初めて宇宙を見た夜
ぽえむ君

太陽が沈んでゆく
そこが西の空だ
そして今日は下弦の月
だからすぐには
月を見ることができない
真夜中までじっと待て
そうしたら
太陽が沈んだ反対側を見ろ

今日の理科で習ったばかりの知識
理解はしたけど半信半疑で聞いていた
そんな時間まで起きていられない
明日も学校があるし
しかも朝練だから早く寝ておきたい

なぜかどうしても眠れなかった
時計を見ればいい時間だ
外に出て空を眺めた
夜風が心地いい
東がどこだかわからない
けれども
本当に驚いた
月がちゃんと浮いている
習った通りの習った位置に
綺麗な半月が浮き出ている
そこが東であることを
初めて知った

いつも見慣れた場所なのに
いつも見慣れた月なのに
生まれて初めて月を見た
生まれて初めて宇宙を見た

ぼくは宇宙の中にいるんだな
ぼくは地球に立っているんだな


自由詩 初めて宇宙を見た夜 Copyright ぽえむ君 2007-09-04 13:34:05
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