すべてのおすすめ
温かいご飯
温かいお風呂
温かい布団
この三つは
心まで温めてくれる
寒い冬の夜
わたしは寝る前に
下布団とシーツの間に敷いた
電気毛布のスイッチを入れておく
しばらくし ....
かあさんの
みずたまもようのワンピース
あれ、手作りなんやでって
こそっと打ち明けた
キヨちゃんが
ほんま? すごいなー
でもどこからが手作りなん? って
イケズゆうから
どこもかしこ ....
母の胎に宿ったあの日から
天の両手につくられている
あなたは世界に一人の、彫刻です
遥かな空の青さの中に
薄っすら透けた天の両手は
黙った姿で、待っています――
いのちの全身を、震 ....
140123
少しずつ物価が挙がって参ります。
しずしずとおどおどと堂々と
横柄な態度を取るものも居て
警笛を鳴らしたり街宣車を走らせたり
選挙カーを走らせたりし ....
肘が腫れた
誰かに肘鉄砲を
食らわしたわけでもないのだが
発熱したのでさすがに怖くなって
病院へ行った
かなり炎症してますね
頬杖をつくのが癖なので
おそらく妄想を巡らせてい ....
魂を語り合いましょうと
いいながら
詩人は逝ったのでした
今朝
わたしはみつけた
ゴミステーションの柵に
いくつも並んだ雫
それは
ぶらさがって
落ちまいと揺れていた
冬の夜が ....
去年は株で擦った
やっぱり 詩集読んでる方が自分には合っている
その古本は 値上がりしても せいぜい三千円から三千百五十円だろう
だから 売りもしないし
は ....
140122
本日はお仕舞いですすす
自働初期ののののののめ
かろりんころくろまりん
みまいせまいはらりこん
んころりんならけむりん
よめないすうじにひそむ
ころがるゆうきのに ....
ひとひとりの心のなかは、いつだって戦争だから
これ以上戦うひつようはない
そう言って花鋏をつかみとる
淡き生活
かんかん光る
かんかん踏切
かんかん降りる遮断機の
かんかん赤い光の点滅
その先線路を
飛んで行く
暗闇の中
急行電車が
飛んでゆく。
かんかん手を振る二歳の息子
電車を見 ....
熱を帯びた扁桃を
通過する
酸味をふくんだえきたいは
ほどよく冷えて
生きていることが
すみずみまで広がっていく
――体温計の中の赤いめもりが行ったり来たり
ひとふさ
ひとふさに
大 ....
駐車場にやっとたどりつき車を止める
前が見えないほどの雪が降る朝
ライトをつけての通勤
白い雪の中に ぼんやりと光が見える
そういえば昔に ライトを消し忘れて
車のバッテリーをあげた事が ....
しろい紙に 向き合い
しろい箱を 造り
しろい心を 持ち歩く
あるとき それは逝った病室
あるとき それは骨壺
海沿いを走る電車を降りると
そこはまるで見知らぬ ふるさと ....
孤独の足音が聴こえた
孤独は私を追いかける
私は後ろを振り向いて
あなたの来るのを待つ
孤独の息吹が聴こえた
孤独は私に息を吹いた
私は後ろを振り向かず
あなたの息吹を受ける
....
倚りかかるのでなく
凭れる
そんな時間の
絶妙
安心を手放さない為に
色恋は放棄。
わたしが今欲しいのは
色恋のドキドキではなくて
しっとりと落ち着いた
「ベ ....
金色のジョッキの中で
無数の気泡が昇ってる
(この世の重力と、逆だねぇ…)
そう思いつつジョッキを片手に
金色の水をぐい、とひと飲みすれば
火照った頬はあたたかく――
日々の悩みも ....
なんにもなくしたものなんてない
かわいそうなんて言われたかない
がんばれとか言われたかない
ぼろぼろになったって
ぼろぼろになんなかったところも
たくさんたくさんある
....
おおっ
第一次反抗期
ショッピングモールのフードコートで
隣の坊やが
反抗してるしてる
どうやらコップをいたずらして
ママに叱られているらしい
「ダメでしょう!」
....
紙の前には座りたくない
鍵盤の前にいたい
昼ひなか私は没頭する
緊迫する
高揚する
せわしなく
抑揚の激しい旋律を
いつか
さりげなく
やさしく
奏でることができたら
....
赤信号を歩いていく人の背中を見ていた
急いでいる訳でもないその人につられて
ひとり、またひとりと流される
流行の最先端を行く
誇らしげに胸を張って
アスファルトに張り付いたガムを
幾人 ....
しずかな曇り日
サイレンが鳴る
すみやかな避難を告げている
雲のすきから光が射している
神話のような光の柱が
地上を柔らかくつらぬいている
ミサイルはまだ見えない
....
時はいつも人を吹きすぎてゆく
ちいさな想いや願いを散り散りにして
もうあの時のうたは
二度とはうたえない
いちまいの絵のように
すでに過去のギャラリーに
展示されているのだから
....
遥か草原のようなこの街を
ひとつかみの雲のようなふたり
あてもなくさ迷い飛んでいる
建物の影や光や風
ぼくには優しくすることもできない
だれかに守られている
幸 ....
「無理です。」
こんな言葉を最近よく聞く
そういうとき僕はいつも同じことを言う
「本当? やってみないと分からないんじゃない?」
「失敗してもいいじゃない。」
皆、真面目に一 ....
仮想
ブラックホールを目のあたりにして
シンボルはちびった
りらりら、らりら
追いつけるものなら、捕まえてみろ
術らかな言語が
かれを果実(もくてき)と思いこんだが
うだる密林 ....
淋しさは
翼いっぱいにはらむ風
僕は
飛びたてる
だけどというより
だからこそ
明日をもしれぬ運命
なんて
何を怖がることがある
残り時間の心配なんて
いらない
....
卵がスウィングしている
托卵容疑の直滑降は不恰好に喉を塞ぎ
やがて破裂して口いっぱい
玻璃 瑠璃 瑪瑙 罵詈 雑言
秩序の欠如は流星し
脳裏がそっと炙り出す
片手に毬 錦の手 ....
今年最も寒い日の
いちばん大きく育っていた霜柱を
みわたす限りの霜柱を
惜しげもなく踏みつけてしまう、
ずるい。
「果」という字をじぃ…っと見ていたら
「田」のマスに、よっつの実が浮かんできた
「木」の下には、見えない根が巡っていた
「果」という、くだものの木の姿を現す
ひとつの漢字の幹の中に
(天 ....
電気を節約するために
暖房のリモコンを
遠くに置いて
日がな布団に包まり
みの虫の姿で、本を読む。
外から帰り
しろい吐息をはく妻が
傍らに坐るので
火照った手を取り
少々疲れた ....
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