そのころ、エインスベルを訪ねてきた者があった。
それは、誰あろう、ハザック・アザンであった。
「一体、わたしに何の用か。
祭祀クーラスとは、すでに縁が切れているのであろう?」
「さすが ....
しかし、そこには因縁が生じた。
アイソニアの騎士と、エミル・アザルとの戦いである。
アースランテの千人隊長たちは、
こぞってアイソニアの騎士を褒めたたえた。
彼らにとっては、サンクト・ガリ ....
アイソニアの騎士は巧みにガイザ・ネハの視線を避けた。
これは、彼が一定の魔法の知識を身に付けていたことを意味する。
エミル・アザルは舌打ちする。
ガイザ・ネハを召喚できる時間には限りがあったので ....
ガイザ・ネハの目に射られた者は、狂戦士となる。
狂戦士、すなわちバーサーカーである。
己の理性を失った者たちは、周りにいるすべての者たちに、
攻撃をしかける。例え、それが味方であろうとも、敵であ ....
円を描いて、アイソニアの騎士とエミル・アザルは着地した。
砂埃が舞い上がる。それが一瞬の隙だった。
アイソニアの騎士は、エミル・アザルの目を攻撃する。
しかし、その勝敗は互角に終わった。
....
アイソニアの騎士と、エミル・アザルは、
空中で錐揉みしながら戦った。
アイソニアの騎士は長剣で、エミル・アザルは短剣で。
しかし、アイソニアの騎士の剣はなかなか一歩までとどかなかった。
エ ....
わずかばかりの魔法だが、アイソニアの騎士にも魔術が使えた。
いわく、「青白い光の魔法」「風雪の魔法」。
アイソニアの騎士は、普段それを頼りにすることがなかった。
しかし、エミル・アザルに対しては ....
サンクト・ガリはそのころ、炎の結界で街を守っていた。
それに対して、アースランテは風の結界で攻撃をしかける。
いずれにしても、両者が互いに屈することはなかった。
サンクト・ガリは、ラゴスのなかで ....
アイソニアの騎士は、ゾフィアスの剣を有していた。
それは以前にも述べたが、魔力を宿した魔剣である。
ゾフィアスの剣は、エミル・アザルの目をくらますのに、
うってつけであった。
ラゴスの兵は ....
そんな次第で、アースランテとラゴスの戦陣は切っておとされた。
まず、アースランテはラゴスの南の要塞都市である、
サンクト・ガリに攻めこむ。サンクト・ガリの守備兵は六千人。
それに対して、アースラ ....
「軍国ラゴスには、まず五人の千人隊長がおります。
その下には五万あまりの兵たちがおりますが、
その士気はそれほど高くはありません。
これは、小国に限った事柄であると言えましょう」
「 ....
ハッジズ・ア・ラ・ガランデは武勇に秀でていた。
それは聖騎士に任命されたアイソニアの騎士にも、
及ばないものだった。
アイソニアの騎士は、アースランテでいたく厚遇された。
「アイソニアの騎 ....
クシュリーと戦士エイソスの婚姻が行われていた、
ちょうどその頃、南の国では動乱が起ころうとしていた。
すなわち、アースランテの動きである。
アースランテは、いち早くファシブルの政変に反応した。
....
魔導士のなかには、国家に認められた正魔導士と、
そうではないものとがいる。すなわち、国家に忠実なるものが、
正魔導士で、そうではないものが野良の魔導士である。
エインスベルは後者の魔導士であった ....
クシュリーはそのころ、自らの出自を廃して、
貴族として取り立てられようとしてた。つまり、戦士エイソスの妻として。
戦士エイソスは、今ではクールラントの千人隊長である。
その妻であれば、しかるべき ....
「たしかに、エインスベルはレ・スペラスとの戦いで功をなしました。
しかし、それが本当に私情を廃してのことだったでしょうか。
エインスベルは、己の私益のために戦ったのではないですか?
それは ....
クシュリーと戦士エイソスの婚礼が行われていたころ、
魔導士エインスベルは微妙な立場に置かれていた。
すなわち、彼女こそがクールラントに様々な災厄を
もたらした者として、糾弾されつつあったのである ....
困ったのは、もちろんクールラントの奴隷商人たちである。
彼らは、奴隷という身分があることを理解できなくなった。
そして、自らの商売を続けることをも、
「奴隷とは、はたして何だ?」というのが、彼ら ....
「それでは、お前の魔法とは祝福であると言うのだな?」
「はい。わたしは神々に祈りを捧げるだけです。
そして、人々をどう扱うのかは、神々が知るだけです」
それが、戦士エイソスとクシュリーの会話だ ....
今、この時をもってしても、
魔導士エインスベルとクシュリーとを比較する声がある。
しかし、その意見は筋違いであると言えるだろう。
というのは、エインスベルが駆使するのが魔導であったのに対して、
....
