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ひとつの終わらない薔薇がある
幾重にも幾重にも
内面から開き続け
外側の花弁が枯れて
次々と散り落ちても
秘められた未知なるものが
沸き上るように　艶やかに捲れ
芳醇な色香を放ち続ける
　.... 黄色いシーソーが二つ
同じ方を下げて
ならんで寝ころぶ恋人同士みたい　

ブランコも二つ
風にほんの少しだけこぎ出して
仲睦まじそう

のっぽの滑り台はひとり
空を見上げている　雨が　.... 寝起きの熊のよう
ボンヤリ不機嫌
だぶだぶの部屋着
クロックスを引きずって

それでも花　
今朝　三つめ

ピンクのチューリップ
黄色い水仙
真っ赤な髪の少女
重そうにコンビニの　.... 山を駆け下り開けた浅瀬に出ると
ゆるゆると草を揺らしながら往く
水の膨らみは千変万化を繰り返し
陽射しに微笑みを返すのだ

小学生の女の子ばかり六人
紫外線から完全に身を守った女の先生と一　.... 残暑なんてあっという間
待たされるのは春くらいなもの

きょう雨はやわらかな御手
緑深い山々のあたまを撫でている

天はやさしく言い諭す
まるで母親のように

さあ片付けを始　.... きょう美術館でシャガール展は観なかった

美しい青が踊り

悲しくなって微笑んだ

僕は僕の人生とミスマッチしている

一人の時にだけ呼吸する

奇妙な半魚人だ

夏に生まれな　.... トウキビの葉がゆれている
昨夜の雨に濡れたまま
まだ膝くらいの高さだが
すぐに背丈ほどにもなるだろう

トウキビはうまい　だが
そんなに食べたいとは思わない
年に一度も食べられれば十分だ　.... 　今夜の月は何か変だ

と　思ったその時
小さく　ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている

　えっ　ひよこ？

一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
　.... 目玉焼きの黄身が箸から崩れ落ち
食卓からも外れて床に落ち
砕け散った
バラバラのきみを
拾い集めては捨て
床の汚れを拭い取る
そして再び橋に向い
目玉の白目だけを食べ終わると
味気ない　.... アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた

迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
　....
平瀬たかのりさんのただのみきやさんおすすめリスト（10）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薔薇とハナムグリ- ただのみ ...自由詩17*16-1-2
雨の日の公園- ただのみ ...自由詩18*15-7-8
おじさんから見れば- ただのみ ...自由詩16*15-5-19
愉快な午後- ただのみ ...自由詩17*15-5-2
見送るだけ- ただのみ ...自由詩18*13-9-5
きょう美術館で- ただのみ ...自由詩28*13-7-14
とうきび- ただのみ ...自由詩20*13-6-23
宇宙ひよこ- ただのみ ...自由詩27*13-6-18
朝食- ただのみ ...自由詩20+*13-5-4
嵌め殺しの窓- ただのみ ...自由詩24+*13-3-6
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