とおいと
おい場所まで
いったつもりがわりとちかくだった
手ざわりとして
においなのかもしれない
そういったものたち総称としての手ざわりとして
あったような手ざわりとして
なんとかあとで ....
もう読みたくはないのだ
わたしは明るい光のもやもやと
たゆたうなかに身を落とした
ここでは視界も聴覚も澱んで
生温くて居心地がいい蜜液のような

見詰め過ぎたのだよ秒針の動く早さとたど ....
肌をすべる泡が灰色に変わりはじめ
見下げて
乳房から続く白い曲線や
つま先の綺麗な花色に
絶望する

口紅を塗らないのは
ちいさな爪を伸ばさないのは
この隙間を
みつけてほしいんだと ....
蝿がぶうんと飛んでいた
人工の生活に慣れない
おまえは電球のかさにさえ
眩惑する
生まれついた無鉄砲さに五六回
かさの障子に挑んでは
じじじとわめいて
いつしか諦めたように
卓上におち ....
蝉は夜企んでいる
おてんとさまが顔を見せたら
どんな風に吠えてやろう
入道雲を飛び越えて
知らぬ街まで響かせようか!

蛙たちの雑談に
まぎれた樹の幹
食い込むほど爪を立て
ひっそり ....
猫が疑問符を撒きちらし
夜がいくらか賑わいを増す
その髭の長さぶんの内容を
ひとつはそっぽをむいた月へ
ひとつは笑い揺れる木々へと
夜が明けるまで
あくびする間もなく語りかける

永遠 ....
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