海の縞模様が 砂の城に 住んでいます。
幸いなことに 泣き方をしらないのです。
今も絶え間無く砂が この街に注がれ続け
この部屋の容積も 埋められて います。


元居た場所を け ....
つめとゆびは
20ずつあるので
ちょうどよくセットになる

わたしは
とりだせないしいくつあるかわからないので
だれともちょうどよくない
かなしい
君にふらふらしているといわれたんで

白くなろうとおもい カルピス のんだけど

肌は ひやけ したまんまで

黒くなろうとおもい コーラ のんだけど

白めは もう しろくて

 ....
夜からの雨は
屋根を洗って海へ抜けた
わたしは誰もいない店で
外で吠えている犬の声を聞きながら
小僧のように座っている
なにもすることがないとは
お客が来ないとは
本当にかなしいものであ ....
原田さんはクラスメートだ
原田さんは園芸部の副部長だ

原田さんが幽体離脱を繰り返すのは最近拾ったオッドアイの子猫のせいだと言う

原田さんはイレギュラーバウンドする
どこへ行ったのかわか ....
あい色ごしに赤をみて、
まばたきごとに星が降った
あんなにとおい星どうしが
かちかちと鳴りあうのも聞こえたよ

草は草なりに濡れ
砂はひと粒ごとに熟れて
笑いあうのが世界だね

 ....
酷い話だ
身内が横たわっていても
涙一つ出やしない

酷い話だ
悲しくならなければいけない
と自分で言い聞かせても
涙一つ出やしない

酷い話だ
死に顔をじっくり見ても
とて ....

けたたましい山羊の蹄が頭上を通過する
夕べの取引先からのメールが
全て獅子唐に変わっていた朝だ
二、三日前から不穏な空気が送電線を伝って来て
この朝の微睡みの中
それは形づいていったん ....
黄昏の街を駆けて行く影法師
眩暈にも似た既視感に
いつまでも立ち竦んでいた
きっと夜はまだ遠い

*

退屈な雨の午後
迷宮のような街を眺めていた
陰鬱な気持ちを弄ぶように
霧雨が ....
トーストセットを注文すると
今は春のキャンペーン期間中だそうで
赤い三角くじを引かされた
「お目出とうございます。当選です」
グラマラスなウェイトレスが言うには
姪っ子が一人当たったのだ ....
乾いてる軒下暮らし梅雨の日もそれが定めとうな垂れて

ほんとうに美しい玉葱の芯どうしてもほら泣いてしまいます

玉葱の玉を採ったら葱だらけでもそれは夢{ルビ二兎=にと}を追うひと

玉葱の ....
そうだ アフリカへ行こう!!

そう言って父が
長年勤めていた会社を依願退職したのは
定年への秒読みが開始された
梅雨の明けきれない
じめじめした蒸し暑い日だった
それ以来
キッチンに ....
少し横顔を見せただけで
思わせぶりに去っていく夏

雨が 家々のトタン屋根から
ライラックの葉の一枚一枚から
信号機の黒ずんだカバーから
夏を洗っていく

雨が 夜更け ....
谷中ぎんざの通りには 
石段に腰を下ろした 
紫の髪のお婆さんが 
せんべいを割り 
群がる鳩に蒔いていた。 

向かいの屋台は 
木の玩具屋で、おじさんは
「ほれっ」とベーゴマを   ....
彼女さえ太ってなけりゃ夏の海 休みの日の朝、6月
旅立ちを目の前にしたツバメの鳴き声よ
レースのカーテンを透した
陽光に包まれし温もりよ 子供たちの歌声よ

コンビニでプリンをひとつ買った 
代金を払って待っていると、 ....
トウキビの葉がゆれている
昨夜の雨に濡れたまま
まだ膝くらいの高さだが
すぐに背丈ほどにもなるだろう

トウキビはうまい だが
そんなに食べたいとは思わない
年に一度も食べられれば十分だ ....
思い出を一番から五十六番まで
USBメモリに移動して
一息
私のディスクは空(から)になる
空(から)になった空(そら)に
星が一粒
もう一粒
繋がって
絵を描く
尺取り虫が
一歩 ....
肌に艶のある小母さんが暖簾を掲げている
くいっと曲がり
小さな路地に入っていくと
木のこっぱや削り粉が雑然と置かれていて
いい匂いがする銭湯のうらっかわ

