悪い知らせが祭祀クーラスの元に飛び込んできた。
ヤーコンの諸国家群が、アースランテに与して参戦したというのである。
祭祀クーラスは、思わず手に握っていたコップを取り落とした。
(先の戦争は大陸の ....
それにしても気にかかるのは、軍国ラゴスの動向だった。
祭祀クーラスは、ひそかに密偵を派遣して、ラゴスの国情を探らせた。
それによると、ラゴスの王アウゼル・ローガンテは、
海外領土から軍隊を引き戻 ....
コイノス・ヤー・ガレンはエイエントスの王である。
ドワーフという屈強な、しかしどこか間抜けな民衆を率いている。
ライランテという一大陸にあって、ヤーコンの民たちはどこか不遇をかこっていた。
アー ....
ファシブル、アースランテ、ラゴス。そして、ヒスフェル聖国、
クールラント、レ・スペレラス。それそれの国の思惑は、
ことごとに異なっていた。それぞれの国々が、己が領土の発展を願う。
それは、どうし ....
クールラントの思惑は、それらとは微妙に異なっていた。
もちろん、そこには祭祀クーラスの思いが絡んでいる。
軍国ラゴス、ファシブルとともに、本来であれば
クールラントも足並みをそろえるべきだったろ ....
ヒスフェル聖国は、その強力な魔導によって、
ドラゴンたちを味方につけようとしていた。
しかし、アースランテの動向も気にかかかる。
オアシム・ラ・ハグールは、ライランテの行く末がこの戦争にかかって ....
軍国ラゴスの王、アウゼル・ローガンテは、静観の構えを貫いていた。
アースランテがファシブルに攻め込んだことは知っていた。
やがて、アースランテはその国力、軍力を回復するだろう、
そんな予測をアウ ....
アースランテの王、ハッジズは、
今やファシブルの国の半分をその手におさめようとしていた。
第二次ランランテ戦争が起こってから、二カ月あまりのことである。
「どうした、マリアノス。お前の力はそれだ ....
おわりに……人は何をもって詩を書くのか?


 この文章において二度、「批評は批評論である」と書いたように、批評とは一個の創作たらざるを得ないものです。批評とは、作者が同意するにせよ、し ....
第七章……そもそも詩とは?


 再び、秋の夜です。「〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂8)」」という詩を批評し終えて、わたしは少なからずほっとしています。この批評はリアルタイムに書き ....
第六章……詩との対決


 さて、ここまで書き進めてきて、読者諸氏はこの小論に何を見出したでしょうか? ひだかたけし氏の作品の卓越性でしょうか、あるいは詩というものの歴史的な側面でしょう ....
第五章 詩心の行方


 ここまでお読みくださった読者諸氏(とくに、その原典を当たってくださった方々)には、ひだかたけしという詩人の作品を読み解くことのスリル、そしてその詩心について、い ....
第四章 詩の価値とは?


 批評というものは、長ければ長いほど良いというわけではありません。わたしが、長めの批評を書くのは、ある対象について書くのに、一言では言い表せないものがあるから ....
第三章 交感ということ


 さて、それぞれの章に副題を付けながら、わたしはその本論から離れた論評だけを書いてきたように思います。言い訳を許してもらえるのであれば、それは氏の作品群があま ....
第二章 詩人の世俗性


 さて、このような副題をつけてしまいましたが、やはりわたしは迷うのです。というのは、このひだかたけしという詩人の作品には、ほとんど世俗性が見当たらないからです。 ....
第一章 主観と映像


