あなたの癖は
テレビのリモコンを
上から順に押し続けること
次から次に変わる画面を見ていても
きっとつまらないだろうに
それでもあなたは
押し続ける

あきらめたように
最後のスイッ ....
陽だまりの光をあつめて
手のひらですくうようにしたら
伝わってくる温もりが
静かにあふれていた

あなたはいつも
そんな仕草を当たり前のように
僕に見せてくれる
見えないものを見えるよ ....
ぽつりぽつりぽつり

ひとり部屋にたたずみ
いくつもの雨音に呼び起こされる色々

色鉛筆で
一番最初に減ってしまうのは青色でした
空の色なんてわからないけれど
白い画用紙に  ....
いちにちにいくつもおくすりのんで
そんなじぶんにさよならしたいと
あなたはいった

だから僕は
それは神様が与えた試練なんだよと
やさしそうな言葉でつきはなした

わたしは ....
きれいな空があるって知っていても
それをいつも忘れている気がする

空が街に沈んで街が空に昇り
そうやって今日が終わろうとするとき

おだやかに眠るための記憶が
きりりとした感 ....
誰もいない教室は
おだやかな海のように静かで

窓から見える空は
泳げそうなほど広がっている

そこにはただ
さんさんと降りそそぐ光が
とっても小さな粒子になって踊り
いたるところで ....
透明水晶の中に閉じ込められた
それはおそらく綺麗な記憶

本当はガラスかもしれない
時が流れるほどに透明はうすれ

あまりに遠く感じる頃に見ると
そこにはもう自分しか映らない

目の ....
真っ白だったところに
思い出はときおり順番もなく
まるで誰かの落書きのように在る
それはたしかに自分が経験したことや
自分が学んだものであるはずなのに
忘れてしまいたいことほど鮮明で
忘れ ....
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ

じめっとした空気の中で
さらっとした表情で
陽だまりの
あたたかい記憶を抱いて

梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ

小さく動く前あしで
水のない空 ....
つんとする
すねているわけでもなく

つんとする
鼻の奥じゃなくて胸の奥

つんとする
潮風を吸い込んだときに似ている

つんとする
悲しいことが積もったときに似ている

つん ....
自由を弄ぶように
放たれた色

その花びらは
背景を飲み込んでしまうほど
鮮やかにひろがっている
重たい首をしならせながら
それでも
うつむかないように

あなたは
その滑らかな ....
{引用=それから僕らは目を閉じて
懐かしい記憶がまるで現実になるのを
ただ暗闇の中に見つめるしかなかった

夜は
真っ暗なだけじゃないと
遠い星々がささやいている
けれど確かにその暗さは ....
{引用=白と黒の間の色を
あなたは透明だと言う

僕はたぶん
灰色なんじゃないかと
だって透明は色として見えないし
白を透かせば白に見えて
黒を透かせば黒に見えるでしょ?って
言いたい ....
{引用=砂漠のように乾燥して
地球を一周してきたような風が
ビルという山脈の間を駆け抜ける
巻き上げられたように歩く
人の群れの行く先は
小さな箱みたいな
壁に閉ざされたわずか ....
子供の頃に見た
昼間の夜空を覚えている

小さな光の点を
本当の星だと思っていた

プラネタリウム

その言葉の響きの良さも
好きだった

そして
今でもときどき思うんだ

 ....
あなたの瞳にうつるものが
どんなにあなたを悲しくしているか
どれほど考えてもわかりません

あなたの背中がいったいなにを
どれだけ背負ってそんなにも
淋しく見えるのかわかりません

け ....
そこにあるものは
あまりに透明だったので
気づくことさえ難しかったのです

たとえば自然を書くことは簡単で
木や空や海を書けば良いのですが
それらをつなぐものを書くのは
たいへん難しいこ ....
ココアが飲みたくなって
君に「ココアどこ?」ってきいたら
君は心配そうに近づいてきて
おでこの熱をはかってくれた

