空を飛べたらいいのに

鳥のように器用じゃなくても
どんなに不器用でもいいから

空を飛べたらいいのに

小さな悩み事一つ越えるくらい
そんな僅かな浮力でもいいから

空を飛べたら ....
あれはまったく夢なんだ
夢を現実だと思ってしまう錯覚のようなものだ

さっきまで僕は読みかけの本に埋もれて
読みかけの本のストーリーの中にひっそりといて
自分がストーリーになることなんて考え ....
・・・

AM1:50
自分としては長い詩をパチパチとサイトに投稿しようと入力する

・・・

AM3:00
いよいよ送信すれば投稿完了という自分としては力作の詩が
パソコンがフリー ....
闇に明かりを灯すには
わたしは酷く弱いけれど

今日と明日をわたる頃
わたしは静かに燃え上がり
そして朝日が昇る頃
わたしの明日は確かになってゆく

弱いいのちはけれども強く
意志あ ....
真っ白な自分を覚えていない

それはまったく当然で
内側を覗きこんで見れば
それは記憶や想いで彩られ
余白は新しく描かれる何かを
ただ静かに待っている


自分という場所の
ちょう ....
すばらしいうたをうたおう

すばらしさの意味など考えず
すばらしさの響きを信じるままに
あなたの中のすばらしいうたをうたおう

たとえば隣にいる誰かが
ふっと笑顔になるくらいの

自 ....
子猫を抱き上げるような眼差しで
この街を歩く人は少ない

真剣に生きようとする人の眼光は鋭く
何かを諦めたような人の眼は暗い

そんな視線が複雑に交差しているのを
私の視線は知らずに追い ....
家族といっても母とふたり

小さな箱のような部屋を
小さく切り取ったテーブルに
向かい合うことは少ない

たとえば小さい頃は鍵っ子で
学校から帰っても一人
母は生きるために働くことに懸 ....
わたしを動かしている
脈々とした流れが在る

指の先まで細くゆきわたる
見えないはずの赤い糸が
ふつふつと啼いている

うずくのとは違う反応が
浮かんだ言葉を紙にならべて
つかの間な ....
やさしさを込めたはずの言葉の前に
氷のように冷たい壁を感じるのは
わたしの中の本当だからです

どうしても感じずにはいられない
わたしの中の冷えきったもの
それが目の前に在るのです

 ....
何かをこらえるときに
下くちびるを噛むせいで
わたしのくちびるはいつも痛んでいる

本当に痛んでいるのはきっと
こころというものであるはずなのに
わたしはわたしの痛んだくちびるの
その細 ....
満たされないものは何か
一人分の静かな夜が
季節の終わりに問いかけてくる

それを孤独と呼ぶ人もいるけれど
一人でいることと孤独は異なると
何時か何かの文章に書いてありました

{引用 ....
風がないので動けないのか
止まったままの風車が
申し訳なさそうに立っている

手のひらをめいいっぱい広げて
わずかな空気をとらえたら
小さな風が生まれた

見えない風が水田の上を走り
 ....
夜の匂い

風にのって運ばれてくる秋の気配
近づいてくるものがあるとき
遠ざかるものがあることを
忘れないでいたい

街灯の下に積まれた
夏虫の死骸をよけて歩く

漂う ....
波打ち際で
寄せ返す白線を
追いかけたり逃げたり

入るつもりもなかったのに
いつの間にか裸足になって冷たくて
まくったズボンが不意の波にずぶ濡れて
そういう夏を何度も繰り返していた
 ....
ゆらめいて
いくつもの色がゆらめいて
地上に暮らす僕は
少し先の陽炎に
夏を見る

そうしているうちにも
流れてゆくすべてが
今日を何処かへ運んでしまうので

僕は何か大切なものを ....
{引用=昨日よりもまた
いっそう暗い森の中にひとり
わたしの孤独がそうさせるので
見えない人にむかってはなしかける
どうせ見えないのだからと
目を閉じたまま
思いつくままの言葉を語る
い ....
イモムシ 這っている

イモムシを 見下ろしている

何日かしたら 空を飛ぶようになる

イモムシは そのときまで這っている

イモムシが 飛べるようになったら見える

それまで  ....
とどめておくことが難しいものほど
愛しいのは何故なのかしらと
突然あなたが呟いたので
僕は何とか返事をしようとしたけれど

何でだろうねと言うのが精一杯で
その表情がおかしかったのか
あ ....
ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
{引用=小さいものだから小さいと思うことは
なんて簡単なことなのだろう

