エイスベルは、得意としている雷撃の呪文、ヨーラ・テルを放った。
十人の衛兵たちは、皆その場に崩れ落ちる。
しかし、この魔法も祭祀クーラスには通じなかった。
(クーラスは、あらゆる防御用の装身具を ....
「そう簡単に逃げおおせられるものかな? エインスベル」
祭祀クーラスは、マッチャ・フー・ガイリアの呪文を使った。
エインスベルの全身が光の縄で縛られ、捕縛されてしまう。
しかし、エインスベルの表 ....
エインスベルはまず、トライ・ガイエスの呪文を使って、
衛兵たちの動きを封じた。
その瞬間、エインスベルが懐に持っていた虹の魔法石が、
どくんと脈動する。エインスベルははっとした。

しかし、 ....
しかし、祭祀クーラスの反撃はそこから始まった。
まずは範囲魔法を解除する呪文を唱え、
エインスベルに騙されていた衛兵たちを再度味方につける。
その数は十名。二対十の戦いは圧倒的に有利に思われた。 ....
気もそぞろ、心もそぞろ。雪のひとひら、舞い落ちて、土に溶けるように。

オレンジの皮の厚さよ。ピールにして、紅茶にでも浮かべようか。

久しぶりに、のんびりしたいんだ。心のなかは嵐のようでも、 ....
「ご主人様、どうなさいましたか?」駆け付けた衛兵の一人が口を開いた。
「ここにいらっしゃる方々は、何者なのです?
 貴方を害そうとしているようには思えませんが……」
「何を言う。この者たちの敵意 ....
そこで、それまで黙っていた、リグナロスが口を開いた。
「祭祀クーラス殿。あなたは先日まで、暗殺者の手に狙われていたのですよ?」
それは意外な答えだったのかもしれず、祭祀クーラスは心持ち顔を青くした ....
祭祀クーラスは答える。
「オーバ・ニーチェか。あれは失敗だったかもしれない。
 まずは、祭祀会議を全権掌握するべきだった。
 しかし、今はもう戦争が始まってしまっている」

「この度の戦いは ....
「エインスベルよ、脱獄した感想というものは、どんなものだ?
 自由になった感想というのは?」嫌味でもなく、祭祀クーラスは尋ねた。
それに対してエインスベルは、「わたしは今自由ではない。
 わたし ....
祭祀クーラスは、館の南離れにある書斎にこもっていた。
執務室は中央棟にあり、面会などはここで済ませていた。
しかし、クーラスは今迷いのなかにいた。
エインスベルをどうするか、アイソニアの騎士をど ....
エインスベルは、その足で祭祀クーラスの邸宅へと赴いた。
もちろん、リグナロスとも同道のことである。
祭祀クーラス邸は、カラスガラの南地域にあった。
高い外壁で取り囲まれ、その広さは二百ヤロスほど ....
エインスベルは、王宮に入って来た時と同様に、
一人きりで宮殿の門を出た。
彼女がジギリスと会見出来たのには、ひとつの魔法が関係していた。
エルム・ネスト……自らを味方だと思わせる呪文である。
 ....
しかし、ジギリス・ア・アルヌーは慎重だった。
偽名を使ってとは言え、国王の宮殿に一人訪れるということは、
何らかの魔術を使ったと思われる。
クールラントの国務大臣であるカイゼル・アラーヌイに密か ....
「この度、余が汝と面会したことは、クーラスには内密に願いたい」
一連の会見を終えたジギリス・ア・アルヌーは、エインスベルに言った。
「それと、オーバ・ニーチェにもだ。余は、現在誰が味方なのか、
 ....
「それにはまず、アイソニアの騎士の所在を確認することです。
 アイソニアの騎士、そしてわたしも、この国では罪人の扱いです。
 まずは、アイソニアの騎士に恩赦を出してください」
「それは難しいな。 ....
「では、どうすれば良いのか?」とジギリスは尋ねた。
それに対して、エインスベルは敢然として答える。
「それには、貴方様が力をつけることです。
 祭祀会議を自らのものとするのです。そして、オーバ・ ....
「アイソニアの騎士は、将来の妻を誘拐されたのです。
 それには、祭祀クーラスが関わっております。彼の望むところは、
 このわたし、アイソニアの騎士、戦士エイソスを滅ぼすことです。
 クーラスは、 ....
エインスベルは、ジギリス・ア・アルヌーに直接の面会を申し込んだ。
それに対するジギリスの対応は、予想通り冷たいものだった。
「エインスベルよ、脱獄者よ。汝の罪は今でははっきりしている。
 この国 ....
その間、アイソニアの騎士とヨランからの連絡はなかった。
敵国(ヨランにとっては自国である)において活動する以上、
その行動には慎重を期さなくてはいけなかった。
それでも、エインスベルは彼らの活動 ....
エインスベルは、まずはオーバ・ニーチェに取り入ることから事を始めた。
戦士エイソスを、偽名をもってその組織に潜り込ませるのである。
戦士エイソスは、貴族である身分を偽って、オーバ・ニーチェに潜入し ....
戦士エイソスは、エインスベルの計略にもうすうす気付いてた。
「お前が何を考えているのか、俺には分かる。
 祭祀クーラスを抹殺するというのであろう?」と、エイソス。
「これはかつても言ったことだが ....
エインスベルは、まずイリアスの身を案じた。
彼女の身の安全を確保することは、
アイソニアの騎士を味方につけることにも通じる。
アイソニアの騎士の存在は、何よりも彼女の計略に不可欠だった。

