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窓辺に座って目の高さの夜桜を眺める

春霞の空は街のひかりを吸って灰色に濁っている

額にあたる風が花びらを舞わせている

涙のようだ

あのときわたしが流した涙のようだ

涙はし ....
私は一人で川べりの道を行く時に
私は一人で考えていた
頂上に美術館のある見覚えのある坂道 しかし
空の どこか色あせた風景の中で


山手線が遠くに通る
春なのに そして 重いコート ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ .... 夜が明けるまえ車を出した

帰る道がわからなかった

なのにライトが道を照らしていた

タバコを求めるためだけに酒場にはいった


おととい加齢臭のおとこに7時間拘束された

む ....
そこそこイケメンがほんとうのイケメンなのに、女の人たちは信じてくれない
なぜだろ
髪の乱れやすい季節のせいだろか
排卵日なのだろか

そこそこきれいな人をほんとうにきれいだなと思ってるぼくは ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から 
魚を、逃がす 
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
 ....
 銀色の雨が音もなく降っている。
 テラス越しに見る常緑樹の緑は鮮やかで、
 一日の予感は謎めいている。
 
 雲に覆われた空は以前読んだロシア文学のようだ。
 テラスに置かれた二脚の白 ....
母に背負われて通ったこの道を
一度は
母を背負って歩きたかった
なつかしい
この故郷の道を
命が終わるとき花は何をみるだろう
命が終わるとき花は何を思うだろう

花の命が消えるとき
花は何を思うだろう
花は何をみるだろう

あの空は、くうを描く
いっぽんの線を描く

すう ....
紙屑にはできなくて

飛行機で飛ばそうとして

すでに折れてしまった翼じゃ

真っ直ぐに落ちてゆくだけ

そんな時 いつだって

拾いあげて

広げたら 濡れていて


 ....
公営住宅の三階の角から二番目の部屋
のいつかぴかぴかだった扉
おんなのこは台所で目玉焼き
格子の向こう側に空を見て
歌詞の意味なんてわからない
あいらびゅうの鼻歌
らびゅう
を繰り返す薬 ....
あやとりを繰り返す

かたちを変えながら

手首を噛むと涙があふれた

哀しみ

届かない星々の煌めきの際

かたちを作りながら

あやとりを繰り返す


並木道

 ....
空が3つあればね
1つくらい駄目でも構わないけど

音楽室は雨のコーラス
トライアングルを鳴らすと
乳頭があまく痺れた

先生はしょうのうの臭いがした
深くおじぎをするとポケット越しの ....
白と茶 誰もいない部屋のカーテンは開けられて 南向きの窓から差
し込む冬の低い太陽の明かりでとても明るい 雑然と散らばった請求
書、契約書、スーツ、ネクタイ、タオル、ビニール袋、文庫本、楽譜、
 ....
その魂の美しさは通貨になる
ふかい森の奥でみどりいろに光る怪獣の眼と
契約して明るい場所まで走っていける
花嫁よ
ウェディングドレスが泥を食っても
きみはずっときれいだ
肉のわたしは獲 ....
風歌〽
あめがやむ

ふりつづけていた あめがやむ

私の心の奥にひろがる風歌が

空(くう)を吹き抜け

私の心のなかにひろがる

あめがやむ
靴を鳴らして歩く田んぼの畦道
やんちゃに暴れる子犬のリードを父が必死に手繰り寄せる
寒さに負けまいと白い息を吐いて私は走り出す
気づくと遥か後ろで手を振る父が私を呼んでいた。

遠くに見える ....
飛びたつ機会を待つ鳥たちは

地球のいのちの最後の足跡

飛びたつ機会を待つ鳥たちの

さらさらとした最後のキス

飛びたつ機会はどこかで今も

温かいものだけ探している


 ....
ラベンダー色の海に身をひたし
悲しみを咀嚼した
ガラスの隙間から
誰かのページをめくる音がきこえる

屈折して
青い血が飛び散る
卵の殻のなかではぐくまれた
そうしていつか 荒涼たる浜 ....
 何気ないひとときがとても大切に思える朝。
 光はまだ淡くカーテン越しに差し込んでくる。
 今を生きている事に幸せを感じ、与え、受け取る。
 闇夜の呪いがゆったり溶けてゆくようだ。

  ....
聡明な目が おきゃんに くすりと笑ってる
黒板の端から端へと 飛び回るプリマドンナ
人差し指のプロジェクタースイッチが効かないときの
パソコンに急ぐ あのお方のご様子は マドンナなの  ....
湿った空気に撫ぜられて
わたくしの脳内が段々と湿気を喰らい
破裂寸前な頭を持って
ただ立ち尽くすこのひとつの像となっている

ぷかりと浮いた気泡に
呼気に少し湿り気を混ぜ込んで
重い頭を ....
月明りのなか
夜が滲みうまれた
夜光虫がきらめき漂う波間に
からだをあずける
ひとりきりの旅の途中
置いてきた記憶が
よみがえる
こころがふるえ
白い花びらがいちまい落ちる
舟こぐ音 ....
最終連は
とうに終わっていても
締められた言葉は
いっこうに完結するようすもなくて
視線は
空を漂う余韻の行き先を
見つめている

その時
一羽の冬燕が目の前を横切るも
地面に落ち ....
あかいスイートピー、ほしくて
泣きわめいてた夜があったの
きっと、特別なスイートピー
私、あの頃の気持ちには戻れない

でも、あかいスイートピーほしかったあのころ、
私の世界には、黄色い太 ....
ゆきいろみちに
まっかな保冷瓶落ちてた
あたし、それ、目にして
ひび入ってるって思ったの
銀世界のなかで赤い保冷瓶は、めに強く飛び込んできたけど

きっと、ひび入ってるって思ったの
まっ ....
インスタントラーメンと目玉焼きぐらいしかつくれなかったが
いつしか肉ジャガが美味しくつくれるようになってしまった
かぼちゃの煮物と筑前煮と筍の土佐煮にきんぴら

変化は世の常ではあるが妻と離別 ....
友人を失った私は一人だった
知り合いになど ビルの影で 会ったこともない
歩いていた 道を 川べりの
静かな人気のないベッドタウンを 


一角を行く 東京の 私は
大崎のある一角の ....
デパートの屋上で子供の頃の願望が簡単に拾えてしまう
少し汚れたパンダにまたがって、ためらいなくコインを入れた
童心に帰るほど、帰らなきゃいけない距離ができたこと

まだ寒い春の昼間に
花粉症 ....
水になってひそむ
死んだ者たちの{ルビ通=とお}ったこのほそい水系に
官能の色彩はすでにない
光りの粒子のように時は流れ
序章のように生誕の時は流れ
星が囲んだ戦場につめたい炎の舌がみえ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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