそう

急行列 ....
時代が進み
同時に技術も進歩した
ある日
割れないガラスが作られた
高いところから落としても
ハンマーで強く叩いても
割れることはなかった
値段も普通のガラスよりも安く
大量に生産する ....
いつも駅まで歩く道
朝が早いので
その店はまだ閉まっている
どうやら花屋らしい
けれども
見るのは灰色のシャッターだけ

盲目的に一日を働いた
マニュアル通りに忠実に
終わりのない繰 ....
満員電車の中のつり革を
片腕を伸ばしたまま
必死になって握り締め
このつり革は自分ものだと
態度で主張する
そんなわずかな場所が
そんなに欲しいのかい
数分後にはみんな降りてしまうよ
 ....
駅までは歩いて十数分
雨の日は五分も待てばバスが来る
車と人の道も分けられて
目的地までは
黙ってまっすぐ進めばよい

この道は
多くの人のために作られた
そしてこの道には
多くの人 ....
山を見ろ
何かが聞こえてくるだろ
それが
ヤマトの歌だ

海を見ろ
何かが動いているだろ
それが
ヤマトの踊りだ

ヤマトは
自然という言葉を知らない
なぜならば
自然そのも ....
ぎらぎらとした太陽の光を
何も遮るものもなく
そのまま受けながら
アスファルトの道を
ひたすらと歩き続ける
たらたらと頭から汗が落ち
体がべとべとする
道からはむらむらとした熱が
浮き ....
一秒
このわずか一秒の間に
地球の中で
数えきれないほどの電子が移動する
それが今という時代

今の時代には今の詩を
それでは
何が生まれるというのだろう
とてつもなく広く速い流れの ....
ある日の夏
空にできた波紋は
地上のあらゆるものを揺らした
緑豊かな森も
氷で覆われている山頂も
果てしなく続く海も
一日を必死で生き抜く動物も
せわしく生きる人間も
その波紋に包まれ ....
初めて通る道なのに
なぜだかどこか知っている

誰が通るか知らないけれど
笑顔はどこか懐かしい

ここはもしかすると
故郷なのかもしれない

ほんの短い道だけど
本当はものすごく長 ....
工事現場に置かれた
大きな平面板は
空に流れる白い雲を見ながら
あの雲のように
自由に流れたいと思った
平らに寝そべっている自分では
風に相手にされなかった
起き上がれば
風を跳ね返し ....
我が家に
最新型のテレビを入れてみた
だからといって
家族の会話が増えたわけではない
そもそも家族全員が
揃って家にいるときはない
増えたのは
番組録画の数だけだった

自分の付き合 ....
雨が降ってきた
そんな空にイライラしたのだろうか
家に置いてある
どうでもいいコップを
庭の真ん中においてみた
少しずつ
コップの中に水が溜まってくる
少しずつ
コップの中で雨が揺れて ....
笑う鳥を見たくて
空を見上げてみました
けれどもそこには
白い雲しかありませんでした

誰かが言っていました
笑う鳥は
うれしいときには鳴き
哀しいときに笑うのだと

だから
笑 ....
ホームランは打たなくていい
とにかく一塁ランナーを二塁へ
確実に送れ
自分が塁に出ようとは思うな
観客にかっこいいところを
見せようとは思うな
チームのために仕事しろ

このために
 ....
かつて昔
どんなことをするにせよ
不便な世の中では
一つのことを身につけるのに
長い努力を必要とした
そこには根気と忍耐があり
常に自分と向き合い
他人とのふれあいもあった
手放すこと ....
雨降る夏の若き葉に
雫結びて一つ落ち
下の葉受けてまた落ちる
その{ルビ音=ね}はまさに時のよう

雨降る夏の黒き地に
蛙這い出て一つ鳴き
雨水打たれまた当たる
その絵はまさに歌のよう ....
がんばろう
苦しんでいるのは
自分一人だけじゃないんだ
苦しいと言っているだけじゃ
一つも解決しないんだ
何かしなくちゃ
何も始まらないんだ

がんばろう
辛いと言いたいのは
自分 ....
ぼんやりとした夏の中で
ため息をつく
空気の動きは何も見えず
目の前にあるものが
ゆらゆらと揺れていて
今はただそこに
乾いた土が滲んでいる
見上げれば
青い空があるようだが
その色 ....
白にだって
暗い部分はあり
黒にだって
明るい部分もある

規格化された文字にだって
心があり
心が豊かな人にだって
画一もある

すべてのものは
動き
動き続け
変化し
 ....
乾いた土だらけの
広大な畑の中で
手を振る人がいる
呼ばれている人は
ずっと遥か先なのに
動きに反応して
手を振りかえしている
互いがこんなに離れても
どうしてわかるのだろう

ビ ....
自分の位置を確かめたいと思うとき
とても広い世界から始まって
少しずつ小さい場所に区切りながら
ようやくわずかな自分に辿りつく

自分の位置から世界を見たいと思うとき
わずかな自分から始ま ....
夏になると
土の倉庫から
たくさんの野菜を運び出し
ざるの中へと入れてゆく
気をつけていないと
すぐにいっぱいになる
山の水道で洗い流し
地下の水道で冷やす
この星の夏は
宇宙の台所 ....
ぽえむ君(1035)
タイトル カテゴリ Point 日付
豊かさの代償自由詩2*07/6/10 21:05
新しい自分がそこにある自由詩13*07/6/10 7:20
地球が捨てられてゆく自由詩11*07/6/9 19:13
人には見えて自由詩9*07/6/9 7:25
シャボン玉の空自由詩14*07/6/8 22:27
一枚の葉自由詩15*07/6/8 11:58
オプション自由詩8*07/6/7 22:39
忘れ物自由詩9*07/6/7 12:10
割れないガラス自由詩5*07/6/6 22:20
花屋のシャッター自由詩14*07/6/6 13:56
悲しい占領地自由詩26*07/6/5 22:52
都会の温かさ自由詩13*07/6/5 12:03
ヤマトの歌自由詩12*07/6/4 23:17
夏歩き自由詩21*07/6/4 13:21
今の時代には今の詩を自由詩10*07/6/3 22:24
空の波紋自由詩11*07/6/3 10:23
懐かしい道自由詩15*07/6/2 23:09
膨らむ板自由詩12*07/6/2 11:19
最新型の詩自由詩27*07/6/1 22:17
雨が揺れている自由詩16*07/6/1 11:28
笑う鳥自由詩8*07/5/31 22:36
2番バッター自由詩6*07/5/31 12:07
遠い努力自由詩9*07/5/30 22:29
雨降る夏の自由詩12*07/5/30 12:15
がんばろう自由詩6*07/5/29 22:45
ぼんやりとした夏自由詩14*07/5/29 13:46
月と太陽自由詩14*07/5/28 22:53
手を振る人自由詩12*07/5/28 12:39
自分の位置自由詩7*07/5/27 22:49
宇宙の台所自由詩8*07/5/27 14:26

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