子供のころは簡単だった
青いクレヨンで雲のかたちをくりぬけば
それが空だと言えたけど


いま僕が描こうとしてる
この空には青が足りない


たくさんのことを知ると
たくさんのこと ....
季節はずれの花粉のせいなのだと
説明する僕のことを

受話器のむこうで
君がくすくすと笑っている

きのう雨の中でけんかして
雨なのか涙なのかわからなく濡れたふたりが
いまはこうして傘 ....
もっときれいな出来事が あってもいい


良い事をするのは
良い事だと教えられた 僕ら

悪い事をするのは
悪い事だと教えられた 僕ら

昨日のニュースで聞いた事
思い出したくない ....

プラットホームの端っこで
小さく手を振る人がいる


動き出す列車の背中には
きっと誰かの

そう
見送る視線のその先には
きっとそんな

夏の終わりが ....
幼い頃に覚えた童謡を口ずさんでみれば
なぜか悲しい気持ちがわいてきて
もしかしたら
うたの歌詞が悲しいのかもしれないと
確かめるように繰り返してしまう


夏と秋のさかいめは
きっ ....
膨らんでゆく不安を感じていた
知らない人とすれ違うたびに
増してゆく孤独があった

遠のいてゆく誰かの背中に
思いつく限りの名前を呼んで
立ち止まらせたいと思ったのは

それが優しさだ ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
となり街にある
パン屋のお兄さんはいつも笑っている


入り口の貼り紙には
「冷めないうちに食べてください」と書いてあって

お店のショーケースにもところどころに
「冷めないうちに食べ ....
目を閉じてひゃく数えるあいだの
静けさがこわかった

(いーち にーい さーん)

ぼくはずるだと言われるのがいやだったから
はんぶん泣きそうになりながらゆっくりと

(しーい ごーお ....
「サンタマリア」

僕は神様の名前を
あなたしか知らないけれど
僕は神様の存在を
信じたことはありませんでした

「サンタマリア」

僕にも名前があるけれど
あなたは知って ....
飛ぶ夢を見たことがある


動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ

そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
聞こえるはずもない
花のつぼみがひらく音

それが優しい歌に聞こえて


蝶がちゅるりと
その花の蜜を吸うとき

それが優しい歌に聞こえるから


ぷーんと飛んできた蜂が
そ ....
そこかしこに扉はあって

それは
いろんなところにつながっている

何気ない会話の
ほんの小さなやりとりにも
そんな扉がひそんでいるから

いつでもどこでも
特別を感じられるんだ
 ....
その小さな身体には大きすぎる
僕の白いYシャツを着た君を見て


窓に浮かぶ思い出
ある日ならんで歩いた海岸で
せまってくる白線をとびこえては
水しぶきをあげてはしゃいでいた


 ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
なんとなく気分のいい日には

枝を揺らす風だとか
キラキラした川面だとかを
鼻歌にして口ずさむ

そうやって

枝を揺らす風はやさしいなぁ
キラキラした川面はきれいだなぁ  ....
交差点の真ん中で
すすむ方向を見失う

ゆらりゆらぐとき
ふわりうすく浮き上がる
今を引きのばせば

わずかな希望を羽にして
けして上手くはないけれど

音なく羽ばたく
儚く ....
自転車にまたがれば

ペダルにのせた足と
地面を蹴るかわりに
転がってゆくタイヤ

地球がまあるいのは
教科書でしか
知らないことだけど

その時生まれる風が
何処から吹いてくる ....
台風一家のパパは風、ママは雨

一人息子は快晴で
パパとママがいないとき

僕らをそっと照らしてくれます
今日が終わる
その少し手前で

ひとつ足りないことに気づく

いつものように
君を送りとどけた駅で

「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない

ひとつ ....
線が
小さな点の集まりだと知ったのは
まだ恋なんて知らない
幼い頃のことでした

とぎれとぎれに
一つ一つの出会いがあるように思えても

振り返ればなぜか
すべてがつながっているよう ....
じんべえって
まるで人の名前みたいだ

こんな夏の日に
すっかり涼しい顔をして
遊びに行こうって言っている



(ほら、じんべえ
 祭りばやしがきこえるよ)



