地元走るローカル線を
 無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止める
 通りすがりの一軒家

 枝葉被った鉄の門
 奥には木造の二階建て
 厚地なカーテンひかれたままの窓
 
  ....
ふんぞりかえっても
かりもの
つぶでできたわたし
つながることで
ここにある

+++

わからないけど
わからないことが
あるんだろうな
ってわかっている
けんきょてそういう ....
○「山旅」
久しぶりの北アルプス
一月ぐらい前から楽しくなるようにプランを練っているが
天気しだいである
この天気だけはどうしょうもない

○「CM」
外見をよくするCMばかり
肝心の ....
金色に輝く
イヤリング
ささやくは
誦文であり
引きちぎられた
物質はなく

理解できない
からと
ないものねだりするより
理解している素晴らしさを
あらためて再確認している
 ....
物質と非物質の間で
艶めく貴女は、
到来した明澄な夜
より深い層、
表面に輝き浮き出させ
色と形、その調和統一
互い呼応し支え合い溶かして
色は形と成り形は色と成り

そうして、
 ....
歯医者さんの窓
いい天気
ぽかんと待ってる

歯に穴があいた僕は
言われるがまま
口をあけて

何か詰めてもらった
もう食べても大丈夫
治療は次回から

外に出たらギラギラお日 ....
 ある人を喜ばせる役目を終えて
 そのメルヒェンを忘れ果て
 路上に居る様には見えなかった
 マスコットキャラクターの小熊

 目的のある足は目も触れず通り過ぎて行く歩道で
 しゃがみ込ん ....
 
 
 既に色褪せて重たく落ちている花片を
 踏みながら歩む林の中は
 もう黄昏ている

 椿林の木立
 わずかな隙間から
 聞こえる波濤のどよめき

 腰をおろしてみなさい
 ....
拡がりが
拡がりを飲み込んで行く

私は 母の形をした服を着て
熱い、熱いと泣いている拡がりを宥める

いったいもうどんなかたちをして
街を許したらいいのか
どんなかたちをして 乞 ....
ゆうぐれ、ぼくの家のすぐ目の前にある小さな公園、だいぶ涼しくなってきた風、古いブランコがほんのすこしだけ揺れている。その座板のうえに置かれている、子供用のリコーダーには、しかし老いの枯れ葉が何まいも詰 .... 子供たちが整列をしていた
何をしているのだろう、とよく見ると
整列をしていた
身体の隅々にまでしみわたる雲のように
なだらかで滑らかだった
透明な水を植物にあげて
話すことなどもう ....
 積乱雲を想って
 紫の渦あじさい
 順呼気に澄む
 ふくらみ過ぎた花と緑は
 まるで巨大なくるみ型の舟
 或いは脳みそ 
 私はミソスープに伸ばした腕を
 食卓の
 小鉢に触れたいと ....
 「うまそうやなぁ!」
 いきなり頭上から降ってきた補佐の声
 昼休憩時
 開いたわたしのお弁当

 ほうれん草の胡麻和え
 切り干し大根の煮物に出し昆布の千切りまで入り
 かぼちゃの含 ....
あなたの手のマメを撫でれば
マイスリーが夢を見せる
そしてわたしを抱く、腕の筋肉が
風景を透かせて見せ

ウグイスが季節を外れて
空に絡まるとき
どうやって{ルビ解=ほど}けば良いのだろ ....
○「年齢確認」
コンビニで酒を買う時に
いまだに「20歳以上」を押すように
言われる
これにはいつも違和感を感じる
せめて「60歳以上」にしてほしい

○「平和ボケ」
戦争になると
 ....
 その日は夕方までに出張先を二箇所回る予定だった
 庁舎の駐車場を出発した公用車のバン
 
 走る 湖岸道路から
 雪化粧した比叡の山陵が見えて
 ハンドル握る主幹へ助手席の私はたずねる ....
 「朝顔を咲かせてきたの。」
 始業時間のチャイム鳴る前、
 いつもより遅れて出勤した私は
 理由尋ねる彼女へ答えた

 君よ 開け
 線路わきの道沿いで
 私の手が一輪の花へ伸びた
 ....
 日本海に春の来た時は
 静かに 静かに
 目をとじてみると
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 カラカラ カラカラ と
 妙に乾いた音たてて
 踊り ....
それは凄くて 彼の胸は貝がらだ
完璧な夏に 投棄された貝がらだ
涸れないことをほめるのは
ただ軽蔑するのと一緒だ

彼は{ルビ薬匙=やくさじ}を咥えさせて
蛇も寝なさそうな夢を明か ....
言いすぎたあとは
待つしかない
すでに言葉は

離れて祈っている
あなたの心が
傷ついていませんように

私とあなたは
違うということ

お酒を飲んで
黙って横になっている
 ....
 