 ....
エインスベルは世界の平和について考えていた。
しかし、自分が世界にとっての害悪である、という考えも分かる。
戦士エイソスは、祭祀クーラスは、そのことを懸念していた。
エインスベルは、あまりにも強 ....
「わたしは、イリアスが……いや、
 アイソニアの騎士が、幸福な未来を手に入れてほしいと思っている」
「わたしの妻、クシュリーは貴女に救われたが……
 アイソニアの騎士の事情は異なりましょう。彼は ....
「戦士エイソス、協力してほしいことがあるのだ」エインスベルが言った。
「貴女が腰を低くすることは珍しいことですね。
 何か、企図があるのですか?」と、エイソス。
「そうだ。祭祀クーラスを亡き者に ....
各国では、ドラゴンたちとの戦い。そして、ドラゴンを味方につけた、
{ルビ魔導士=ウィザム}たちによる、国と国同士の戦いが始まっていた。
まず、アースランテはファシブルの領土に踏み込んでいた。
ア ....
イリアスが誘拐されから、一か月半の時が経とうとしていた。
アイソニアの騎士、そしてヨランからの連絡はない。
エインスベルは、戦士エイソスの邸宅に身を隠しながら、
それでもイリアスの行方を探索して ....
ライランテ大陸では、各地でドラゴンたちと、兵士たちの戦いが
繰り広げられてた。そんななかエインスベルはその身を隠す。
祭祀クーラスは、これを絶好の機会と捉えていた。
アースランテ、ラゴス、ファシ ....
そのころ、エインスベルは一つの直感に捉われていた。
エランドルが、自分に執着を持っているのは分かる。
しかし、その思惑はアースレジェを幸福に導くものであろうか?
エインスベルは逡巡していた。
 ....
「ライランテは、いや、アースレジェは直(=じき)に大戦に突入するだろう。
 今回は、とくにヤーコンの動向も気にかけておかなければいけない」
聖王オアシムの予感が当たっていたか、そうでないかは、
 ....
おぼろん(879)
タイトル カテゴリ Point 日付
祭祀クーラスとエインスベル(十)[group]自由詩1*23/2/12 18:36
祭祀クーラスとエインスベル(九)[group]自由詩1*23/2/11 18:17
祭祀クーラスとエインスベル(八)[group]自由詩1*23/2/11 18:16
祭祀クーラスとエインスベル(七)[group]自由詩1*23/2/11 18:16
自由律短歌雑詠(2023年1月)短歌5*23/2/11 2:11
祭祀クーラスとエインスベル(六)[group]自由詩1*23/2/10 18:13
祭祀クーラスとエインスベル(五)[group]自由詩1*23/2/10 18:12
祭祀クーラスとエインスベル(四)[group]自由詩1*23/2/10 18:12
祭祀クーラスとエインスベル(三)[group]自由詩1*23/2/9 4:18
祭祀クーラスとエインスベル(二)[group]自由詩1*23/2/9 4:17
祭祀クーラスとエインスベル(一)[group]自由詩1*23/2/9 4:17
エインスベルの反逆(十八)[group]自由詩1*23/2/5 19:54
エインスベルの反逆(十七)[group]自由詩1*23/2/5 19:53
エインスベルの反逆(十六)[group]自由詩1*23/2/5 19:53
エインスベルの反逆(十五)[group]自由詩1*23/2/4 19:29
エインスベルの反逆(十四)[group]自由詩1*23/2/4 19:28
エインスベルの反逆(十三)[group]自由詩1*23/2/4 19:27
エインスベルの反逆(十二)[group]自由詩2*23/2/3 17:08
エインスベルの反逆(十一)[group]自由詩1*23/2/3 17:07
エインスベルの反逆(十)[group]自由詩1*23/2/3 17:06
エインスベルの反逆(九)[group]自由詩1*23/2/2 16:48
エインスベルの反逆(八)[group]自由詩1*23/2/2 16:47
エインスベルの反逆(七)[group]自由詩1*23/2/2 16:46
エインスベルの反逆(六)[group]自由詩1*23/2/1 3:45
エインスベルの反逆(五)[group]自由詩1*23/2/1 3:43
エインスベルの反逆(四)[group]自由詩1*23/2/1 3:43
エインスベルの反逆(三)[group]自由詩1*23/1/31 3:39
エインスベルの反逆(二)[group]自由詩1*23/1/31 3:38
エインスベルの反逆(一)[group]自由詩1*23/1/31 3:37
オスファハンの戸惑い(四)[group]自由詩2*23/1/27 23:20

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