私はクラゲ
坂本瞳子

姿も形もいらないから
心だけが残ればいい

クラゲのように舞うことが
できるだろうか

流されるだけでもなく
音も立てず

生命の強さを感じられることもなく
血液の温かさもしらず

けれども毒を有する
細長い触手で雁字搦めにして

なにごともなかったかのように
ふんわりと流れて行く

眉一つ動かすことなく
なき声一つあげることなく


自由詩 私はクラゲ Copyright 坂本瞳子 2017-10-22 01:00:04
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