 ジャンジャン横丁を
 制服姿の女子の二人乗りが突っ切って行ったのは
 もう十数年も前になる

 後部に座る子の脚が長いのか
 見送ると大胆に
 自転車の幅からすんなり伸びる白が左右 ....
 
 JRの車輌、
 扉の傍に立った私の向かい側にいて
 身を寄せ合う二人の男性
 
 つい見惚れてしまう私の目には
 まるで月のもと
 ただ蒼白く静まりたる世界で
 澄んだ瞳に引きし ....
もう見ることは無いと思っていた、
はっきりと思い出せなくなっていたあなたの横顔、
今こうして隣で金色の風を浴びて、
火のようにはためく髪と、
水底のような瞳が細められるのを見て、
どうしてこ ....
前に進めば
いつでも新世界
前に前に進めば
いつでも新しくなる

モヤモヤとした気分
溜め込めば重くなるばかり

一歩一歩が
軽くなるように
不要なものを捨てる

色んな刺激を ....
 雨がふっている

 雨がふると
 星が丸いな と思う

 水は火になれ
 力にもなれ
 私もまた


 雨がふっている

 雨がふると
 心が濡れた と思う

 水にお ....
 朝のスープの
 セロリの香り

 悲しかった様な気がする昨夜の夢を
 おぼえていない 朝の靄
 一匙ごと かるくスプーンを動かしていると
 一口ごと すくいとられて胸の中へ流れこむ

 ....
草原で風に吹かれて
座っている
誰かが来るのを待っている
偶然通りかかるには
あまりにも広い

知らなかった
こんなにも膝を抱えるなんて
自分自身で歩いて来た
わかっているけど
一 ....
月がきれいな夜
ゴンドラに乗って
ドラッグストアに
買い物に出かける
カビ取り剤が
20パーセント引きのクーポンで買える

「カビ取り剤を買いに来ました」
「カビ取り剤をください」
 ....
○「老老着信」
着信があると
また葬式かあ?
と思ってしまう
今度は親友危篤の着信だった

○「あとどのくらい」
僕は
あとどのくらい
生きるのだろうか
避けられない死なら
天気 ....
 いく本かの 樹が
 チロチロ陽を洩らす太い枝に一羽きて
 また二羽が来る
 小さな頭を左右に振って
 最初にきた小鳥が身を投げ出すように低空飛行
 今し方 私達が登って来た細道へ向かう
 ....
平瀬たかのりさんのおすすめリスト(850)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
廃家[まち角8]- リリー自由詩4*23-6-18
ほーほけんきょ- 日朗歩野自由詩3*23-6-18
独り言を6.18- ホカチャ ...自由詩2*23-6-18
理解するということ- 足立らど ...自由詩4*23-6-17
月の光- ひだかた ...自由詩3*23-6-17
休日の途中- 日朗歩野自由詩4*23-6-17
メルヒェン[まち角7]- リリー自由詩4*23-6-17
南の果の岬- リリー自由詩5*23-6-17
拡がり- はるな自由詩323-6-17
さずかりもの- 本田憲嵩自由詩723-6-16
夏の場面- たもつ自由詩723-6-16
六月- soft_machine自由詩8*23-6-16
愛妻弁当- リリー自由詩3*23-6-16
body- 完備 ver.2自由詩323-6-16
独り言6.15- ホカチャ ...自由詩5*23-6-15
阿吽の呼吸- リリー自由詩4+*23-6-15
金網- リリー自由詩3*23-6-12
橋立にて(「小石」改訂)- リリー自由詩7*23-6-12
夏塊つち- 蕎麦屋の ...自由詩823-6-12
父親として- 日朗歩野自由詩3*23-6-12
新世界にて[まち角6]- リリー自由詩6*23-6-10
ゼウスの子[まち角5]- リリー自由詩3*23-6-10
けさの夢- 印あかり自由詩423-6-10
新世界- 夏川ゆう自由詩323-6-9
あめ- soft_machine自由詩3*23-6-8
ひとつの歌- リリー自由詩4*23-6-8
草原で- 木葉 揺自由詩723-6-7
混ぜるな危険- チアーヌ自由詩423-6-7
独り言6.6- ホカチャ ...自由詩3*23-6-6
- リリー自由詩7*23-6-4

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