両面テープの夏
順番が赤ちゃんの指のように
そのままの柔らかさで並ぶ
あなたは何事もなかったかのように
テープを剥し続けている
食べたい冷やし中華に置かれた
名前の無い名札
息の仕方だけ ....
 ある女が 酒房に惹かれ
 やかましいその片隅に
 毎夜坐っていた

 沈んだ目が時折光る時
 女はカリカリと氷をかみ砕き
 強い酒に挑んでいる様に見えた

 何日かすぎた頃
  ....
鏡に映る自分
ずっと眺めていると
どっちが本当の自分なのか
分からなくなる

誰もが感じる
そんな感覚

私は目を閉じた
残像だけが残る
闇の世界
その向こうの
鏡の中の私は
 ....
懐かしの
ファミコンやったら
面白く
家に来る友
欲しいと思う

+++

ファミコンの
シンプルかげん
そのままに
絵だけ綺麗に
なればいいのに

+++

今ならば ....
○「表現」

全裸の女性とビキニの女性とでは
どちらがより興奮するであろうか
僕は後者であろうと思う
それは後者の方が
より強く想像力が働くからだろう
表現も似ているのかもしれない
僕 ....
 
 あれが あなたでしたか?
 傘をささずに濡れた舗道を歩いていた
 男の人

 何処か 空中を見詰めている様で
 視線をたどってみたのですが
 何もなかったので

 変な 人だ  ....
眠れない夜 眠れない夜。
窓の外には月明かりが照らしている。
その一方で、
西の国では大風が吹いている。

雨は来るのか?
雨は来るのか?
期待と不安の狭間で、

心は風鈴のような微 ....
 神への歌を忘れ果てた犬が
 夜を彷徨う
 細い脚が痩せこけた腹を支えて
 乾いた目をまっすぐ下に向けて
 舗道を行く

 俺のねぐら
 俺のねぐらは何処か?

 彼は思う
 ....
○「終活」
年をとったら
できるだけ迷惑をかけないで
生きていくことこそ
いい人生なり

○「生き比べ」
僕たち年寄りは
1日1日が
生き比べである

○「死」
同級生に僕はこ ....
日曜日の夕方
猛暑です
私がどこで何をしていても
ここは猛暑です

この世に参加して随分経ちました
参加賞を貰いましたか
まだですか
もうぼろぼろですがいつもポケットに入れています
 ....
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
可愛らしい小さな花を
踏みつけそうになった
避けようとした瞬間
目の前に大きな木が現れる

よく見ると
あれ?さっきの花?
まさかと思うが

「それってさぁ!
花が大きくなったって ....
 祇園の石段の上から
 灯の街を眺めさせたいと
 私の腕をむりやりつかんで
 つれて来た あなた

 遠い異国の昔
 王宮の血汐がはねあがった日
 革命の巴里祭
 そして日本では祇園祭 ....
 海は準備活動を終え
 ひらかれるのをを待っている
 次つぎと飛沫をあげくる
 首から下が海にとっては

 たくさんの人間達のように
 いつかは愛したいよ
 あの空の
 離れるほどそそ ....
 感じる それ
 そう過ごす時期がきて
 すべての穴 おし拡げられて
 戸惑いも

 空が必要なくらい 青いから
 蜜が欲しいくらい 痛いから
 人としても必要とされたい
 一度きり
 ....
 アタシって
 このマンションロビーのガラス張りな壁の隅で
 時たま 糸垂らしてるわ

 アタシが植え込みの陰で寝てる間に今日
 プレイロットに大きな笹飾りが持ち込まれていてね
 夕飯時さ ....
願いが叶わなかった日
遠く、命の向こう側から聞こえてくるのは
ニイニイゼミの声
毛穴から染み入り、毛細をとおって
脳内に聞こえてくる

頭上を爆撃機がかすめて飛んでいた
なのに街は箱庭の ....
君は丸いうさぎ
丸うさ

タヌキみたいでかわいいよって
いっちゃったけど
タヌキを目指すのは違うんだ

お腹を叩いたり
ちょうど良い葉っぱを探したり

キツネに会っても
勝負しち ....
こんにちは海の向こうの友達
あなたと手紙を交わした7日間のことを今
考えています

あなたの
妙に説教くさいところ
綺麗事ばかり言うところ
ロマンチックなところ
納得できないことばかり ....
夏の昼間の空は
澄んでいて
空っぽの
わたしの頭のようだと思う