  宏大な界が突然開ける

  視界右上奥に
  空の濃く暗らんだ青が微かな裏光りを帯び沈黙して在る

 これは、氏の最初期の詩である「VISION.0 ....
はじめに……時間について


 秋の夜長です。こんな夜には美味しいアップルティーでもほしい……と思うのは、贅沢なのでしょうね。というのは、わたしは今、一人の詩人の批評という仕事を任されて ....
「では、一つの情報があります。騎士様。わたしが、
 どこからこの情報を得てきたのか、ということはお問いになりませんことを。
 イリアス・ナディは、このカラスガラの北方にある、
 バルケスの塔とい ....
「わたしはてっきり、あなた様がアースランテへ残る理由として、
 イリアス様をでっちあげていらっしゃるのだと、思っていました。
 すなわち、クールラントへは傾がない理由として。
 わたしは、あ ....
「万が一……そんな期待が何になる。ヨランよ、
 クールラントには、我が国におけるような秘密の組織はないのか?
 例えればだが、ヒスフェル聖国におけるアーゼン・クラウトのようなものだが?」
「ござ ....
そのころ、アイソニアの騎士も、盗賊ヨランとともに、
イリアスの捜索を続けていた。
もう、イリアスが消息を絶ってから、二か月の時が過ぎようとしている。
アイソニアの騎士は焦慮した。それをなだめるヨ ....
戦士エイソスは舌打ちをした。ウルム・ルーランテの言うところも、
もっともなことだと納得しながら、それを突き崩せない、
己の無力を思ったのである。祭祀ウルム・ルーランテは、
やはり、知謀と術数にお ....
「安泰なものとなるでしょう」と、戦士エイソスは言った。
しかし、ウルム・ルーランテは懐疑的である。
一人の人間が表に立ったところで、政情や国是は変わるまい、
といった一般的な人の持つような、感想 ....
戦士エイソスは、エインスベルを何としても、国家の表舞台に立たせようとしていた。
エインスベルは影で行動する人物ではない。その魔導をもって、
国家を率いていかなければいけない立場、そして能力を持って ....
戦士エイソスは少なからず落胆した。この度の企図に、
エインスベルを取り込めれば申し分ないと、思っていたからである。
しかし、オーバ・ニーチェの反クラース側にとっても、
エインスベルは敵か味方が判 ....
「はっ。今この時にも、我が国の臣民はドラゴンたちと戦っております。
 しかし、それは他国も同じこと。どうしてこの時期に、
 ドラゴンたちが降臨したのか、どの国の政治家も分からずにいます。
 それ ....
「申し上げたいことがあります。それは、アースランテに関することです」
戦士エイソスが、話の口火を切って言った。
「アースランテは今、ファシブルの領土の四分の一を併合しました。
 このままでは、ア ....
そのころ、戦士エイソスは偽名を使って、オーバ・ニーチェに潜入していた。
彼が名乗ったのは、ハンザガリア・ユー・アリガルトという名である。
秘密機関であるオーバ・ニーチェでは、その会合の際、
誰も ....
「それはまるで、貴女様が受けた仕打ちを、
 そっくりそのまま祭祀クーラスに返すかのようですね?」
「それはそうかもしれない。なるべく穏便に済ませたいのだ。
 わたしは、必ずしも祭祀クーラスを殺す ....
リグナロスは、カラスガラの中央広場に転移させられていた。
突然現れた人影に、通行人たちも驚きの表情をする。
数分遅れて、エインスベルも彼の元へとやって来た。
「無事でしたか、エインスベル様……」 ....
おぼろん(879)
タイトル カテゴリ Point 日付
錯綜する思惑(八)[group]自由詩1*23/4/22 22:43
錯綜する思惑(七)[group]自由詩1*23/4/22 22:42
錯綜する思惑(六)[group]自由詩1*23/4/21 19:42
錯綜する思惑(五)[group]自由詩1*23/4/21 19:41
錯綜する思惑(四)[group]自由詩1*23/4/21 19:41
錯綜する思惑(三)[group]自由詩1*23/4/20 18:02
錯綜する思惑(二)[group]自由詩1*23/4/20 18:01
錯綜する思惑(一)[group]自由詩1*23/4/20 18:01
読むことのスリル──ひだかたけし小論(9)[group]散文(批評 ...3*23/3/24 6:53
読むことのスリル──ひだかたけし小論(8)[group]散文(批評 ...4*23/3/23 13:44
読むことのスリル──ひだかたけし小論(7)[group]散文(批評 ...3*23/3/23 13:44
読むことのスリル──ひだかたけし小論(6)[group]散文(批評 ...2*23/3/17 5:56
読むことのスリル──ひだかたけし小論(5)[group]散文(批評 ...2*23/3/17 5:55
読むことのスリル──ひだかたけし小論(4)[group]散文(批評 ...2*23/3/17 5:55
読むことのスリル──ひだかたけし小論(3)[group]散文(批評 ...3*23/3/16 4:38
読むことのスリル──ひだかたけし小論(2)[group]散文(批評 ...3*23/3/16 4:37
読むことのスリル──ひだかたけし小論(1)[group]散文(批評 ...4*23/3/16 4:36
アイソニアの騎士の焦慮(四)[group]自由詩5*23/2/22 21:54
アイソニアの騎士の焦慮(三)[group]自由詩2*23/2/22 21:53
アイソニアの騎士の焦慮(二)[group]自由詩1*23/2/22 21:52
アイソニアの騎士の焦慮(一)[group]自由詩2*23/2/21 18:03
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(七)[group]自由詩3+*23/2/21 18:02
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(六)[group]自由詩3*23/2/20 17:33
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(五)[group]自由詩2*23/2/20 17:32
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(四)[group]自由詩2*23/2/20 17:31
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(三)[group]自由詩2*23/2/19 17:30
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(二)[group]自由詩2*23/2/19 17:29
オーバ・ニーチェの戦士エイソス(一)[group]自由詩2*23/2/19 17:28
祭祀クーラスとエインスベル(十二)[group]自由詩2*23/2/12 18:38
祭祀クーラスとエインスベル(十一)[group]自由詩1*23/2/12 18:37

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