車で仔猫をひいた

ひく前に
「ああ ひいてしまう」と、思う間があった
思ったとおり

何とも言えない音が伝 ....
公園の芝生と歩道の段差くらいの
遠い昔のあなたを思い出すと
とっても小さかったのに
空がさわれるほど近かったことが
さほど不思議でないことは
どこかで覚えているものです
 
どうして涙がでるのだろう
動物園にいるゾウさんが
真っ黒な瞳をきらっとさせて
乾いた風に吹かれる中を
のっしのっしと歩きながら

どうして涙がでるのだろう
目にゴミが入ったのだと
あの ....
発声練習ですと
飛べない鳥が鳴いている
それがまるで哀れにきこえるのは
わたしの中に在る冷酷さです
もしかしたら本当に
飛べない鳥は哀れに鳴いて
飛べないことを嘆いていても
わたしはきっ ....
僕はそのままの姿勢でいたかった
分度器ではかったような角度をたもったまま
もう起き上がらないでいたかった

まっすぐでいることは
まるで奇跡のようです

光は希望のたとえとして瞳の水晶に ....
{引用=辛い夜を過ごして
束の間
平穏な時間が流れるとき

あなたのそばに
神様がいることを
あなたにとっての神様を
感じることがある

それくらい
神様はひっそりといる
眩しい ....
ここではいつも
少しずつ違う絵が描かれている

だから
少しずつ違うことを忘れてしまう

垂れ流した絵の具が
しがみつくようにして
一つの記憶になる

曖昧な残像に縁取られて
一 ....
言葉よ、さようなら
わたしの中に、在ったものが
まったくちがう世界へ、ゆくのです

イメージや感情や
そういった、見えないものが
見えるようになって、現れるのです

意味を持たされても ....
{引用=さようなら
と、呟いて見送った涙
呟いた、さようなら、は
涙にむかって
そう
わたしの中でもっとも純粋な
透明な、わたしだった
抜け落ちる髪よりも
切り取る爪よりも
わたしは ....
幸せを夢見て眠れたころは
ぬくっとした肌にふれるすべてが
ただやさしく感じられた
何だかくすぐったくて
なかなか眠れなかった
わくわくするとか
どきどきするとか
言葉にするとうすっぺらい ....
ベンジャミン(729)
タイトル カテゴリ Point 日付
おだやかに浮いている自由詩4*11/1/23 1:57
「コンセントガール」自由詩3*11/1/21 2:14
「ある詩書きのある日のAM」自由詩1*11/1/20 3:50
「燃えるいのち」自由詩3*11/1/18 0:54
自分という場所の中で自分を見る自由詩1*11/1/15 2:21
「すばらしいうた」自由詩0*11/1/9 1:44
「視線」自由詩4*10/12/27 1:53
家族の時間自由詩9*10/11/22 18:38
「沸点」自由詩4*10/9/5 2:07
氷のように冷たいもの自由詩4*10/9/3 4:37
くちづけ自由詩4*10/9/2 0:57
眠れぬままに迎えた夜明け自由詩3*10/8/24 1:58
「風車」自由詩3*10/8/17 0:22
「遠ざかる季節に向かって、さよならを言うまえに」自由詩3*10/8/15 0:42
海へ行こうと思うとき自由詩3*10/8/11 23:19
「虹」自由詩7*10/8/8 23:45
暗い森自由詩4*10/8/7 1:28
「イモムシ」自由詩2*10/8/6 1:50
花びら自由詩3*10/8/3 23:39
セミ自由詩9*10/7/31 0:11
「路傍のいのち」自由詩210/7/27 1:01
遠い昔のあなた自由詩1*10/7/25 1:33
どうして涙がでるのだろう自由詩1*10/7/24 1:29
「飛べない鳥が鳴くように」自由詩2*10/7/22 0:58
「屈折」自由詩2*10/7/19 23:49
「あなたのそばにいる神様」自由詩2*10/7/13 14:22
「記憶」自由詩3*10/7/12 14:23
「言葉よ、さようなら」自由詩5*10/7/11 2:16
「喪失」自由詩1*10/7/9 2:14
スーペリア自由詩1*10/7/7 2:05

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