どこまでも青くて
遠く冷たい宇宙と
頼りない月に
手を伸ばしている

呼吸も
愛情も
欲望も
暑くて仕方ない ....
○「人生」
生きている間は
自分の人生が確定しない
死んで初めて自分の人生が
どういうものであったかが確定する
だから人は
最後の最期まで
しっかり生きなければならない
しかし
人生 ....
雨は涙ににていてね
いつかこぼれるものなのよ

どんより空を見てごらん
うるむ瞳にみえるでしょ

雨は涙ににていてね
とまらなくなるものなのよ

空がわんわん泣くのなら
今はいっし ....
電気ポットの内側に、「ここまで」という表記があり、いつもそのずっと手前までしか水を入れられない。なぜきちんと水を満たさないのか、と言いながら、夫がコップから水を注ぎ、ぴたりと「ここまで」に合わせて ....  小さなグラスにウイスキーをなめなめ

 夜更けて
 
 行くのを知る


  そういえば私の影は何処へいったでしょう。

   「探しにでもいったのでしょう。」

  あら、何 ....
青ぞらの日の、
雑用のつみかさね、
フォークリフトに雑巾をかけ、
ゴミを拾ったり、あるいはホウキで掃いたり、
している、
どこか緩慢な、土ようびのしごと、
けれども思いのほかいそがしい、
 ....
 小鬼らの足あとに少女もはだしを載せましたら
 堪えきれない心が蒼へと染まり
 瞳に映らなくなりました

 そこから見えますか
 少女の唇が呼ぶ雨と
 少年の肩を締めつける光
 そして間 ....
○「縄文杉の祈り」(改定)

別れた勢いでやって来た
縄文杉の朝もやの中で
私は愛の祈りをささげる

宮之浦岳を越え黒潮を越えて
都会に住む君に届けとばかりに
愛の祈りをささげる

 ....
 かつて
 わたしの掌に
 高々と燃えていた火柱

 それは
 赤く 高く 太く 激しく
 掌で支え切れない程だった

   わたしの顔も 肩も 胸も
 
   焔に染まって輝 ....
電車に乗ろうとしたら
頭の先から尾ひれの先まで
すっかり人魚になっていて
人魚は乗れません、と
電車の人に断られてしまった
取引先には遅れる旨連絡をして
しばらくホームで待つことに ....
 にぎわう児童公園に
 一人やって来た その子
 砂場の隅っこにしゃがむと山を 
 つくりはじめる

 子連れの大人は
 見知らぬ子だから声を掛けてみるが
 自分のつくり始めた山に夢中な ....
平瀬たかのりさんのおすすめリスト(850)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冷やし中華、始めても- たもつ自由詩12*23-7-12
酒房の話- リリー自由詩9*23-7-12
- 銀薔薇自由詩5*23-7-11
ファミコン- 日朗歩野自由詩6*23-7-11
独り言7.11- ホカチャ ...自由詩9*23-7-11
溺死体- リリー自由詩4*23-7-11
それぞれの孤独- 朧月夜自由詩6*23-7-11
寝ぐら[まち角16]- リリー自由詩2*23-7-9
独り言7.9- ホカチャ ...自由詩5*23-7-9
日曜日の夕方- 空丸自由詩1523-7-9
集落- たもつ自由詩23*23-7-9
世界- 銀薔薇自由詩4*23-7-7
遠い夏- リリー自由詩8*23-7-7
海びらき- soft_machine自由詩423-7-6
夏がきて- soft_machine自由詩323-7-6
Female_spider_[まち角15]- リリー自由詩3*23-7-6
- 山人自由詩13*23-7-5
丸うさ- 日朗歩野自由詩7*23-7-5
海の向こうの友達へ- 秋田の米 ...自由詩423-7-4
ベランダ- utsuwa自由詩623-7-4
独り言7.4- ホカチャ ...自由詩5*23-7-4
雨について(母から子へ)- TwoRivers自由詩11*23-7-3
メモ- はるな散文(批評 ...723-7-3
夜更け- リリー自由詩5*23-7-3
土ようび- 本田憲嵩自由詩823-7-2
あやかし- soft_machine自由詩4*23-7-2
独り言7.2- ホカチャ ...自由詩4*23-7-2
月に歩く女- リリー自由詩3*23-7-2
距離- たもつ自由詩10*23-7-1
静かな山[まち角12]- リリー自由詩3*23-7-1

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