僕はあわてて
「違うんだよ」
「ここはどこ?じゃなくて」って
言い終 ....
皮肉なものですね

愚痴をこぼしたくなるとき
その愚痴を聞いてくれ人は
愚痴なんか聞かせたくない人だったりする

遠まわしな言葉が
あなたの
うんうんという相槌とともに
だんだんと本 ....
{引用=まるでスワローテイル

君はいつも強がってばかりで
悲しいことを悲しいようには言わないから
いったいどれほどの悲しみが
君をそんなに強くしてしまったのかを考えてみた

そんなある ....
姿の無いものの気配がする
ガラス戸が小さくカタカタといって
何処か遠くの出来事を伝えようとしているのか
本当のことは良くわからない

日常の大部分は
そうやって解体されることなく消化される ....
小指の先が
少し内側に曲がっているのを
あなたは気にしているようでしたが

ペンを走らせるとき
他の指から少し離れているのが
文字のかわりに飛び跳ねているみたいで
好きでした

あな ....
ひとつひとつ
家の窓にあかりがともりはじめて
空がかたちをなくしてしまうと
淋しさみたいな感情が
行き場を探す

そんなときは目を閉じて
くっきりと晴れた日の
空を思い出すんだ  ....
悠々と空を飛ぶ鳥に生まれたかった
大地に根をはる木に生まれたかった
水を泳ぎまわる魚に生まれたかった

さなぎから蝶になるように
そんなふうに美しくなりたかった

彼らのような日々を過ご ....
聞かせてください

そうは言っても
何も話さなくていいですから
声に出さなくていいですから
胸の奥で呼吸するみたいに
言葉を浮かべてください

生きていればあたりまえに
辛いことや悲 ....
長いトンネルを抜けると
また長いトンネルだった

不思議に思って
後ろを振り返ってみても
やっぱりトンネルだった

はるか前方を見ても
やっぱりトンネルが続いていて

入り口まで戻 ....
レンズの先
逆光が眩しかった
それ以上に、ああそうだ
季節の躍動感が眩しかった
シャッターをきるようにして
日々がめくられてゆくなら
その少しの変化を刻んで
残してゆこう

刹那は
 ....
{引用=姉の子供が遊びにくると
正直こわい

加減を知らない無邪気なキック
ちょうどみぞおちにくる頭突き
誰から教わったのか知らないが
姉の技に良く似ているのは確か

「遊 ....
やさしい人たちの目はとてもきれいで
うけとめた光をそのままたたえている

やさしい人たちの声はとてもおだやかで
きもちよく起きた朝の鳥の声に似ている

やさしい人たちの言葉はただただやさし ....
遠くの景色が色あせて見えるのは
きっと目の錯覚ではないのだと
あなたは言う

僕はその意味がわからなくて
朝から晩まで遠くの景色を眺め続けた

そうやっているうちに
五月が終わろうとし ....
ベンジャミン(729)
タイトル カテゴリ Point 日付
スイッチ自由詩5*10/7/6 0:24
手のひらの中の午後自由詩8*10/7/3 23:02
「ふるえるように雨がふる」自由詩1*10/7/2 13:04
「試練」自由詩1*10/6/30 22:16
「きれいな空があることを」自由詩4*10/6/28 23:36
夏の窓辺自由詩2*10/6/27 0:13
思い出という記憶自由詩0*10/6/24 5:25
めまい自由詩5*10/6/21 23:09
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ自由詩6*10/6/20 0:06
つんとする自由詩4*10/6/18 0:34
「ひまわり」自由詩3*10/6/17 0:06
自由詩1*10/6/16 2:55
白と黒の調和自由詩3*10/6/15 2:12
砂塵の街自由詩4*10/6/13 21:55
「プラネタリウム」自由詩3*10/6/12 23:21
「湿度」自由詩17*10/6/11 0:00
「恋と詩と」自由詩2*10/6/9 23:33
「ココアどこ?」自由詩2*10/6/8 22:14
「愚痴をこぼす」自由詩8*10/6/7 23:34
「スワローテイル」自由詩4*10/6/6 18:13
「遠雷」自由詩6*10/6/5 1:12
指先自由詩4*10/6/2 23:48
空のかたち自由詩1*10/6/2 0:29
歳月自由詩3*10/5/31 14:18
聞かせてください自由詩2*10/5/29 21:35
孤独の入り口自由詩4*10/5/28 22:27
木漏れ日カメラ自由詩2*10/5/26 15:06
いのちのリレー自由詩4*10/5/25 23:40
やさしい人たち自由詩6*10/5/24 22:21
夏のゆらぎ自由詩1*10/5/23 2:11

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