すべてのおすすめ
今日もひっきりなしに飛行機が通る
あの人だった人が外を眺めている
「沢山通るね」
あの人だった人は無言だ
体の何処からも表情が消えている
きっと見えないものを見ているのだろう
部屋を見渡せ ....
あらゆる調和は○を目指している
宇宙も
交通標識も
林檎も
なぜ○を目指しているのか考える
物理や化学の法則?
社会や自然の流れ?
理性だけではない
....
うしなわれたことへの
とうめいないさぎよさ
ぼくよ、たちつくすな
かこからのびてゆく
みらいをむそうする
うしなわれたことへの
とうめいないさぎよさ
....
日向の床の足もとで
埃を被ったプラグが、独り
あの電流につながる場所を探してる
――僕は、プラグだ
テレビの台に、よじ登り
画面の前で「おかあさんといっしょ」を
見ていた3才の周が
ぴょ―――ん
次の瞬間、ケガの防止に備え
台の下にずらしておいた、ソファが
後ろに飛んだちっこ ....
日々の道に転がっている
いくつもの…丸石や尖った石
どちらを拾うか問われているが
世の重力に押され、屈む私は
つい、感情に流れ
尖った石を、手にしてしまう。
尖った石を拾いそうにな ....
サラリーマンが命を担保に金を借り
建てた家々の集落
書割のような中流階級
文化を支えたピアノ
音の断片が集落の中を
誇らしげに 恥ずかしげに
歩いていたのは何時のころだったか
口 ....
ひと足の途絶えた
深夜の商店街
わずかな気配にも
センサーが反応して
ひとりでに機械が喋りだす
イラッシャイマセ
パネルノ番号ニ、シタガッテ
操作シテクダサイ
番号 ....
がらにもなく雪の心配
いっしゅんのキャンディが溶ける
影をゆく水色のバス
こんなに日が照っているのに
こらえてこらえて寒いのはこらえて
くしゃみ先生
黒板にずっ ....
黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃
いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬
傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう
もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある
月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
....
感謝ってぜったい
肩に力いれて感じるものではなくて
楽しい×愉しいって思って感じるものなんだ
頭でっかちになって感謝するんじゃなくて
楽しい×愉しいって思って感じるものなんだ
....
ごめんなって思った
あやまるぐらいなら
なくなればいい俺だ
役に立ちたいだけだ
かかわりたいだけだ
そんなの優しさじゃ
そんなの大きさじゃ
そんなの愛じゃ ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む
が
長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
....
グアテマラ
無漂白フィルターの中に入れた
二人分の茶色い粉に
静かに熱湯を回しかける朝
柔らかくふくらむそれらから
好ましい香りが立ち上る
何秒かのち
珈琲がカップに透過していく
....
わたしらしいわたしがいるらしい
わたしらしくないわたしもいるらしい
わたしは、どちらも知らないけれど
なぜだか私だけの四季を走っています。
それもたった一回しか無いのです。
春の始まりは夢との区別がつきません。
春の終わりは青く着色などされません。
夏は働き詰めでお盆休みなど無いのです ....
自由でありたい
重ねている空気層が
体から 心へ触れる
自分を生きる
思い出せ 思い切り
太古の渦に チカリと開く
無遠慮に 絡まり 呑む眼
告げられるのか 否 告げろ
何 ....
一滴の言葉が零れて戯れる水面
幾つもの円が現れて小刻みに揺れている
小さな痛み
やがて拡がっていく苦しみ
透明な水も湖底の泥に掻き混ぜられ
無邪気に太陽を愛したあどけなかった言葉も
汚 ....
はき古した靴を空に放って風を聴く
はだかの馬が雲となって駈ける野に花をさがす
ひかりを混ぜ合わせていろをつくる
まだ名前のないいろを
いつももちあるいている心のスケッチブックに
....
1km四方のプールの真ん中で
溺れたふりをしている男
水深はせいぜい膝小僧くらい
懸命すぎるバタ足で
足の親指の生爪を剥がしたのは
まったくの誤算だった
プールサイドのデッキチェア ....
ひとりでダンス?
いいえ
風がわたしのパートナー
わたしを見つめてください
あの方の姿が
見えてくるでしょう
わたしは木
いいえ
わたしは奇異です奇行です
見えない何かを
可視 ....
肩を落として
足を引きずるようにして
のろのろだらだら歩いている
一人ぼっちの少年
どうした
なにがあった?
学校で辛い目に会ったかい
家に帰りたくないわけでもある?
仲良しの友達 ....
どうして
アスファルトで覆ったのでしょう
芽生えようとしていた希望が
誰にも知られず
死んでしてしまったら
訪れた春は悲しむでしょうに
むかし日本もそうだったように
大儀を見出だす国がなくならないのは
人類のこころぐせというようなものだ
絶対的な正義があると信じてしまうと
人類はそこについ大儀を見出だしてしまう ....
からだはどこへゆくんだ
いでんしいがいを
たいせつにするのか
おまえのちいさなてが
くちからむねをつかむんだ
何を生きてゆく
地図が少しだけ
変わる
....
「グループ面接で隣になった子が
めちゃくちゃ噛んでて
おまけに声が小さくて
もうホントにやばくてサ
どうしようかと思ったけど
心の中で、頑張れって応援するしかなかったサ」
今 ....
とても不思議だか
とても当然だか
わからないのだが
実は
自分しか存在しない
と思っていた
息を止めて
目を閉じて
瞑想して
苦しくなって
ブアッと吐き出して
それは
みな僕な ....
こどもが寝ている
夢を掴みそうになって目が覚めたら
こどもでなくなってしまったあさ
等質に毎日は来ないんだし
まあてきとうでいいやという訳にもいかない
家を出る前におとなのふりをして ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142