すべてのおすすめ
影と影は
こんなにもたやすく
ひとつになれる
犬とわたし
樹とわたし
電信柱とわたし
あなたとわたし
昼に束ねられていた
よそよそしさは
夜がくれば
溶け
すべての影と影 ....
エッチ、スケッチ、ワンタッチ
スカートめくったら いちご柄
甘酸っぱい思い出に練乳を
舟が
天の使いが
父を迎えに降りてくる
モニターの
緑の輝線
彼の何かを告げている
母と私は部屋を出て
お向かいの
やけににぎわう居酒屋で
白身魚の天ぷらと
焼き鳥とサ ....
自分に催眠術をかけようとして
5円玉に糸を通してぶら下げて
目の前で振り子運動をさせて見ていたら
気がついた
振り子の重りがどんなに軽くても重くても
振り子運動の往復時間は同じ
....
早瀬のそばの竹やぶに
住んでおりましたので
笹舟を流しては遊んだものです
手を離すと同時に
それは勢いよく
旅立っていきました
赤い橋をくぐるまでは
なんとか目で追うことができましたが
....
つむじ風は南南東に駆け抜ける
収束しない想いを切り裂くように
二足歩行の夜は遅々として眠れぬ夢とともに
進化論の樹を遡り霊長類の高みへとたどり着く
昨日のことはもう知らない
知る必要 ....
ひかりがインフルエンザにかかったの
パパにうつるといけないから
週末は帰ってこないでね
ママは感染覚悟の臨戦態勢準備完了よ
そうか わかったよ
ひかりが好きな
とろアジと
....
青い水
青い水パルテノンの湖の
川の岸辺に,流るる日
乙女の目、青い水もて
洗うなら、恋の思いは
消え失せん
その日には木々にざわめく
鳥たちも、喜び歌しきりうたわん
十六時が明るかったので
今日を私の春の始まりとする
土脉潤起
つちのしょううるおいおこる
雲がほどけて
雪がこぼれる
北がやぶれて
風があらぶる
音がとだえて
水がいてつく
光がとおのき
命がしずまる
雪 ....
初めての学芸会は
サルカニ合戦の
蟹の役だった
いとこのよっちゃんは
猿だった
元の話は
硬い青柿をなげつけられて
つぶれた蟹の卵から
子蟹が出てきて
助太刀を得てみごとに
親 ....
あしもとの雪は泥混じり
むこうの雪は白くて綺麗
この雪の河渡るには
生きてさえいればいい
この愛さえあればいい
この雪の河渡るには
あしもとの雪は泥混じり
....
スーパーで並んでいたときのこと
小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた
理由はわか ....
なけなしのリカちゃんをつかんでいくと
Kちゃんはかならずドレスをぬがせ
こっちの方がかわいいよと 着せてくれた
虹色のドレス
たからものの王冠
確かにかわいくなった
....
蟹は
前を向きながら横へ進むのか
横を向きながら前へ進むのか
蟹のからだの構造上
顔のある方が前だから
蟹は前を向きながら横へ進んでいるのだ
が しかし
蟹も何か目的を持って進んでいる
....
目がさめたら
やけに喉が渇いていた
水を飲もうと
池のふちで
身をかがめると
なぜか
バランスを崩し
水の中に落ちてしまった
泳ごうとしても
体は重く
水の底へ沈んでいく
....
140221
目からではなく
眼から
なんでだようと神様が口を尖らせる
漢字変換機能が眼を選んだのです
私の恣意的な意図ではありません
神様の思し召しと思っ ....
私は十三年間
薄暗い工場の中で
機械の一部になって働いてきました
小さな子どもを連れて離婚した
若くもない女には3Kの仕事しかなかった
子どもを保育園に預けて働いた
毎日々
ベルトコ ....
鏨(たがね)を打ち込む
光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む
切断する術は腕一つ
振り下ろす鉄槌の微妙な躊躇は
表面を滑り鏨(た ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音
ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても
目だけはじっと
私をみていた
まゆみだよ
わかる?
といっても
黙っていた
聞こえる?
と聞くと
うなずいた
声は ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で
澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている
いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
ソチ・オリンピックのテレビ中継で
上村愛子選手の姿を見て
ぐ…っと来た、僕は
少々涙腺を緩ませながら
隣に座る、妻に云った。
「攻めに攻め、金にも勝る、滑りかな」
数日後、シスター ....
セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット
セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている
ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる
小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
紅いセンチメンタル
紫の衣に
氷がつきまとい
すべるように
流れるように
悲しげな
彼女のセンチメンタル
真面目にじっと
みつめて・・・
【透明なマグマ】
あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が ....
もうただ怒ることはやめた
自分にも
他人にも
一時の感情で怒るのはただの急ブレーキだから
僕はもっと前に進みたい
いつもゆっくりアクセルを踏んでいたい
楽しくハンドルを回しながら
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142