こんばんは
こんばんはといえば夜ですが
夜になってもまぶたの裏が痛みます
きっと蛍光灯のせいでしょう
蛍光灯はしろっぽくってあおっぽくって
だからやつのせいでしょう
そういう ....
怒っていた
思い通りにならないことに
いうことをきかないひとに
いいたいことをいえないじぶんに
怒って
むくれて
投げ捨てて
あ
やばい とおもいなおして
なきなきひ ....
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
わたしと云う うつわの中に
血のほかのものが
そうめんながしのようにさらわれながら
どこかへとするする向かっている
芯のある雪の根もとで
眠っているかと思いきや
ハマグリの部屋 ....
あなたが
西日にうずめたものを
知るすべもなく
いまは昔
あなたが
見ていた向こうには
なんにも無いと思ってた
なんにも無いと
思いたかった
向こう見ずなあな ....
人なかで咳が出ると
はやく止まれとあせる
半径3メートルにいる人たちから
無言で疎まれていると感じて
目的地のことなどどうでもよくなり
消え去りたくなる
独りで居るとき咳が出ると
ほ ....
あおい空の向こう側
彼岸のかなたに届くまで
大きく大きく手をふって
元気です、と
あなたにすべて ....
目をあげたらはっとした
大きな大きなお月さま
なにがいいたいのかな
まっすぐにひかってくる
静かなのに強く
私のうろたえる心が
少し泣きそうになりながら
そらせない瞳を前へ
前 ....
そろそろいい歳なので
生意気になるべきだ
自分が自分になるための
いさかいはとことん受け取るべきだ
世界の一員である前に
自分自身であるべきだ
生意気でなければ
こんな男に価値はない
....
ひどく熱い台の上で
亡きひとの骨を
拾う
幼い
わたしを
抱き上げてくれただろう
腕をひとつ
もう二度と
わたしを呼ぶことのない
喉をひとつ
かつての命は
....
聴こえないくらいの
静かな声と
三歩分くらいの間が
水平線に似ていて
ちょうどいい
液晶に触れるような
ハウリングする月と
居るだけの夜が
いとおしい
きみは阿片を吸ったことはある?
もちろんないよね当たり前だよね
ぼく?
答える必要はある?
答えて欲しい眼だね
香港でね一度だけ
でも阿片窟に辿り着くまでは
大変だったしお金も遣 ....
胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
くるくると 青空に放ってみた
跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた
迎え ....
君は強いねと言うから
そうかもねと答える
弱さに溺れる人は本当は強く
あなたのような人が本当は一番弱いのかもしれない
私は強い。
働いてるから、とかいう労働者を私は殺すし
勉 ....
あなたのこのみはなんだろう
と、おもいつつ
たまごを割り
しろみ
と
きみ
にわける
よく冷えた銀色のボオルに、ひしゃげた顔がうつり
かしゃかしゃと、撹拌されていく
こんげつのつ ....
ことばよりさきに
脱ぎ去れない肉体を持って
取り乱す
見上げれば
木漏れ日が
からだを斑に染め
赤と緑に、網膜が灼ける
わたしは、うまれてしまったのだ
あかくふよふ ....
鳥はなぜ逃げない
足下に 跳ね回る
逃げないが 近寄らない
近寄らないのに 逃げもしない
小さな雀
鳥は なぜ逃げる
逃げるのに また舞 ....
息子が帰り支度をするのを見つめながら先生からきょうの息子の様子を聞いていた。
お礼を言って先生にぼくは微笑み保育園を出た。
ぼくは笑顔をよくほめられる。あるとき仲間に黒人であることの利点を ....
雪に埋もれたまま青く影を落とし
家々は俯き黙祷する
気まぐれにも陽が歩み寄れば
眩い反射が盲目への道標
抱擁されるまま
冷え切った頬が温もり
辺りに耳が開かれるころ
頭の後方 梢 ....
古いデパートの舞台裏、
職員用通路の片隅に、
忘れられかけた物置がある。
狭く、薄暗いその部屋には、
用済みになった小道具が。
埃をかぶったハンガー、
古い ....
猫が転ぶとき
そこには道路と猫とわたしがあって
あたかもおのおの一番遠いもの同士のよう
二月にふる雪はぴらぴらとして細かく
手のひらにのせるまもなくとけ消えてしまう
ひとひらひとひら ....
たくさんのベランダは ひかってる
さかなの呼吸のようだと おもう
ひとすくい ひろって
あきらめて 放す
ぼくらはヤドリギを しってた
ひりついた アゲハの細い ....
ざぶとんにのせた言葉がいききする
母との旅行
ゆきが
遠慮なしにふりつける
にたような二人に
しあわせか
ふしあわせなのかなんて
かんたんにけつろんづけないでほしい
ふゆが
とうめいなしっとをかかえて
こいがしたいなんてまだいえない
だれかがきみに
らしさをのぞんでいるよ ....
僕は夢を見ているのかもしれなかった
オーディオの雑誌を ぼんやりとめくり続けながら
自分の持つべきオーディオシステムの構成について思いめぐらす
そうしている 僕自身は 凡人なのだが
理想と ....
あなたの胸に、耳をつける。
はらはらと
降りつもる、ゆき。
さいげんなく現れる、ぶあつい雪片。
あなたにふれた手のひらが、やはらかく折り重なり
何層にもなってゐる。
ぼくのも、知らないひと ....
君がスクイズバントをする
僕は必死に走って
無人のホームに帰ってくる
振り返ると
一塁線上を走っていたはずの君は
どこにもいない
野球に譬えるとそんな感じだ
見えない君の ....
わたくし獰猛な檸檬 チューニングするチュー リップ
いいかげんの はちゃめちゃさで
いい加減をさがしてる
わたくし球体ですの
清潔な球体の切り口 ビタミン ....
0次元
面積を持たない点は哀しくて
あられのようにパラパラと降りそそぐだろう
なんのうえに
1次元
線虫となった哀しみはのたうちまわって
それでも面積を持てない
2次元
....
死んだ魚の隣で
ビニールの袋の中で
スケルトンな体をくねらせて
白魚は泳ぐ
その臓器の あまやかなピンク色は
ゆるされている時間の刹那を泳ぐ
なにやら虚無からの出立や ....
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