夢のなか昏い洞窟のしたたり落ちる水滴と
森の朝の露が合成されてぼくらは生まれた

やがて酒場のにぎやかで気怠いピアノの鍵盤を踏んで
自分が誰だか気づきはじめるか忘れ去ってしまうかの
どちらか ....
野良猫を飼っている
すごく矛盾しているのだけれど事実なので仕方がない

ある日ベランダに出ると
エアコンの室外機のうえに
猫が丸々とおさまっていた

冷蔵庫を漁るもめぼしいものがなく
 ....
こわいね
津波もこわいけど
ひとが

こわいね
一定量の空気を
うばいあうような
日々が

去年
母が逝った
でもまだ
郵便がくるんだ
転送されて

デパートの
スプリ ....
わたしから切り落とされた白い手が
向こうで手をふっていたのです

交差点にはひっきりなしに
びゅんびゅんと雲が行きかうものですから
どうしても渡るきっかけが
一歩を踏み出す勇気が
つかめ ....
空が3つあればね
1つくらい駄目でも構わないけど

音楽室は雨のコーラス
トライアングルを鳴らすと
乳頭があまく痺れた

先生はしょうのうの臭いがした
深くおじぎをするとポケット越しの ....
飛行機がなめらかにすべって往く
そう青くもない春の空
だだっ広くてなにもない
つかみどころのない空気の層を
真っすぐ切っているだけなのに
こんな遠くまで聞こえて来る


――あれは空気 ....
わたしが家事をしながら
ことばをちょこちょこ書いてるあいだ

きみは
外でるんるんはたらいて
手作りべんとうがつがつ食べる
うちに帰ればむしゃむしゃゴハン
つーんと薄荷のお風呂に入り
 ....
自ら水晶の橋を作り
強度を改めながら渡ってきた人よ
あなたは無数の種だった
あなたから芽生えた茎をたどって
農村の体躯は静かに満ちていった
水路を設計することは
あなたの現在に次々と構 ....
淋しくはないのかと言われたらそれは違う
けれど
祈るように胸のどこかへしまって
自分をも騙してみたい

そとは 三月になったばかりの夜で
淡淡と気配を隠しながら
いつかしら窓辺に白旗を残 ....
トランプさんが
叫んでいるよ

お前は来るな
あなたはおいで
お前はくずだ
あなたはすばらしい

海の向こうのライオンの
ことばが跳ねる
髪だって跳ねる

いつからこんなに
 ....
歪みを感じる

いつからだろう
目に見えているわけではないが
なにかが歪んでいるのを感じる

歪んでいるのは
私の心だろうか
それとも世界だろうか

どうしてこんなことになってしま ....
開け放した玄関はその年の夏そのものだった
わたしはサンダルをつっかけて座り
水羊羹をのせた小皿を手に女をみていた

わたしを産んだ女は真剣な表情で
庭の手入れをいそいそとこなし
と ....
目鼻立ちの麗しさではなく
口もとからふと匂い立つ色香でもない
清水の底から沸き上る泉のように円やかな微笑み
それは微笑んで見せようとする思いの仕草が
表情を作り出すよりもどこか深いところの水脈 ....
デパートの地下に積まれた状態で白い光があたるからあげ


おじさんががっつりマウントポジションでつくしが生えてくるのをみてる


まよなかに鍵のかからない子供部屋でできる遊びを知ってい ....
長いながいリノリウムの廊下
走るはしるどこまでもつづく
冷たさ等間隔の蛍光灯がつく
りだす光をゴム底のサンダル
が吸収してさっきから一歩も
動いてないみたいなストップ
モーション繰り返す呼 ....
帯電するからだ
静電気を帯びる
指先から延びるパルス
ステンレスの手すり伝い
衝撃が走る

瞬間君を思い出した
手の痛みよりも
胸がキリリと痛む
歯を食いしばって
静電気ピリリと火 ....
大きな箱だった
膝を抱えてすっぽり隠れられるほど
そんな立方体を展開図にして
悲しみの正体や理由
いちいち解説してくれるけど

「まったくなぐさめにならない」 そう言うと

 《なぐさ ....
熊を躍らせると
一つだけ恣意的な物が
茂って来る
柱時計は赤が出て居て
ネジを巻かなければならない
踊り出した熊は
フライデーに仕留められた
恣意的な物は
奥歯だったのかもしれない
 ....
ポケットにおちてしまった
エイトボールがあったよね
ぼくたちはとても楽しくて
もう一度はじめようとした

 イースター島
(いいスタート)
たまご
🗾のおなかから太平洋ず~っとすすむと ....
風たちが姿を消した
――一瞬
井戸に落ちた片耳のリング
わたしの中のわたしのエコー

響かない{ルビ鈴=りん}の透き通った苦悶
冷気の侵食 いのちの抗い
――再び
風たちに抱きすくめら ....
 愛を囁くと梢が揺れた。
 協奏楽の流れる部屋に人は無口で
 病人の枕元に一輪の花をかざした。
 今在る優しさに皆耳を澄ませた。

 枯草の美に共感出来た時、私は和的な幸せを得た。
  ....
おそく
お酒飲んで酔っ払う
乗り、過ごし
ここはどこだ
駅、空っぽ

歩くか

何飲んだっけ
ウォッカを…
ちっちゃいグラスにレモンとお砂糖乗っけて
ていっとあおったな

知 ....
さんわのあひるよん わのあひるさん
わたしとおなじ にほんあし しらないふりして
おしりをふりふり ごきげんよう

さんわのあひるは まだ ひよこ
おかあさんあひるのあとをあるく
くるまが ....
フロントガラスの雪
百や千もの指が
百や千もの詩を書こうとして
なにも書けず
スルスル流れ
見通しの良い隔たりは
光景だけを素通りさせる
百や千もの天の指紋が
色も形も失って
理由を ....
音のない電話が置かれて
わたしはそこにはいなかった

涙がこぼれそうな音楽が流れて
あてのない悲しみはもうそこではない気がした

楽譜が全く読めないわたしは
楽器に触れても音を奏でること ....
三軒目のワインバーにいる


カフェで待ち合わせてから
居酒屋チェーンで食事して
コジャレたバーに今
彼女と来ている

二軒目で少し様子が変だと
思っていたが
いよいよおかしいので ....
都市は 心の模倣だろう
粉糠雨に 街灯が燈る
心の溝にも 点在した明るさが次第に道になる

見えない糸で繋がる送電線
車のように動きまわる明かり
しずかに一人きりの夜をともす ....
腹のあたりに
ぽっかりと穴
医学的な話ではない
かといって心の中とか
そういったロマンチックな歳でもない
実際に腹のあたりに
バレーボール大の穴が開いたのだ
妻や子どもはよろこんだ
そ ....
          {引用=

 (君、あの鞄は君に似合うが荷物になるかもしれない。
 (なぜなら、荷物とわかるには一度持ってみなけりゃわからない。
 (鞄がお荷物とわかったならばただのクズだ ....
勝つ気でいたのに
決まろうとすると
空気のような蜃気楼が
鵜に乗せて
私を柚子湯に入れる
付けんとか言っておきながら
付けてくる神は
田圃を沢山所有して居て
詩を読みながら
日の出を ....
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