{引用=伝わらない色々を
伝えようとする色々でかきまぜれば
伝えたくてしかたがない}

口にすれば単純な言葉ほど
意味は遥かに広く遠く薄れて消えそうに思えて
やはり口にできない

人を ....
いつの間にか春だった

去年の夏に出した
扇風機は秋を過ぎ冬の間も
僕の部屋にあって
まるで使い道もない無駄な存在として
小さく佇んでいた

僕は
冬の寒さに凍えながら
扇風機を回 ....
{引用=二本の線が近づくとき

強くひかれあう
お互いをただ求めれば
いつか交わり 
やがて離れてゆくもの

けして交わることのない平行に引かれた
二本の線は淋しそうな隙間をのぞかせて ....
夜、下町の小さなアパートで
卓上電灯の明かりを頼りに母と子は
おもちゃのロボットにシールを貼る
内職をする

一つ貼り終わるたび、子は
十銭、二十銭と数えながら
一円になるたびに正の字を ....
降り立つ場所を求めるように
あなたは漂っている

薄い羽は
強く吹かれれば千切れそうなほどで
少しの風でも
自分の思うようには進めないふうで
でも
そんな目には見えないような空気から
 ....
孤独は受け皿ですから
こぼれた何かを受け止めるのにひっしです
こんな自分でも
在る
ということに満たされている
ひとりぼっちの
ぼっちという響きが好きなように
社会の残酷さを嘆くとき
 ....
キャベツ畑の真ん中で
僕らまるまっていた

傷つきやすいいろいろを
幾重にもくるんでいた

いたずらな風にあおられて
隠していた顔をのぞかせると
そこには海が広がっていた

一歩も動けずにいたのに
海 ....
そして穏やかに日は暮れる

夕方の公園には
足跡だけが残されている

子供たちや
その親の
杖をついた跡もあるから
お年寄りもいたのだろう

桜の枝が手をのばすベンチの下で
そん ....
     妹

次郎の妹は、だいぶ前から次郎にしか見えなくなっていました。
次郎は最初の頃、自分には妹が見えるのだと喜んでいましたが、お父さんやお母さんが、次郎が見て見てと言うたびに泣いてしま ....
どんなに悲しいことがあっても
僕は生きてゆけそうです

昨日まで降り続いた雨は止み
久しぶりの陽射しをうけた草花が
深呼吸をするみたいに
みな空を仰いでいました

光と水と二酸化炭素か ....
頼りない指先で
ちょうちょ結びをしてみせる

羽の大きさをそろえようとすると
紐の長さがあわなくなって
悔しそうに
また結び直している

手をつないで歩くとき
からめた指がほどけない ....
暗雲の下で僕は震える

苦し紛れに
淋しいと呟いてみる
身体に蓄えていたぬくもりが
抜け出してゆく感覚を知っている

昨日咲き誇っていた桜は
今日にはだいぶ散ってしまったそうだ
春と ....
冷蔵庫の中で
口をあけた箱に手をのばす

寒いときに冷たいものを食べるのは
ちょっと悲しいときだったりする

僕は
あまりに冷たいので
うまうま
という口のかたちになってしまうから
 ....
閉じたまぶたの裏側に
涙が透明なまくをつくるとき

あなたは
色褪せそうな今日を
濡らさぬように浮かべます

同じ空の下には
それぞれの時が流れていて
それはけして
噛み合うものではないけれど

どう ....
うたうたうあなたの口もとに
ほほつたう涙のあじは
悲しいだけではありませんでした

にぎりしめた砂の声を
聞いたことがあるだろうか
互いにこすれあいながら
小さくなってゆく声 ....
まず詩を読んでもらいたい。

 花は自らの美しさを知らず
 自らの美しさを語らず

 ゆえに美しさは
 美しいと思う心に常に宿る

たとえば僕が誰かに「美しいですね」と言った ....
その確率で失うものがあるのなら
その確率で得られるものも
きっとある

味わった悲しみは
次の喜びを増すためにあると
誰かが言っていました
先日花見にでかけたのですが
今年の桜は遅く満 ....
肩にまわした枝先から
次々に花が咲くように思えたのは
良く晴れた陽のまぶしさでなく
あれはそう
池のほとりから身を投げ出して
舞う花びらをつかまえようとした
少し危うげな
それでいて柔ら ....
カタカタとうるさいので
押さえ込んで黙らせようとしたら
わっと吹きこぼれてしまった