戦士エイソスは、精神の球を持って、
クシュリー・クリスティナの元へと赴いた。
「この球をもって、彼女は何をするのであろうか?」
戦士エイソスには一つの疑問があった。
クシュリー・クリスティ ....
ヤゴンの竜は、その時一頭であった。
すなわち、その他の竜はあらかじめ退治されていたのである。
しかし、どうしても人々には倒せない一体がいた。
それに向かって、今戦士エイソスは挑もうとしている。
....
戦士エイソスは一人でヤゴンの竜の元へと向かった。
そこには、クシュリー・クリスティナとの盟約があったのである。
「もし、あなたがお一人でヤゴンの竜を倒すことがあれば、
わたしはあたなに娶られま ....
戦士エイソスは一人でヤゴンの竜に立ち向かおうとしていた。
これが、自分に課せられた使命の一つだと思っていたのである。
何よりも、ヤゴンの竜を倒さなければ、クシュリーの愛情が得られない。
戦士エイ ....
ここで、クシュリー・クリスティナの話をしよう。
クシュリー・クリスティナは、戦士エイソスの想い人である。
クシュリー・クリスティナは、はじめカラスガラの街で、
奴隷として売られていた。
そ ....
「あの炎の柱は何だったのだ?」エインスベルは問う。
それに対して、盗賊ヨランは答えた。
「あれは、天界と地界とを結び付ける柱です。
おそらくエランドルは、幽冥界のどこかにいるのでしょう」
....
「お前はこの現世を滅ぼす、エインスベルよ」恐ろしい声が再び言った。
「お前が何者であろうとも、わたしはお前に与することはない」
エインスベルは果敢に答えた。その傍らで、
盗賊ヨランは言ったのだっ ....
その時、盗賊ヨランが眠りから起き出してきた。
エインスベルの危険を察知したのである。
「我が名はエランドル・エゴリス」
その厳かな声は繰り返して言った。
「エインスベル様、ここは危険です。 ....
「実はわたしは、エランドル・エゴリスと会ったことがあるのです」
そのエインスベルの言葉は、予想外のことだった。
わたしは言う、「まさか。エランドルは三千前に死んだはずだ」
「しかし、わたしは確信 ....
「ガラセラの樹は聖霊タパスと密接な関係にある」
わたしは言った。
「聖霊タパスとは、何人たりとも触れてはならない者なのだ」
「それまでの事情は心得ております」
エインスベルは顔色を変えず ....
朧月夜
(923)
タイトル
カテゴリ
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日付
来訪者(一)
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自由詩
1*
22/3/25 22:41
アースランテ対ラゴス(九)
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自由詩
2*
22/3/6 22:19
アースランテ対ラゴス(八)
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自由詩
1*
22/3/6 22:18
アースランテ対ラゴス(七)
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自由詩
1*
22/3/6 22:17
アースランテ対ラゴス(六)
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自由詩
1*
22/3/5 20:39
アースランテ対ラゴス(五)
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自由詩
1*
22/3/5 20:38
アースランテ対ラゴス(四)
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自由詩
1*
22/3/5 20:37
アースランテ対ラゴス(三)
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自由詩
1*
22/3/4 17:20
アースランテ対ラゴス(二)
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自由詩
1*
22/3/4 17:19
アースランテ対ラゴス(一)
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自由詩
1*
22/3/4 17:18
アースランテ国王とアイソニアの騎士(二)
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自由詩
1*
22/3/2 15:16
アースランテ国王とアイソニアの騎士(一)
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自由詩
1*
22/3/2 15:14
アースランテの動向
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自由詩
1*
22/2/23 16:23
魔導士と正魔導士
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自由詩
1*
22/2/23 16:22
クシュリーとエインスベル(三)
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自由詩
0
22/2/21 19:06
クシュリーとエインスベル(二)
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自由詩
0
22/2/21 19:04
クシュリーとエインスベル(一)
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自由詩
0
22/2/21 19:03
クシュリーと精神の球(四)
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自由詩
2*
22/2/20 18:50
クシュリーと精神の球(三)
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自由詩
1*
22/2/20 18:49
クシュリーと精神の球(二)
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自由詩
1*
22/2/19 17:20
クシュリーと精神の球(一)
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自由詩
1*
22/2/19 17:18
戦士エイソスとヤゴンの竜(三)
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自由詩
1*
22/2/18 17:15
戦士エイソスとヤゴンの竜(二)
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自由詩
1*
22/2/18 17:14
戦士エイソスとヤゴンの竜(一)
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自由詩
1*
22/2/18 17:12
クシュリー・クリスティナ
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自由詩
2*
22/2/15 7:23
炎の柱(三)
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自由詩
2*
22/2/11 10:49
炎の柱(二)
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自由詩
1*
22/2/11 10:48
炎の柱(一)
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自由詩
0*
22/2/11 5:16
オスファハンとエインスベル(四)
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自由詩
1*
22/2/10 9:38
オスファハンとエインスベル(三)
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