英語の先生が教えてくれた
一番長い単語は

「smiles」

最初の「s」から
最後の「s」まで
1マイル

たとえば僕が笑顔のままで
1マイル
歩きとおせたとしたら
もっと ....
世界はつながっているというのに
僕はまだその本当の姿を知らない

どこかで争いがおこっているというのに
僕はただ祈ることしかできない


それなのに僕は
まるで赤ん坊のように
泣 ....
{引用=赤い木の実の瞳から
流れる涙は止まりませんでした}


身体の悪い妹に
この冬はどうにも寒すぎて
コンコン、コンコンと
咳を繰り返すたびに
雪が降り積もります

それでも妹 ....
いっぴきのむしけら

どこからまよいこんだのか
へやのなかをあるいている

へんおんどうぶつのおまえだから
まふゆのさむさにうごきもにぶい

かんたんにつかまえて
ちょっとち ....
求めるほどに遠ざかる


たとえばそれは
恋する心の言葉たち

愛してると言うほどに
何かが薄れてしまいそうで
それを補う言葉を
また探そうとする


求めるほどに遠ざかる


たとえばそれは
つ ....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた

まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
真夜中眠れずかぞえた羊
眠ろうとするほどに増えてゆく

小さな柵をとびこえて

いつしかそれは羊ではなく
羊のようなものになって

やたらと足が長かったり
やたらと顔が大きかったり

すっかり見とれて ....
私は何も無いものを持っている


全て捨てさってしまった日から
いったいどれだけの月日が流れただろう
空っぽになることで満たされたのは
きっと悲しみだったはずなのに

いつの間にか
笑うことができるよ ....
待ち合い室の窓辺には
枯れそうな観葉植物がいて
誰もそれに気付かないまま
誰もがうつむいている

ただ水をあげればいい

枯れそうな観葉植物は
まだ枯れてはいないのだし
渇きをいやせれば
また青々とし ....
新雪におおわれた道を歩くと
冷たさに耐えかねたような
声が聞こえる

きゅっ きゅっ
きゅっ きゅっ

粉雪は互いの隙間を埋めながら
その度に小さな声で鳴く

きゅっ きゅっ
き ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション
 ....
空は何も忘れはしない

それは始めから何も覚えていないからだと
古い本に書いてあった

それは確かに詩人の言葉だと
子供ながらに納得したことは
はっきりと覚えている


冬空にカイ ....
{引用=(僕らは保護されている)}


アロワナの眼はとても冷たく
その奥には捕食者としての強さと威厳を秘めている
サバイバルナイフのような身体をうねらせて
発達した顎で甲殻類をも ....
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える

蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している


神様が生まれた日に
自分の存在以外に ....
赤と緑が
美しく共存する

いつからかクリスマスのシンボルとして
家々に飾られるようになった
花を守るために
葉が変化したという


赤い花苞


この世界には
今も ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている


私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う

すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
どうしてこんなに冬は寒く
こうして身体をふるわせる

秋をくるんだ
あの真っ赤な太陽は
暮れゆく一日に束の間の
焦がれる時をくれたではないか

降り散る枯葉のひとつにも
哀れを誘う言 ....
「虫」に「文」と書いて「蚊」

と、言われても
今ひとつ得心のいかないわたしは
たとえば
ぶーん、と飛んでいるから
「蚊」と書くのだろうか?とか
飛んでいる奴をつかまえようとする様が
 ....
疲れ果てて座り込んでいた


あなたは
公園のベンチで
まるで影が貼りついているみたいに
立ち上がることができないほどの


そんな悲しみでした


いつしかそれは
頬つ ....
地を這う思いを味わって

孤独の淵をさまよって

硬い殻を破れたなら

優しく

美しい

チョウになれる


   
花の名前を知らない僕は
きれいな花を見つけても
誰にも教えてあげられない

植物図鑑を一冊買って
花の名前を覚えよう

いつ芽が出て
いつ花が咲くのか覚えよう

小さな庭に種をまい ....
アナタ トテモ ツカレチマッテ イル ラシイジャンカ
ユビノサキマデ シビレチマッテ イル ラシイジャンカ

ソレハ タイソウナァ クロウダァ クロウダァ
ソレヲ ダレカニ シッテモライタイッ ....
多くの星が
自ら輝くことができないように
僕らもまた
自ら輝くことはむずかしい

たとえば僕がそうであるように
一つとして同じものなどない
そんな僕ら星のかけらたち

一つの存在が放 ....
白いチョークで
道路にドアを描いている

白いチョークでは
どんなものも白く描かれるから

羽を描いても
飛ぶための空が描けない

だから僕は
ドアを描こうとしている ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく

私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
「引越しするので手伝ってください」

久しぶりの幼馴染からのメールを見て
行くとあらかた荷物は片付いていたのに
ただ
アルバムや卒業文集が
ダンボールのわきに積み上げられていて
それが手 ....
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
海岸にうちあげられた貝殻は
まるで磨かれたつめのようでした

わたしはその上を裸足になって
割らないように歩きました

もう冬の寒さの中
波しぶきが雪のように舞う日のことです

痛い ....
中学のころ
教科書の中に出てきた

ナンシーに会いたい

タケシの家にホームステイで来ただけなのに
のこのこ学校までついてきて
わざわざ英語を教えてくれたナンシー

ナンシーに会いた ....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました

空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました


 ....
ベンジャミン(729)
タイトル カテゴリ Point 日付
笑顔までの1マイル自由詩4*06/1/24 6:50
それなのに僕は自由詩5*06/1/20 2:40
雪うさぎ自由詩6*06/1/17 11:26
いっぴきのむしけら自由詩4*06/1/16 15:20
求めるほどに遠ざかる自由詩2*06/1/15 3:03
アライグマと石鹸自由詩11*06/1/14 22:52
真夜中の羊自由詩4*06/1/14 0:43
I have nothing自由詩4*06/1/13 4:48
白い待ち合い室で自由詩5*06/1/11 12:13
なきゆき自由詩5*06/1/9 6:02
流星群の夜自由詩11*06/1/2 22:32
カイト自由詩5*06/1/1 4:17
アロワナ未詩・独白3*05/12/29 20:38
神様が生まれた日に自由詩9*05/12/25 7:35
ポインセチア自由詩5*05/12/18 8:38
北風の工場自由詩14*05/12/16 1:43
どうしてこんなに冬は寒く自由詩4*05/12/13 14:01
文蚊論自由詩2*05/12/12 23:47
名前の無い涙のために自由詩3*05/12/10 21:27
チョウ自由詩0*05/12/4 22:09
笑顔の種自由詩9*05/12/3 23:56
こんな夜に見上げる星の下で自由詩3*05/12/2 23:51
星のかけら自由詩6*05/12/2 0:10
白いチョークで描いたドア自由詩7*05/11/30 19:15
波紋自由詩12*05/11/27 21:55
この街を去ってゆく君へ自由詩9*05/11/24 13:29
言葉が蝶のように自由詩12*05/11/20 0:07
貝殻の道の上で自由詩4*05/11/11 16:17
ナンシーに会いたい自由詩8*05/11/10 15:38
あなたへとつながる道を[group]自由詩10*05/11/9 4:03

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