ほんと
どうしょうもないあたし

   
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした

まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
 ....
生気を吸い取る集煙機
立ち昇る煙は最後の声もあげず
おいしい匂いを残して消えてゆく

金網にしがみつきながら
お前がたらす肉汁は涙のようにきれいだ

虚しい抵抗の果てに
辛口 ....
やわらかくまるめた白い手で
小さな風をつくってみせる

あなたは細く揺れながら
笑うほど
大きく咲いている

感情の枝先にふれれば
おこったようなそぶりで
その
白い身体をしならせ ....
噛み合うことのない歯車のように
孤独は在り続ける

カラカラと輪っかの中を駆けている
小さな身体を懸命に動かしても
輪っかは空回りするだけで

前に進むこともなく
ただ同じところを回り ....
嘘つきは目を見ればわかるなんて嘘だ

「きみなんかきらいだ」
「あなたなんてきらいよ」と言い合ったとき

僕らは目を閉じたまま
真実を確かめ合ったじゃないか

  
手のひらを日傘にして
眩しそうにする

あなたの顔の半分は照れている
隙間という隙間から
光は影を埋めようと入り込む

もうちょっとと思える瞬間が好き

たとえば少し困らせて
泳い ....
(お金なんていらない)

昨日、100円のおにぎりが買えませんでした。
財布の中には104円あっても、
税込み105円のおにぎりが買えませんでした。
コンビニの店員さんは残念そうで、
僕は ....
ここに花が咲いているとして

その花を咲かせたのは
あなたでした

思い浮かべることで
薄れてしまう色があることを知っている
あなたは現実に咲かせようと
いくつかのきれいな ....
小学校4年生のとき
はじめて「せっくす」という言葉を理解した

小学校5年生のとき
クラスの女の子に
「ねぇ せっくすしよっか」て言われて
股の間をさわられた
赤くなって黙った ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく

あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
もしかしてしかですか?
いえいえ、もしかしなくてもしかでした
もしかしてかもしかもですか?
はいはい、もしかしなくてもかもしかもでした
もしかしてしかもかもしかもですか?
そう ....
ベンジャミン(729)
タイトル カテゴリ Point 日付
ありふれた愛の歌自由詩6*05/4/21 4:33
冬の扇風機自由詩5*05/4/20 14:59
交わらない線自由詩4*05/4/20 4:35
生きている工場自由詩9*05/4/18 23:33
波間の蝶自由詩5*05/4/18 13:05
淋しさ自由詩5*05/4/17 8:27
キャベツ畑のヨット自由詩5*05/4/16 15:38
花びらは美しく舞い落ちる[group]自由詩6*05/4/16 0:27
短い読み物を2つほど・・・ 良かったら読んでください。[group]散文(批評 ...6*05/4/14 23:05
雨が降るからこそ色を増す世界があるから[group]自由詩805/4/14 19:57
約束未詩・独白5*05/4/12 22:54
春雨自由詩3*05/4/12 1:05
うまか棒を食べながら自由詩5*05/4/11 1:38
おやすみを言いたくて自由詩305/4/10 0:26
そうやって泣けばいい自由詩405/4/9 4:30
「美しさ」について  (自分のことをつらつらと書いてます)[group]散文(批評 ...4*05/4/7 23:22
その確率で自由詩14*05/4/7 19:40
桜の木の下で[group]自由詩905/4/5 22:32
おなべのふた自由詩505/4/5 14:15
少しだけ悲しいお話をしたあとに[group]自由詩31*05/4/3 22:40
サディスティック焼肉自由詩3*05/4/3 19:16
こぶしの花自由詩305/4/2 15:13
ハムスター自由詩3*05/4/2 3:16
嘘つき自由詩5*05/4/1 7:15
木漏れ日自由詩405/3/31 11:09
お金なんていらない自由詩10*05/3/30 6:24
美しさ自由詩7*05/3/29 9:18
きたないもののように自由詩10*05/3/29 5:07
四月になればあなたは[group]自由詩22*05/3/28 19:19
もしかしてかもしかですか?自由詩505/3/27 6:10

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