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そうだ! ポットに注いだまま忘れていたお湯がすっかり冷めきって
、中でおたまじゃくしが泳いでいても僕は気絶まではしないだろうね。 どちらかが死んでる雲母(きらら)
変なこと。 それ ....
{引用=不実日和}
声は裂ける傘のよう
いつかの夏を絞りながら
蜜蜂の愛撫に
義眼を転がして
女の雨脚は
蜥蜴たちの抱擁をほどく
鞄の中で犯された
天使の羽根が舞う丘
青い爪を持たな ....
竪琴がある。
竪琴とは複雑なあなたとわたしと、それから春の優しい鳥と。
風がある。
なぜ、風が惑星の{ルビ裳裾=もすそ}をかゆそうに笑いながら縦走するかは、誰にもわからない。
竪琴を納 ....
二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」
いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ~
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ~
ってなこと ....
旅先などで撮った
二人で映る写真
ポジティブな想いしかない
愛し合っている証拠しかない
眩しいぐらい輝く写真
数々の想い出は色濃い
色褪せることはない
旅先で喧嘩しても
些 ....
降り続ける雨に
深く
深く秘められた瞳
まだ夜明け前に
音もなく迫り来る
もの
群れをなし
閉じられ、見開かれ
保たれ、放たれ
瑪瑙のように
深く渦巻き
浮き上がる
....
● (曙)
薄暗い部屋の中
光のはしごがすうっとかけられ
それは
雨戸の隙間から漏れていて
僕はふとんから起き出て
手を翳した
掴むことはできない
ああ それでも
光に触れ ....
ちょっと寂しいけれど熱っぽい宇宙
ワンダークールな時間の始原をゆめみる
いつも隙間だけで君を愛せたのだろうか
それともそれはただの幻想だったの
いつも反論がむなしいように
そのひとが ....
見慣れた風景に
「私」を当てて直線を引いた
直線はそのまま霞む山陰に沈んだ
屈曲する田んぼの畦道
わだかまる晩春の光線
ときおり風は
定規を重ねたように
直角に地上へと吹き降り ....
{引用=週末}
雨はガラス越しの樹木を油絵に似せ
開きかけた梅を涙でいっぱいにする
雨は河住まいのかもめを寡黙にし
水面の泡沫は作り笑いに変わる
だが雨は歌っている
運命のように ....
{引用=雨。
時々、蛙。
波状に、しきり
たゆみなく
それでいて、まろく
忘れてしまう。
よいものはみな
うっとりの
忘却の底。
じつに
屋根も素敵に育ち。
巻貝 ....
二〇一六年二月一日 「アルファベットの形しかないんかいな、笑。」
何日かまえに、FBフレンドの映像を見て、いつも画像で、ストップ画像だから、ああ、素朴な感じでいいなあと思っていたら、映像で ....
風の音が時折聞こえる
会話することなく
桜の魅力に圧倒される
囁くように心に語りかけてくる
桜が聞いて欲しいという物語
桜の良い香りでいっぱい
自然の純粋な愛を感じる
た ....
紅いつつじの花びらに
雨滴が留まり
艶やかに
膨らむ、透明の
二滴、三滴、
輪になり
映える
灰の空に
やがて
緩やかに吹く風に
揺られ
つつじの花弁から
零れる雨滴
紅 ....
海が見える
横須賀の公園で
朝から夕方まで
チェスをしながら過ごすような
老後を過ごしたい
将棋や囲碁じゃダメなんだ
西洋かぶれと言われてもいいから
近くにあるスタバで
コーヒーとサン ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
{引用=人魚}
樹はなめらかに地に裾を広げ
自己と向き合う静寂に包まれている
幹は根元の少し上から二股に分かれ
片方は太く もう片方はやや細い
幹が重なって見える角度を探すと
上に向かって ....
二〇一六年一月一日 「20世紀アメリカ短篇選」
『20世紀アメリカ短篇選』は、むかし上下巻読んだんだった。でも、ひとつも憶えていない。きのう、スピンラッドの短篇集だと思っていた『星々からの歌 ....
凍えるように
寒い日となるようです
四月の二週目というのは
半ズボンでふるえていましたよ
小学校の入学の式では
輝いていたのは訓示する
校長先生の頭ぐらいで
体育館の ....
レベル5
滞在時間は30分以内
館内閲覧は禁止
貸出のみ可
図書館員をつかまえ
いつも知識をひけらかす
白髪の男の姿もない
紙の城はいつになく平和というわけだ
薄暗い森のよ ....
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る
「寂しいのか」と尋ねると
鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる
と、
足許でカタ ....
海と空の写真を逆さにすると
水の惑星が現れるのに
海が 水に変わるこの瞬間は
たったひとつのフィルムにしか収めることができない
随分むかし
ひとつでじゅうぶんだから、と
父と母がも ....
風のにおいがする、花の音がする。逃げてゆく春の背だ。
だれかをこころの底から愛したことがあったかどうか、ふと、八重桜のうすひとひらに触れそうにして胸苦しくなるんです。あなたもです、私もです、お互 ....
「にげる」
なにものからも逃げたものが
なに食わぬ顔でなにもしないでいる
すると
なにものをもにがしたものが現れて
なに食わぬ顔でいるものの所在を
不明瞭にしてしまう
なに食わぬ顔で ....
二〇一五年十三月一日 「芸術は自己表現はない」
自己の表現と、自己表現は違う。2015年9月29日のメモ「いまだに芸術を自己表現だと思っている連中がいる。きょう、職場で哲学の先生たちがお話 ....
遅れて歩いてくる足音につい気後れがして
わたしは膝をついたまま下向きに歩いて行く
自転には追いつけない針を進める (
) 氷の幕を滑り落ちる 人鳥
乾いた靴の底を ....
*
ブルームーンの流れる河は、あなたのポケットのなか 粉末ジュースを呑みすぎた子供時代のような夜がそっと手をふって花になる朝 韻頭を失った詩がどこまでも誘うからか、スカートが皮膚 ....
とうめいの骨の
おくのおくの ずっと おくのおく、から
虹をかみくだくおと、が
きこえる。
(八方美人!
(恥知らず!
てんし、と
あくま、を
はらんだ夜が
鎌首をもたげる ....
闇市に西瓜を買いに出かけたよ
金脈が本物の黄金だとか噂話しで聞いたんだ
途中チンピラに追いかけ廻されては警官に発砲されたり
散々な眼にあったぞ* !あ、こんなところに…
板 ....
麦わら帽子を頭に乗せると
水平線から陽が昇る
少しの風など相手にもせずに
そうやって高い場所を探した
空気が薄くなり
どんな言葉も丸くなる
天国の途中で
ビルの屋上に名前を置いたら
....
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