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これで最後になったって構わない
そう思って生きてきただろうか
そう思って飯を食い、
語らい、遊び、笑いあっただろうか

ここで途切れても
誰にも心配をかけないで
心置きなく終われるような ....
恋歌に憧れていた僕は
物語に紛れ込みたかった

ある日、ふと気付く
僕は目になりたいのだ
彼らを眺め続ける透明な視点

春が来て
僕はあなたに恋をした
立っているだけで精一杯
好き ....
北行列車は、かれこれ数年間は立ち往生している
車掌はいつも困り顔で客室に説明をしに来る
私はそれを聞かずに窓の外を見ている
雪が窓に張り付くとふわりとした光を持つ
「蛍の光、窓の雪」と歌ってみ ....
薄氷が張った空の
水色の向こうに何があるのか
私にはわからないけれど
朝、目的地の自転車置き場で
ふと、立ち止まり見上げていた
空には、肉眼で確認できないほど
かすかな穴が開いていた
誰 ....
世界を感じる旅に出た知己から、手紙が届いた。
写真が一枚同封されていて、白い息を吐く馬と白眉を垂らして笑う彼がいた。
手紙の文末には「君が好きそうな響きを見つけたので、一緒におくります」と書かれて ....
駐車場にちゃぶ台があって
さも当然のことのように
家族がそれを囲んでいる
夕飯
一家団欒
座布団もない
ただ、ちゃぶ台だけ


楽しそうな会話
夕日が横顔を照らす
ひじきの煮物
 ....
胡瓜がある
美しい弧
青々とした肌
適度な間隔を開け
並ぶ突起

私の若い頃には
胡瓜は地を這い
地と接する腹は白かった
緑と白、間に黄色
あの化粧っ気のない胡瓜
最近見なくなっ ....
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