ふわっ ....
まだ幻になるには早すぎる夏

したたる汗を拭きながら
影を引きずってみる

昼下がり
気がつけば青信号は点滅し
横断歩道は白くアスファルトを削っている

そしてゆらりと
行き過ぎる ....
焦らずに生きよう

吸い込んだ空気の味を確かめるように
君は口の中でその言葉を噛み砕き
ため息に混ぜて吐く

空のむこう

酸素のない宇宙空間に
君の知らない自由があるとしても
そ ....
忙しいと言いながら
忙しそうにしている人がいた

忙しい毎日が嫌だとぼやきながら
忙しいのは何故かしらと呟きながら

忙しさから解放されそうになると
忙しく何かを探しはじめる

忙し ....
うまく笑おうとすれば
すっかりゆがんでしまったのは

自分の心だと気づいた

小さい頃
クレヨンで描いた自画像は
まるで似ていなかったけれど
それはきっと

心で描いたからなんだ
 ....
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから

少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました

悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど

晴れわたる空に喜びは
 ....
気がつけば
見上げるのを忘れるほどの暑さ

八月の太陽は
僕の服を一枚ずつ脱がしてゆく

ぜんぶ脱ぎ捨ててしまおう

そう思えるくらいの
光線を放っていたはずなのに

いつの間に ....
   http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=43408



「でもルールー
 思ってたより
 生きることは難しいよ」


そんな呼びかけの ....
空を飛びたいわけじゃない

からだいっぱい手のひら広げ

君を受けとめたいんだよ
ベンジャミン(729)
タイトル カテゴリ Point 日付
この空には青が足りない[group]自由詩17*05/9/24 2:00
僕はくしゃみをする自由詩12*05/9/21 2:20
もっときれいな出来事が自由詩7*05/9/21 0:57
「夏の終わり」(コラボレート作品)自由詩1105/9/20 3:51
夏と秋のさかいめは、きっとこんな夕暮れ[group]自由詩14*05/9/16 15:51
スクランブル交差点の真中で自由詩10*05/9/15 5:29
夏からの手紙[group]自由詩14*05/9/13 0:11
パン屋のお兄さんは、やわらかい笑顔をしている[group]自由詩12*05/9/11 9:07
ぼくは鬼ごっこの名人だったんだ[group]自由詩13*05/9/9 11:13
神様の名前自由詩6*05/9/8 12:39
空を飛ばないダチョウにも翼がある[group]自由詩13*05/9/6 2:19
それが優しい歌に聞こえる[group]自由詩11*05/9/5 15:49
どこでもポエム自由詩10*05/9/3 14:03
Yシャツと君と自由詩9*05/9/2 22:26
夜の地下鉄は海の匂いがする[group]自由詩52*05/8/31 7:05
鼻歌自由詩12*05/8/28 10:44
カゲロウ自由詩10*05/8/27 17:19
夏をのせて自由詩6*05/8/26 18:41
台風一家自由詩4*05/8/26 2:17
ひとつ足りない自由詩17*05/8/24 22:45
点と線(そして座標)自由詩12*05/8/22 1:04
じんべえ自由詩9*05/8/22 0:51
陽炎自由詩12*05/8/18 23:21
空のむこう自由詩8*05/8/16 21:17
忙しい人自由詩13*05/8/13 3:51
鏡の前で自由詩9*05/8/12 3:57
空色の絵の具自由詩17*05/8/8 22:20
八月の太陽[group]自由詩6*05/8/5 0:16
ザラメさん「弱いものから消えてゆく」を読んで (感想文)[group]散文(批評 ...105/7/31 21:33
ムササビ自由詩5*05/7/31 6:47

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