君はゾフィアスの剣について知っているか? いや知るまい。
ゾフィアスの剣は、アイソニアの騎士が常に身に付けている魔剣だった。
少しでも携帯者の力がなければ、すぐにでもその魂を食らってしまったのだ。 ....
エインスベルがわたしの元に入門したいと言ってきた時、
わたしはその理由に驚いた。
いわく、彼女は姉と母の仇を討ちたいと言うのだ。
そのような理由で駆使する魔法などない、わたしは言ってやりたかった ....
我が名はオスファハン。ヒスフェル聖国の正魔導士である。
しかし、今日語ることは我が事ではない。不詳の弟子、エインスベルに関することだ。
彼女は四〇歳を前にして、彼の地へと逝ってしまった。
師より ....
祭司クーラスの陰謀は、戦士エイソスにまで及んだ。
というより、戦士エイソスこそが、祭司クーラスの最後の標的だった。
すなわち、戦士エイソスにアイソニアの騎士を殺させるのである。
祭司クーラスは、 ....
祭司クーラスは、時折国王に報告を行っていた。
アイソニアの騎士について、魔導士エインスベルについて。
国王は、彼らが国に害を為すものかどうかを、判然とさせ得なかった。
利用出来る間は利用しよう、 ....
祭司クーラスは、アイソニアの騎士たちにとっては、影のような存在になった。
いつもどこかで、その目が彼らを見据えていた。
国王の加護があるとはいえ、祭司クーラスは不安だった。
アイソニアの騎士は、 ....
魔導士エインスベルと、アイソニアの騎士とは、
互いに無二の絆で愛し合っていた。
しかし、その床を共にしたことはない。
エインスベルは、どちらかと言えば男勝りの性格であったのである。

祭司ク ....
ここで{ルビ祭司=ドルイド}クーラスの話をしても、良いだろう。
クールラントの王は、アイソニアの騎士やエインスベルたちの活躍に、
難色を示していた。彼らがいつかはこの国を、
乗っ取ってしまうので ....
ルクソスの街の反徒たちは、オークの兵たちの支援を待っていた。
いつか、彼らが自分たちを助けに来ると。
しかし、レ・スペラスのオークの兵たちは、
わずか五十名ほどが送られてきたに過ぎない。

 ....
クールラントの歴史のなかで、もっとも厄介だった出来事の一つが、
ルクソスの街の反乱である。
ルクソスの街の反徒たちは、オークの国レ・スペラスの後援を受けていた。
そして、自分たちこそがクールラン ....
カーガリンデの土地では、
エインスベルが結界を張って街を守っていた。
そこにはもちろん、アイソニアの騎士の姿もあった。
エインスベルの張る結界は特別なもので、誰にでも作り出せるものではなかった。 ....
この地ヨースマルテには、エインスベルのグループと同じほどの、
武勇を兼ね備えた集団がいくつもあった。
その一つが、ラディアの街の黒色槍兵団である。
ラディアの街とは、もちろん軍国ラゴスの都のこと ....
おお、生命よ、おお、死よ。
お前たちは一続きの存在であるのか。
わたしたちが四つの天国、あるいは四つの地獄に向かうとき、
わたしたちは生命という糸を手放すのだろうか。

そして、死はわたした ....
七十体の竜は三十体にまで減った。
そして、三十体の竜は十五体にまで減った。
そのころ、戦士エイソスの手勢は五十人にまで減っていたが、
竜たちを滅ぼすのは、時間の問題であろうと思われた。

し ....
しかし、戦士エイソスとその手勢だけでは、
すべての竜を屠るのは無理であろうと思われた。
それゆえに、戦士エイソスは無二の友である、
アイソニアの騎士の手を借りることにしたのだった。

アイソ ....
聞け、これはアイソニアの騎士が生きていたころの話、
すなわち彼が生を受け、そして死する前の話だ。
しかし聞け、これは戦士エイソスが関わっていたからこそ、
伝わっている話でもあるのだ。

その ....
この地、ヨースマルテには、四つの天国と四つの地獄がある。
四つの天国とは、ノエルク、ロンデル、ヤーハン、ポランのこと。
四つの地獄とは、モスヴァル、ベイジャン、シボルト、エイジェスのこと。
いず ....
おお、カーガリンデ。美しく気高いカーガリンデの街よ。
カーガリンデの街は、アドスの平原より続く、
ガイエス河の河口にある。
それはアディアの海に面して、良好な貿易港となっている。