すぐ右手には
古びた人気のない ....
コーヒーショップに夏が来て
向かいの席の女子高生が
ブルーソーダを飲み始めた
青い液体をストローでチュー
コップの中身が減っていくにつれ
女子高生は足先から海になっていく
水位は下腿から太 ....
れんちゃんは犬なのに
お手もできない

ある日
このぼくにできることを数えてみた
あれと、
これと、
それに、
三日数えても尽きなかった
それで
ふと、気づいて
そうだ
ぼくに ....
遅い帰り道は
雨に濡れててらてら光る
路側の白線に沿って歩くと
導かれているようで
なんだか安心する

怖いものは何もない
たとえば気づかずに
かたつむりを踏みつぶしていた
なんてこ ....
「水の中の六月」

錆びた鉄の味のする手摺を伝って
空っぽの水槽を満たそうとする早朝
浸水された浴槽の縁を滑らないよう歩く
生まれた時から水に溢れていた




「駆け落ち」

 ....
 今夜の月は何か変だ

と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている

 えっ ひよこ?

一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
 ....
トラウマを数えていたら時間切れ ぷらすちっくの小さな筒型の編み機には
五つの突起がついていて
人造絹糸を星のかたちに結わえたら
それが
りりあんの始まり

食べ散らかした夏蜜柑の皮
白黴の生えた白パン
蟻の住処は大洪 ....
水の匂いのする
あなたの
指先の和音で
おどりだす
初夏の背表紙は
水溶性の文字たちの
ぽつぽつと吐き出す気泡で綴じられてゆく


垂直に
落ちてくる六月の
浸透してゆく
素直 ....
おまえんちで幕府開いてやろうか 梅雨の雨に打たれても
冷水のごとく頭を冷やしてくれるでもなく
ただじっとりと皮膚細胞の表面を融解させていくだけなので
五月雨には稀塩酸が溶けている。

猫は命が九つあるというが
命を七つく ....
ともだちが予言してた、エリちゃんは爪が割れたらAV女優なるんだよって、それ、ほんとうだった。


教室でエリちゃんの爪が割れてほんのすこし血がにじんだ、エリちゃんは痛くないですよって顔をして ....
平瀬たかのりさんのおすすめリスト(850)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
砂の中の海- るるりら自由詩25*13-7-6
つめとゆび- はるな自由詩513-7-6
- 自由詩5+13-7-6
店番- 春日線香自由詩713-7-5
原田さん- 佐東自由詩5*13-7-5
りょんちゃん、たべかすがついているよ- はるな自由詩913-7-3
酷い話- ……とあ ...自由詩20*13-7-3
どろたぼう- 佐東自由詩9*13-7-3
ため息- 未有花自由詩24*13-7-3
春のキャンペーン- 壮佑自由詩9*13-7-2
玉葱なひと- たま短歌25*13-6-29
アフリカ- 佐東自由詩12*13-6-27
夏の横顔- Lucy自由詩22*13-6-25
谷中日和__- 服部 剛自由詩1013-6-24
彼女さえ太ってなけりゃ夏の海- 北大路京 ...俳句613-6-23
ナイロン袋は心にもない音がする- 北◆Ui8SfU ...自由詩513-6-23
とうきび- ただのみ ...自由詩20*13-6-23
こぐま座- Lucy自由詩24*13-6-22
小さな路地の先っちょに- 灰泥軽茶自由詩1113-6-22
石狩挽歌- 壮佑自由詩11*13-6-21
ぼくにできること- たま自由詩25*13-6-21
気がかりについて- 春日線香自由詩713-6-20
六月の朝に寄せて- 佐東自由詩11*13-6-19
宇宙ひよこ- ただのみ ...自由詩27*13-6-18
トラウマを数えていたら時間切れ- 北大路京 ...川柳513-6-18
りりあん- そらの珊 ...自由詩21*13-6-18
水辺で暮す- 佐東自由詩14*13-6-17
おまえんちで幕府開いてやろうか- 北大路京 ...自由詩1013-6-14
わたしは猫になりたい。- 凍湖(と ...自由詩5*13-6-13
エリちゃんの六月- ざらざら ...自由詩11*13-6-12

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