シュウシュウとやさしげな音がして
白い息
スチームアイロンにしわをのばされて
白いシャツ
出来立てみたいに ほんのりあたたかい
いくども
生まれ変われる
そんなことが幻想だと
わか ....
できるなら
現場(そこ)でも祝福の気持ちでいたかった
たとえば
生涯一度の自分の家なら
これに関わるすべての人に
笑顔で労してほしいじゃないか
+ + +
行きの渋滞を避 ....
本質的な僕たちが
本質を詰まらせて
ぐうの音も出ない
散乱して
僕たちは
死にたいの前に
生きたいの前に
なんだったか
わからないまま全てだね
洗い髪を
ぬるい風通しが
....
もう一度あえたらいいなと思う
僕たちは日だまりのなかのベンチに座って
何もしゃべらない
言葉はすでに失われてしまった
もうすぐ思考も
輪郭も失ってしまう
だからもう一度あえたらいいなと思う ....
真実味はすべて
神様に
咀嚼されてしまった
ちりぢりになって
虚空へ
ツイートされる
街並み
草花
コンクリートロード
あいまいな音楽みたいな
朝のひかり
カツサンドとか
....
iindayo-
iindayo-
翼のない鳥たちが
今日も
青空に向かって投げられていくような
音楽
に洗われる時
まばたきをひとつ
すれば
何かをなかったことにした
ことを ....
約束された
明日は無い
とはいえ今を
月の光る静けさだ。
わかっています、と幾度
こたえたであろうか
あの時
空から照らす透けた光にうつむいてさ
遠く遠い声であ ....
私は亀ちゃんを生んだ
亀ちゃんとは本人の前では決して使わないあだ名
亀ちゃんは本当にゆっくり成長していく
初めて歯が生えたのは一歳三カ月
初めて歩いたのは一歳八カ月
二歳になって ....
静かな場所で純化された記憶を
再生すれば大きくなる重い塊
忘却するために
身を委ねそうになるタクト
終わることのない伝言ゲーム
とりあえずの否定形がぞんざいに連鎖し
....
地図を広げて電話を片手に話している
相手は叔父だ
ある地名の場所がわからないという
三文字の漢字で表す地名
「興味の興、という字がつくの?何?聞き取れないの?」
歳老いた叔父の声はしゃがれ、 ....
教室から飛行機が見えた
窓の向こうでは轟音が聞えているはずだ
潮のにおいも混じっているはずだ
この町の大人達の自慢は この学校の窓という窓は
二重ガラスで 外の音が 全く聞えないこ ....
横向きで寝る
いっさいの灯りを消しても
消せないものが浮かんでくる
まぶたを閉じても
眼球が光のない世界で動くように
スイッチを切ったつもりでも
同時にもうひとつのスイッチが押されている
....
セルフィッシュな心臓が
トマトゼリーの海を泳ぐ
すべての貝類は甘い味で
海亀は快速の血流に驚く
高濃度の脂肪が溶け出す
海底の静脈瘤の大噴火だ
生まれてきてしまったのだから もういいの
よろこびに満ちた今日だったから もういいの
過ぎてしまったことだから もういいの
やるだけやったのだから もういいの
死んでしまっ ....
心の晴れ間は錯覚だから
いつも本当はどんより曇った空より
淀んでいること
誰も知らないわけじゃない
知らないふり?
できるわけない
心の中なん ....
信号機が一つ増えただけだった
それが妙に腹立たしくて
この道を使うわたしはエゴイスト
狭い
直角に曲がることの
繰り返し 運転は苦手
3つ目の突き当たりで気 ....
歩きたいのです
何もなかったから ただそれだけ
誰もが 妙に速足でいくものだ
そんな風に思うでしょ?
わたしが こんなに止まった世界にいるなんて
知る ....
目が覚めたら 夢のような世界だった
楽しくて嬉しくて ほんとの世界を忘れてた
あるときふと 目が覚めて
極彩色が チカチカと
(ひとつも目に優しくないのね)
そんなことを考えていたら
もう ....
願うよりも 探してしまうアルタイル
ハクチョウはキレイに羽をみせている
スター・ダストなんてダストは
ないのですよ
どれ一つに目を凝らしても
ただ、またたくばかりで
....
長い冬が明けて
やっと雪解けのときをむかえましたね
悪い夢をみていたのだと
すべてを水に流し 再出発です
おめでとう
悪い夢 儚い夢 叶わぬ夢
夢 ....
真昼の青空にいて
お日様はいつもと同じように
まっすぐに向き合ってくれている
それなのに痩せ尖った姿を
心溶かす丸い雲の横で
薄ぼんやり見せてしまい
ごめんなさ ....
乳頭から豆乳
あなたなら
どうする
お豆さんだからって
泣き寝入りは
許さないからね
乳頭に入刀
あなたなら
どうする
刺激が欲しかったなんて
強がりはよしてね
乳頭だけ ....
胸がいっぱい
心が張り裂けそう
歯が浮く
顔から火が出そう
手に汗握る
溜飲が下がる
そして
土曜日はお休みの日
ということにして
....
雨降りの夜、厚い雲
独りの私に
一瞬満天の星空を観せてくれた
母の仕業に違いない
そんなこと
星になんかなっていない母にだけ
できることだから
朝
かまきり が袖を引く
貧弱な鎌をカフスに突き立て
出勤する私を引き留める
そんな鎌じゃ 草も刈れまい
まして人間なんて 狩るもんじゃあ ないよ
生地がいたむから
その鎌 どけておく ....
蟻だ
物凄い数の蟻だ
僕は
涎を垂らしながら
テレビのニュース映像に
釘付けになっている
パレードだ
角砂糖の数珠繋ぎだ
僕は
指をくわえながら
熱狂と陶酔の蟻の行 ....
とんぼが にげない すこしも
とんぼの 目の中に わたしが
たくさん いるというのに
あぶらぜみが にげない すこしも
目線のたかさ で なきはじめた
あぶらぜみ わたし ....
母が
乳房を膨らませる過程で
ほろほろと
無くしたもの
父が
涙を忘れ去る過程で
ほろほろと
無くしたもの
それは僕です。
光と量子とのけし粒が揺らめく
生暖かい感 ....
声を
大きな声を
声なき声を
やめてよと泣いて縋れば
あのものたちは帰ってくるのか
{引用=
それは違うね
あの頃の私たちは
酷く子供で
大人になって
そのことが解った ....
この間、NHKスペシャルの再放送見たの、ポアンカレ予想って数学の難問を証明したロシアの数学者のドキュメンタリー。
フィールズ賞って数学でいうところのノーベル賞を受賞したのに、そんなもん要らないって辞 ....
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