カーガリ ....
かの名高きカーガリンデの魔女、エインスベルよ。
その出自は謎に包まれている。
彼女を養い、育てたのは高名な魔導士、オスファハンである。
オスファハンはエインスベルの育ての親にして、最高の師匠だっ ....
戦士エイソスの出自は比較的はっきりとしている。
その祖先は、ラゴスよりもさらに南の国、アースランテの貴族だった。
ある時、アースランテはクールラントの地に侵攻した。
それ以来、アースランテの貴族 ....
「アイソニアの騎士よ、お前は何のために戦うのか?」
吟遊詩人は歌う。
「それは名誉のためか? 金のためか? 信義のためか?
 どれも違うようだ。では、憐憫のためか? 友情のためか? 愛情のためか ....
アイソニアの騎士たちは、リーガンテの街をも救ったことがある。
リーガンテとは、クールラントの南西にある、商業都市国家である。
リーガンテは長年の間、南の国ラゴスと戦っていた。
その城壁は見上げる ....
ガラセラの樹を目に見えるようにするためには、
まずはそれを囲む魔物たちを退治する必要がある。
なぜなら、ガラセラの樹は生命の呪いの欠片を元にして、
結界を生むものであるからだ。

その高さは ....
氷の土地クールラントと、炎の土地ラゴスとの間には、
ベル=ダッジアの住む{ルビ邑=むら}がある。
ベル=ダッジアとは小人族の一種で、背中に羽根を持つ種族である。
それがために、奴隷商人の恰好の商 ....
 奇妙な縁があって、X JAPANやミレーヌ・ファルメール、マリリン・マンソンらの音楽を聴きなおしてみています。そして思うのは、彼らの創作する作品というものは、今ではすでに過去の再構築だけを目指してい ....  このごろ考えていることに、「概念とはグラデーション的な実在ではないのか」というテーマがあります。世の中を科学によって見る物の見方は、遠く過去にはギリシア文明の時代、いいえ、それよりもずっと遠い過去か ....  病院のなかでの自分の定位置というものを決めることは難しい。けれども面白い。制約のなかで何かが生まれる。制約がないのであれば、作ればいい。自由がないのであれば、それを作ればいいのと同じように。制約がな .... 戦士エイソスは、最初は密偵として、
アイソニアの騎士の元に遣わされた。
というのは、アイソニアの騎士が善なる者か、悪なる者か、
元老院の長老どもには分からなかったためである。

アイソニアの ....
戦士エイソスは、クールラントの東の外れにある、
ディペルスの街の出身だった。
その出自は高名な貴族の家系で、
とくに剣と弓矢の扱いに秀でていた。

しかし、アイソニアの騎士がエインスベルや盗 ....
英雄の生を語るには、その死をもって始めなければならない。
なぜなら、死こそが人間の生き様の帰結点なのだから。
アイソニアの騎士のような男にとっては、なおのことだ。
なぜなら、その生は謎に包まれた ....
おぼろん(879)
タイトル カテゴリ Point 日付
ゾフィアスの剣[group]自由詩1*21/12/28 8:59
オスファハンの独語(二)[group]自由詩1*21/12/28 8:58
オスファハンの独語(一)[group]自由詩1*21/12/28 8:57
祭司クーラス(五)[group]自由詩2*21/12/27 8:33
祭司クーラス(四)[group]自由詩1*21/12/27 8:32
祭司クーラス(三)[group]自由詩2*21/12/26 6:12
祭司クーラス(二)[group]自由詩1*21/12/26 6:10
祭司クーラス(一)[group]自由詩1*21/12/26 6:08
ルクソスの反乱(二)[group]自由詩1*21/12/24 13:26
ルクソスの反乱(一)[group]自由詩1*21/12/24 13:25
ラディアの黒色槍兵団(二)[group]自由詩1*21/12/23 9:26
ラディアの黒色槍兵団(一)[group]自由詩1*21/12/23 9:24
生命と死[group]自由詩2*21/12/23 9:23
アドスの竜退治(三)[group]自由詩2*21/12/20 12:08
アドスの竜退治(二)[group]自由詩1*21/12/20 12:08
アドスの竜退治(一)[group]自由詩1*21/12/20 12:07
天国と地獄[group]自由詩6*21/12/16 5:41
カーガリンデの歌[group]自由詩3*21/12/16 5:37
エインスベルの出自[group]自由詩2*21/12/11 10:21
エイソスの系譜[group]自由詩1*21/12/11 10:19
何のための戦いか?[group]自由詩1*21/12/11 10:18
リーガンテの戦い[group]自由詩1*21/12/10 1:25
ガラセラの樹[group]自由詩1*21/12/10 1:24
ベル=ダッジアの邑[group]自由詩1*21/12/10 1:23
ポピュラー・ミュージックは文学たり得るのか?散文(批評 ...4*21/12/5 1:53
概念とはグラデーション的な実在ではないのか?散文(批評 ...3*21/12/5 1:39
精神病院でのある一日散文(批評 ...4*21/12/5 1:14
戦士エイソスとアイソニアの騎士[group]自由詩1*21/12/3 23:21
戦士エイソス[group]自由詩1*21/12/3 23:20
英雄の死[group]自由詩1*21/12/3 23:19

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