どこまで行っても焼けた道が続くものだから
どうにもやりきれなくなって
木陰で休んでいる行商に暑いですね
魚ですか? と聞いてみる
おばあちゃんはにこにこして
なまこを売りよんよ、と氷を敷き詰 ....
 {引用=松田聖子との同時代はもはや左腕の種痘痕のみである。
                     哲学者 猿田川愕膳}
  具足の季節
          作詞:三浦徳子
        ....
土曜日の午後
コーヒーショップに子象が入ろうとしたが
ドアに胴体がはさまって
そのまま動けなくなってしまった
店の外から象使いの少年と通行人が
しっぽを掴んでエイヤッと引っ張っている
 ....
小学生ぐらいの女の子が下校中一人で

自分に課したルールで遊んでいるのか

罰ゲームか何かなのか

後ろ向きで住宅街をゆっくり歩いている

月面遊泳のようなスローモーションで

ラ ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
 ....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている

扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
 ....
星からおちた小さな人が 走る
走れることが ただ 嬉しくて
他の子たちが小さな人を 追いかける
笑いながら走っているから 追いかけたくて

星だったころだって 走っていた
回れ ....
ゆらめいている
薔薇沿線のかたわらで
白い女の子たちの
折り目正しい
プリーツの

祈りの姿勢はいつも
夏うまれの呼吸をついばんで
ひまわりの瞳の高さまで
つん と
背のびする
 ....
君と棲んだアパートを壊す重機の名前がわからない 覚えたてのシンカーの握りかたで
深く沈んでゆく
午睡

サイドハンドスローで
手渡された
ワンナウトランナー
八月二十日

野球帽のひさしの影に
そっと触れる
オーシツクツク
 ....
愛しても愛しても闇花魁草 俺の悪口でもウケたのならいい (波が、足もとで。)

うまれたばかりの波の子らが
ころころと笑いあう
くるぶしの
ちいさな砂が
星のかたちの足あとをつけながら
ひそやかにのぼってくる
ふくらはぎの

わすれてし ....
   象

ふるさとの草原も夕日も君は知らない。君の母親も父親もふるさとを見たことが無いからその広大さも見事さも話に聞いたことすらない。そこに憧れることもなく、ただ与えられたスペースを歩き与えられ ....
コーヒーショップで冷コ中
窓の外ではトウモロコシが
半被を着てイカ下足を焼く夏祭り
駅前広場に設営された
野外ステージではカラオケ大会
たまにはこういうのもいいな
近くの信用金庫のOLが
 ....
誰でも救われる訳では無いけど。

でも救ってくれたあなたは、
あと少しで炎が消えそうに
揺らいでいます。

幼いわたしは坂に向かって開かれた窓から
あなたの名前を呼びました。
親があな ....
真夏日のばんざいごろ寝哺乳瓶 {引用=
夏の陽に 焼かれながら
後ろ手の 信玄袋をけつの下に
揺らし


女の背は 凛とし
黒紋付の羽織で、振り向く{ルビ面=おもて}が艶やかだった


名は、定
床上手の 女 ....
夕方になっても
蝉が鳴きやまない

うちの玄関先にある蝉スイッチは
OFFにしといたはずなのに
いつの間にかONになっていた
(ヒグラシスイッチなら歓迎するけどクマやアブラは勘弁してほしい ....
歓声が割れんばかりのスタジアムシュートを決めてするプロポーズ きょう美術館でシャガール展は観なかった

美しい青が踊り

悲しくなって微笑んだ

僕は僕の人生とミスマッチしている

一人の時にだけ呼吸する

奇妙な半魚人だ

夏に生まれな ....
枝豆を茹でる
さやには産毛がひしめいて
そのあおい膨らみに
おまえが未成熟のまま
刈り取られてしまったことを
想う
夕立は夏の序曲

塩をふって
硝子の器に盛り
冷蔵庫に冷やしてお ....
1.

荒田電装の
スレートの屋根に
砂を
まきながら
夏の午後が
とおりすぎてゆく

猫背の遠浅が
満ちてゆくように




2.

大量に捕った
ショウリョウバ ....
プールの授業は嫌いだから
学校を休みたいという
息継ぎが
うまくできないらしい

ネットで検索してみる
吐かなければ息は吸えない
水中で吐くこと
頭をあげる向きと
タイミングにコツが ....

潮の香が
心地よくいざなう午後は
大抵の白い壁に
透明のバス停が浮き上がっていて
そこには潮流の到着時刻が

【珊瑚時】
【シオマネキ分】
【ゾエア秒】

海洋性の点字で記さ ....
コーヒーをひと口飲むと
下腹部に非常に強い便意が襲ってきた
そう言えば今日は朝方から
何となくお腹が妙な具合ではあった
この店では駅構内のトイレに行くしかない
けっこう遠いんですよこれが ....
パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに

繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが ....
夕暮れどきの町なみは
どこかゆるんでいて
おだやかな顔ばかりが
すれちがってゆく

街灯が点灯し
一番星が顔を見せる頃
どこを歩いているのだろう

灯りの点いた家を探して
通り ....
ロシアでもドイツでも
三人兄弟の末っ子は
けなげでありたくましい

日本の三人姉妹の末っ姫は
異界に嫁いで人間世界を救う

水の不足は命の危機
日照りの続く田の畦を這う小蛇と
交わし ....
爪先で弾く夏
くちびるに影法師
背中のロンド
ラムネ壜に閉じ込めて

水の匂いのする靴音
いいえ あなたの声色
雲間に擬態する日だまり
いいえ あなたの胸元

飛び跳ねた水の中 ....
平瀬たかのりさんのおすすめリスト(850)
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【凪】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から- そらの珊 ...自由詩2013-7-21
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俺の悪口でもウケたのならいい- 北大路京 ...自由詩313-7-18
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夏祭り- 壮佑自由詩16*13-7-17
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真夏日のばんざいごろ寝哺乳瓶- 北大路京 ...俳句513-7-17
定・考- 月乃助自由詩8*13-7-16
蝉スイッチ- 佐東自由詩8*13-7-16
歓声が割れんばかりのスタジアムシュートを決めてするプロポーズ- 北大路京 ...短歌213-7-15
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夜叉姫- イナエ自由詩12*13-7-7
mermaid- 佐東自由詩10*13-7-6

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